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相続は財産だけにあらず~債務の相続について最低限知っておきたいこと
足立 武志
知らなきゃ損する!今日から使える税金のキホン
難しくよくわからない「税金」。だれでもわかるように、知らないと損する情報を公認会計士・税理士かつ個人投資家がお届けします。

相続は財産だけにあらず~債務の相続について最低限知っておきたいこと

2017/2/10
相続が発生したとき、相続人が受け取るのは現金・預金、株式、不動産といった「財産」だけではありません。銀行からの借入金などの「債務」も対象となります。今回は債務の相続について最低限これだけは知っておくべきことをお伝えします。
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相続が発生したとき、相続人が受け取るのは現金・預金、株式、不動産といった「財産」だけではありません。銀行からの借入金などの「債務」も対象となります。今回は債務の相続について最低限これだけは知っておくべきことをお伝えします。

「プラスの財産」も「マイナスの財産」も相続する

相続が発生すると、相続人が財産を受け取ることになります。財産と言ってまず思いつくのは、現金・預金、株式・債券・投資信託などの有価証券、土地・建物といった不動産、といったところでしょうか。

実は、これらの財産はいわば「プラスの財産」です。財産には「マイナスの財産」というものもあります。例えば銀行からの借入金や未払いの代金、賃貸しているアパート・マンションの入居者から預かっている敷金などです。つまり、「マイナスの財産」とは債務のことです。

相続では本来の財産である「プラスの財産」、債務である「マイナスの財産」のいずれも、相続人の誰かが引き受けることになります。

遺産分割協議書で「全て放棄」と書いても放棄したことにはならない

遺言書がない場合、遺産分割協議により、誰がどの財産を相続するかを決定します。決定した内容は、遺産分割協議書という形で書面に残します。

この遺産分割協議でよくあるのが、例えば相続人が長男・長女・次女の3人だったとして、

  • 長男が被相続人の財産と債務の全てを相続する
  • 長女および次女は、財産・債務の相続の一切を放棄する

という内容の遺産分割協議書を作成するケースです。

この遺産分割協議書を作った相続人からすれば、「長男がプラスの財産もマイナスの財産も全て引き受ける」「長女・次女はプラス・マイナスかかわらず全ての相続財産の受け取りを放棄する」としっかり決定した、と思っていることでしょう。

しかし、遺産分割協議書の中で「一切の財産・債務の相続を放棄する」と書いても、法的に有効とはならないのです。

相続を放棄したはずなのになぜ長女が借入金の返済を?

実は、遺産分割協議書にて「長男が債務の全てを相続する」と決定したとしても、それはあくまで当事者間(相続人間)だけで通用する話です。例えば被相続人が銀行から借り入れをしていた場合、銀行側はあくまでも「法定相続分」に応じて相続人に借入金の返済を求めてきます。銀行としては、借入金を返済する能力のない人が借入金の全てを相続してしまったら、回収ができなくなり困ってしまうからです。

上のケースでは、銀行としては借入金を長男・長女・次女がそれぞれ3分の1ずつ相続したとして、長男だけでなく長女・次女にも返済を求めることができます。

ですから、借入金について法定相続分とは異なる内容としたい、上の例では長男1人で相続したいのであれば、銀行に相談し、同意を得ることが必要となります。

もちろん、遺産分割協議書の内容は相続人間では有効ですから、長女・次女が銀行から返済を求められた借入金を実際に返済した場合、その額を長男に請求することは可能です。

相続の「放棄」は法的に定められた手続きで

銀行からの借入金がある場合、銀行は正当な権利として、長男だけでなく長女や次女にも返済を請求してくることは上でお伝えした通りです。

こうした事態を避けるためには、相続を放棄するための法的な手続きを取ることが必要です。そうすれば、銀行から借入金の返済を求められることもありません。

相続を放棄したい場合は、相続が起きたことを知ってから3カ月以内に家庭裁判所へ申請をする必要があります。相続の放棄は、相続人全員で行う必要はなく、1人ひとり単独で申請することができます。

相続の放棄には、特有の注意点がいくつかあります。それについては別の回にてご説明します。

借入金など債務の相続は、気を付けないといけない落とし穴がいくつもあります。相続税対策として賃貸アパート・マンションを建設する際、銀行から借り入れをしているようなケースは、相続が発生した後にトラブルとならないよう、生前から公認会計士・税理士などの専門家を交えてよく話し合っておくことが重要です。

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