株は「思惑」の段階で大きく上がる

株価は常に将来を見据えて動くものです。そのことを如実に表した有名な相場格言に「株は思惑で買って事実で売れ」というものがあります(「噂で買って事実で売れ」と表現されることもあります)。

画期的な新製品が開発されるようだとか、爆発的なセールスが期待できそうだ、業績が劇的に変化しそうだ、といった思惑や噂が存在する銘柄は、その先行きに強い期待感が抱かれます。

するとその銘柄は将来業績が飛躍的に良くなりそうだと投資家から判断されることになり、株価は大きく上昇していくのです。

思惑が事実に変わってからの新規買いでは遅い

しかし、実際に思惑や噂が真実となり、好業績が明らかになると、その後の株価は逆に下落していくことがよくあります。(もちろん、思惑通りにならないことが明らかになったときも株価は急落します。)

繰り返しになりますが、株価というものは将来を織り込んで動くものです。噂や思惑の段階で、その将来を織り込んで株価はどんどん上昇していきます。そして、事実が確認できた頃には、好業績は株価上昇によりすっかり織り込まれているため、逆に材料出尽くしとして株価が下がってしまうのです。

噂や思惑が真実となり、実際に業績が良くなったことが確認できてからその銘柄を買っていてはもう遅いのです。そのタイミングでの新規買いは高値掴みになってしまう危険性もあります。

そうでなくとも、思惑の段階で安く買い仕込むのと、そこから株価が5倍、10倍になった後に事実を確認した上で買うのとでは、投資成果がまるで違ってきます。高い将来性が見込まれる銘柄ならば、時には足元の業績が赤字のうちから買い仕込みをしないと大きな利益を得ることは難しいのです。