お金と投資をもっと身近に
facebook twitter
米景気好調で利上げ予告どうなる日本株(窪田真之)
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略〔平日毎朝8時掲載〕
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略をレポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅…

米景気好調で利上げ予告どうなる日本株(窪田真之)

2017/3/6
2月の米ISM製造業・非製造業景況指数ともに改善。米景気回復の勢いが増している。イエレン米FRB議長が3月14・15日のFOMCでの利上げを事実上、予告。
facebook twitter メールで送る 印刷

執筆:窪田真之

今日のポイント

  • 2月の米ISM製造業・非製造業景況指数ともに改善。米景気回復の勢いが増している。イエレン米FRB議長が3月14・15日のFOMCでの利上げを事実上、予告。
  • 日本の景気・企業業績にも回復色が強まっており、日経平均は、いずれ20,000円台に乗せると予想。ただし、2017年後半は世界的に政治不安が高まり、世界的に株が下落するリスクを要警戒。

(1) 米景気回復の勢いが増す、イエレンFRB議長が月内利上げを事実上予告

先週、米国株にとって重要な2つのイベントがありました。1つは、2月28日のトランプ大統領の議会演説です。市場に好感される内容で、世界的な株高につながりました。

もう1つは、3月3日のイエレン米FRB議長の講演です。「米経済は著しく回復した」と述べ、月内の利上げが適切との見解を示しました。3月10日(金)に発表予定の2月の雇用統計が極端に悪くない限り、3月14・15日のFOMC(金融政策決定会合)で利上げすることを、事実上、予告した形となりました。

  • 2月28日のトランプ演説、何が好感されたか?

内容に新味なく、保護貿易・排外主義の内容を含んでいる点は、ネガティブでした。ただし、言葉の使い方や演出が巧みで、米国民の団結・米国精神の復活を訴え、夢や希望、弱者への思いやりを感じさせる内容に仕上がっていました。米国民の多くが「大統領らしい」と感じる出来でした。

金融市場が好感したのは、共和党議員が何度も何度もスタンディング・オベーション(立ち上がっての拍手喝采)を繰り返したことです。伝統的な共和党の考えとまったく異なる大統領が、共和党内で孤立する不安がありましたが、演説中の共和党議員の拍手喝采を見ると、その不安が薄れました。

議会の雰囲気は、「大統領が共和党の協力を得て、思い通りの景気刺激策を実施できる」との印象を与えるものでした。ただし、政策実行にあたり、本当に共和党が全面的に大統領に協力するかは、未知数です。

  • 3月3日イエレン議長が事実上の利上げ予告

イエレン議長は金融政策について、市場との対話を重視し、金融政策の変更を事前に市場に織り込ませる方針を貫いています。2015年12月と2016年12月に利上げをした際も、直前に利上げ実施を示唆しており、利上げ発表当日に、市場にショックが起こらないようにしてきました。

3月3日のイエレン講演は、月内利上げを約束したものではありませんが、事実上、予告したと解釈できます。

(2)米景気回復の勢いが増している

先週、米景気の現状をよく表すものとして注目が高い、2月のISM景況指数が発表になりました。製造業・非製造業ともに、一段と改善が進んでいました。

ISM製造業景況指数:2014年1月-2017年2月

(出所:米ISM供給公社)

製造業景況指数は、2015年末から2016年初めにかけて、景況の分かれ目と言われる50を割り込みました。①原油急落を受けて石油関連産業が悪化したこと、②ドル高の影響で輸出産業が悪化したことが、影響しました。

2016年の後半からは、米製造業の景況は改善し、2017年に入ってから、回復が加速しています。

トランプ大統領は、大統領選挙キャンペーン中に、「米製造業を苦しめるドル高」と、「ドル高を招く利上げを実施する米FRB」を、しきりに批判していました。ところが、大統領に当選してからは、FRBの利上げに対して、特にコメントしていません。製造業の景況が非常に良くなってきているので、利上げを批判する理由がなくなっていると考えられます。

利上げを実施したい米FRB幹部には、「製造業の景況が良く、トランプ大統領があまり利上げに対して文句を言わない」今こそ、利上げをする絶好のチャンスと映っているかもしれません。

トランプ大統領は、選挙期間中に、円安もしきりに批判していました。今、円安を直接批判するコメントをしないのも、米製造業の景況が良くなっていることが影響していると思います。

米製造業の景況が悪化すれば、トランプ大統領は、再び、米利上げ・円安を批判し始めると思われますが、当面は、利上げを容認すると考えられます。

以下の通り、2月は非製造業の景況も改善しています。

ISM非製造業景況指数:2014年1月-2017年2月

(出所:米ISM供給公社)

(3)日本株はどうなる?

日経平均は、20,000円台回復を目指して、上昇トレンドが続くと予想しています。以下の4点が強材料です。

  • トランプ大統領が、共和党主流派と融和して政策を推し進められる期待が出ている。
  • 米景気および世界景気の回復色が強まってきている。
  • 米利上げが月内実施される見込みが強まっており、円高圧力が低下する見込み。
  • 日本の景気・企業業績も回復しつつある。

ただし、世界の政治リスクが高まっている現状は、変わりません。トランプ大統領は、中国包囲網を作りつつ、国防支出の大幅拡大方針を打ち出しました。中国も対抗上、軍事費を大幅に拡大します。中国の海洋進出をめぐって、米中が緊迫化する局面が生じると、円高が進み、日本株が売られるリスクもあります。

日経平均は、2017年前半は世界景気の回復を織り込みつつ上昇が続き、年後半に政治不安の拡大を嫌気して調整に入るという見方を維持します。

【この記事に対するアンケート回答はこちらから】

トウシルのオススメ記事

▲トウシルトップページへ

 

投資の失敗
老後破綻
はじめよう株主優待
桐谷広人

 

このレポートについてご意見・ご感想をお聞かせください米景気好調で利上げ予告どうなる日本株(窪田真之)

本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。

記事についてのアンケート回答確認

米景気好調で利上げ予告どうなる日本株(窪田真之)

今回のレポートはいかがでしたか?
コメント
投資の失敗
 
ボーナス投資  
桐谷広人
株主優待
 
老後破綻  
動画でわかる

 
NISA
 
楽天証券夏ボーナス
メールマガジン

直近1日の記事を配信します

配信:平日毎営業日配信
祝日・GW・夏季/冬季休暇 を除く

公式SNS

タイムリーな情報を
ゲットできます

配信:記事配信時 随時
facebookおよびTwitterには一部配信しない記事もあります

TOP
×
トウシル メールマガジン および SNSについて
メールマガジン 申込み

トウシルメールマガジンではレポートやコンテンツ等、直近1日の記事をお知らせします。
本メールは配信希望のお客様に平日毎日お届けしております。
リアルタイムでの情報取得は、公式SNS(facebook、twitter)もあわせてご利用ください。

  • 「メールマガジン 選択/受付」画面から購読を選択できます。
  • 楽天証券のメルマガをすでに配信希望にされている方は、
    初期設定としては購読申し込みとなっている場合があります。
  • メールマガジン購読申し込みには、楽天証券会員登録(口座開設)が必要となります。
Gmailサービスをご利用の方へ
メールマガジンを受信時正しく表示されないことがございます。あらかじめご了承ください。
メールマガジン サンプル
メールマガジンサンプル
  • 「メールマガジン 選択/受付」画面から購読を選択できます。
  • 楽天証券のメルマガをすでに配信希望にされている方は、
    初期設定としては購読申し込みとなっている場合があります。
  • メールマガジン購読申し込みには、楽天証券会員登録(口座開設)が必要となります。
Gmailサービスをご利用の方へ
メールマガジンを受信時正しく表示されないことがございます。あらかじめご了承ください。