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不動産ブームでも上値重い不動産株REITは堅調
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略〔平日毎朝8時掲載〕
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略をレポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅…

不動産ブームでも上値重い不動産株REITは堅調

2017/2/21
都心は不動産ブームの様相を呈している。その恩恵で、大手不動産株は、軒並み最高益更新の見込み。
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執筆:窪田真之

今日のポイント

  • 都心は不動産ブームの様相を呈している。その恩恵で、大手不動産株は、軒並み最高益更新の見込み。
  • 業績好調でも、不動産株は上値が重い。不動産市況がやや過熱していることが、警戒されている。個人投資家には、不動産株よりも、平均分配利回りが約3.7%のREIT(リート:上場不動産投資信託)の方が人気がある。

(1)不動産ブーム続く

アベノミクスが始まった2013年以降、景気回復と異次元金融緩和の効果で、不動産需給が改善しました。今、都市部は、不動産ブームの様相を呈しています。

都心5区オフィスビルの賃料・空室率平均の推移:2013年1月―2016年10月

(出所:三鬼商事、都心5区は東京都千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区)

三鬼商事の調査によると、2013年1月に8.56%であった都心5区の空室率は、2017年1月に3.74%まで低下しています。平均賃料は、2013年中は低下が続き2013年12月に16,207円/坪となりましたが、そこから上昇に転じ、2017年1月には18,582円/坪となっています。

(2)大手不動産会社で、賃貸不動産の含み益が拡大している

賃貸不動産の含み益上位5社の含み益:2013年3月―2016年3月

銘柄名 三井不動産
8801
三菱地所
8802
住友不動産
8830
東日本旅客鉄道
9020
日本電信電話
9432
2013年3月 8,104億円 1兆9,444億円 1兆15億円 8,617億円 6,576億円
2014年3月 9,204億円 2兆676億円 1兆1,326億円 9,193億円 6,244億円
2015年3月 1兆2,159億円 2兆964億円 1兆2,901億円 1兆207億円 7,328億円
2016年3月 1兆5,644億円 2兆1,807億円 1兆6,975億円 1兆2,693億円 8,522億円

(出所:各社有価証券報告書および決算短信。
賃貸不動産の含み益は、時価と取得原価の差額で、不動産の値上がりによる価値増加分)

日本では、賃貸不動産に巨額の含み益が存在する会社が多数あります。賃貸不動産の含み益上位5社を挙げたのが、上の表です。上位3社は、大手不動産会社ですが、4位はJR東日本(電鉄会社)、5位はNTT(通信会社)です。

近年、金利低下と不動産価格の上昇により、賃貸不動産の含み益が拡大しつつあります。

(3)不動産ブームの恩恵で最高益の大手不動産株

大手不動産株の2017年3月期経常利益:4-12月実績と通期(会社予想)

コード 銘柄名 4-12月実績 増益率 2017年3月期予想 増益率
8801 三井不動産 1,561億円 + 9% 1,980億円 + 9%
8802 三菱地所 1,366億円 +25% 1,620億円 +12%
8830 住友不動産 1,312億円 +17% 1,650億円 +11%

(出所:各社決算短信)

都市部に優良不動産を保有する大手不動産会社は、不動産ブームの恩恵を受けて、軒並み最高益を更新する予想となっています。

(4)上値の重い不動産株

不動産業は市況産業です。過去に、不動産市況の上昇下落に対応して、ブームと不況を繰り返してきました。不動産業は今、ブームの渦中にありますが、不動産市況にやや過熱感があることが意識されて、不動産株は上値が重くなっています。

以下の「東証不動産株価指数の動き」をご覧ください。ここに、2001年以降の、不動産市況の推移が表れています。

東証不動産株価指数の動き:2001年1月―2017年2月20日

(注:2001年1月末の値を100として指数化、楽天証券経済研究所が作成)

2001年は不動産不況のさなかにありました。その後、不動産市況は回復に向かい、2005-2007年に不動産ミニバブルと言われるブームがありました。このブームは2007年まで続きましたが、その直後、このミニバブルは崩壊しました。不動産市況も不動産株も大きく下落しました。

2013年から、不動産市況は上昇に転じ、今もブームは続いています。ところが、不動産株価指数だけは、先にピークアウトを織り込み、上値が重くなっています。

(5)長期投資を考えるならば、不動産株よりもREIT(リート:上場不動産投資信託)の方が有望

不動産株の上値が重くなっていますが、REIT(リート:上場不動産投資信託)の株価は堅調です。

東証REIT指数と不動産株価指数の動き比較:2012年末―2017年2月20日

(注:2012年末の値を100として指数化、楽天証券経済研究所が作成)

アベノミクスがスタートしてからの動きを比較したのが、上のグラフです。異次元金融緩和を導入したことを好感して、最初は、東証REIT指数・不動産株価指数ともに急騰しました。ただし、その後の値動きがまったく異なります。東証REIT指数は、高値圏で堅調な動きを続けていますが、不動産株価指数は、2015年後半から、大きく下がっています。

どちらも主に不動産に投資するものですが、利益の分配方針の違いが、パフォーマンスの差に出ました。REITは、毎期の利益をほぼすべて投資家に分配します。分配金方針のわかりやすさと、相対的に高い分配金利回りから個人投資家に人気となりました。ちなみに、現在、REITの平均分配金利回りは、約3.7%です。個人投資家には、不動産株よりも、REIT(リート:上場不動産投資信託)の方が人気があります。

一方、不動産株は、投資家への利益還元方針が不明瞭です。大手不動産会社で、配当金利回りが1%前後と低く、個人投資家の投資ニーズが高まりません。

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