週半ばまでもみあいとなるが、週末に終値ベースで戻り高値更新

先週の予測では、ウクライナ情勢や中東情勢の地政学的リスクの高まりはあるものの、アメリカでは決算のピークを控えて好決算が期待され、国内的には1月23日の15,958円の戻り天井の信用期日通過となって需給関係が改善し、本格化する4-6月期決算の上振れ期待が下値を支えることになるとし、15,100~15,500円の日柄調整が続くことを想定しました。

結果的には、3連休明けの22日(火)は、地政学的リスクの落ち着き(ウクライナの親ロシア派が遺体や飛行データの引渡しに応じることで合意や、アメリカのケリー国防長官がイスラエルの停戦模索のためエジプトへ)から、日経平均は4日ぶりの反発となって△127円の15,343円と前週末の18日(金)の▼154円の15,215円をほぼ埋めました。

その後は25日移動平均線近辺の15,300円水準で膠着状態となり、23日(水)は▼14円の15,328円、24日(木)は▼44円の15,284円と本格化してくる決算の様子見となっていましたが、週末の25日(金)は海外でユーロ圏のPMIが予想外に良かったことでユーロ買いからドルに対しても101円台後半への円安が進み、主力企業の決算も予想を上回るものが目立ったことで先物に主導される形で上げ幅を拡大し、△173円の15,457円の高値引けとなりました。終値ベースで7月4日(15,437円)を更新し、テクニカル的には保ち合いの上放れの形となります。

 

今週は15,500円台にのせても、上値は重い展開へ

今週は、4-6月期決算発表は主要企業の前半戦のピークとなります。先週の動きは、決算発表後材料出尽くしという形にはならず、発表を通じて企業業績の堅調さが確認できたとして評価される動きとなっています。好決算が続くようだと決算を手掛かりに業績相場に向かいやすく、地政学的リスクなどの外部環境が落ち着いていれば、15,500円を試す展開となりそうです。

但し、市場ボリュームからみると上値を追っていく状況とはいえず、膠着状態からは完全に抜け出すのは難しいと思われます。外国人投資家は夏休みに入り、市場ボリュームの増加は期待できません。ただ、今週はアメリカでFOMCや4-6月期GDPの発表があり、景気回復の期待が高まればドルが買われて円安となり、輸出関連株中心に物色される可能性はあります。

本日28日(月)は、先週末にアメリカ株式が下落したものの、為替は円高方向に動かなかったことで企業業績に期待する押し目買いが入って15,500円台を回復しました。上海株式を始めとするアジア株式が大幅高となっていることで15,556円まで上昇しましたが、ここから上値を追う動きとはならず高値圏のもみあいとなって、△69円の15,527円で引けました。テクニカル的には先週末の上昇が終値ベースでの戻り高値更新となっていたことで、目先の上放れの形でした。しかし、15,500円から更に上値を追うのは、アメリカで今週はFOMCや7月雇用統計を控えているため様子見ムードとなる可能性があります。

 

 

(指標)日経平均

先週の予測では、先々週の地政学的リスクから海外投資家の日本株買いは活発化せず上値の重い展開となるものの、下値ではアメリカ企業の好決算や年金買いにサポートされて15,100~15,500円の日柄調整が続くとしました。

結局は、3連休の間にウクライナも中東の地政学的リスクが悪化しなかったことで、22日(火)は4日ぶりの反発となって先々週末の下げ分を取り戻す△127円の15,343円となりました。その後は、24日(木)まで15,300円水準での膠着状態となりましたが、週末の25日(金)は海外でやや円安が進行したことが支えとなり好決算銘柄中心に買われて△166円の15,450円となりました。

今週は、主要企業の決算発表の前半戦のピークとなり、先週の動きをみていると決算発表を通じて企業業績の堅調さが評価されており、外部環境が落ち着いていれば7月4日のザラ場での今年の戻り高値15,490円、次いで15,500円を試す展開となりそうです。但し、上値追いは外国人の買いの不足で市場ボリュームが低調のままですので、難しいところです。

週明け28日(月)は先週末のアメリカ市場は下落したものの、為替が101.80円台の円安水準のままとなっていることやアジア市場が大幅高となったことから企業業績に対する押し目買いが入り、15,500円台を回復しました。しかし、上値を追っていく形にはならず、高値圏のもみあいとなって△69円の15,527円で引けました。このまま上昇しても今度は15,600円水準が次のフシとなります。

日経平均

 

(指標)NYダウ

先週の予測では、4-6月期の決算のピークで7割強の企業が予想を上回る見通しのため、上値を試そうとするものの、地政学的リスクとの綱引きとなってもみあいとなる展開を想定しました。

結果的には、週初めは地政学的リスクへの警戒感から売り先行となるものの、地政学的リスクが落ち着いてくるとハイテク大手が相次いで好決算発表で上昇し、週半ばにはS&Pは過去最高値を更新しました。週末の25日(金)は、ハイテク大手の冴えない決算や欧州の対ロシアに対する経済制裁の強化観測もあり、▼123ドルの16,960ドルで引けました。柴田罫線では、上向先細三角形(B)の上値斜線にアタマを押さえられている形となっています。

今週は、地政学的リスクへの警戒感が続く中で強弱感が入り混じっている4-6月期決算発表も後半戦を迎え、重要な統計発表も相次ぐことで高値圏での一喜一憂の動きとなりそうです。特に29日(火)からのFOMCと30日(水)発表の4-6月期GDP速報値が注目となります。

NYダウ

 

(指標)ドル/円

先週の予測では、地政学的リスクからリスク回避の円買いの地合いがあるものの、アメリカで利上げ観測が高まればドルの買い戻しとなるとし、100.8~102円の狭いもみあいを想定しました。

結果的に、地政学的リスクが落ち着いたことで週前半は101円台前半の小動きとなっていましたが、週後半になるとユーロ圏のPMIが予想外によかったことでユーロ買いが進み、ドル・円は1ドル=101円台後半の円高の動きとなりました。週末の25日(金)は101.94円まで上昇して、101.84円で引けました。

今週は、イベントが多く強弱対立する相場展開の可能性があります。又、地政学的リスクは引き続き安全資産としての円買いの圧力となるでしょう。アメリカの29~30日のFOMCでは、景気見通しが改善されれば利上げを織り込んだドル買い・円売りの可能性もあります。又、8月1日の7月雇用統計が改善すると円安になりやすいという状況にあります。101~102.5円のレンジを想定。

ドル/円