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6月の要注意イベント 米FOMC・英仏選挙(窪田)
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略〔平日毎朝8時掲載〕
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略をレポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅…

6月の要注意イベント 米FOMC・英仏選挙(窪田)

2017/5/31
6月13・14日のFOMCで米利上げが実施される確率を、市場は95%と織り込んでいる。利上げが無ければサプライズで、円高が進むリスクがある。利上げ実施なら予想通りだが、それで円安が進むか、欧米株式にどういう影響が出るか、注目される。
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執筆:窪田真之

今日のポイント

  • 6月13・14日のFOMCで米利上げが実施される確率を、市場は95%と織り込んでいる。利上げが無ければサプライズで、円高が進むリスクがある。利上げ実施なら予想通りだが、それで円安が進むか、欧米株式にどういう影響が出るか、注目される。
  • 6月8日英選挙、6月11・18日仏選挙は波乱材料になる可能性は低いが、リスク材料として留意する必要はある。

(1)金融市場は6月の米利上げをほぼ確実と見なしている

今、世界の金融市場は、6月に米FRBが、今年2回目の利上げを実施することを織り込んで、動いています。具体的には、6月13-14日のFOMC(米金融政策決定会合)で、FRBがFF金利誘導水準を現行の0.75-1%から、1-1.25%へ0.25%引き上げることを織り込んでいます。

米FF金利先物に織り込まれた、6月利上げ確率の推移は、以下の通りです。

FF金利先物に織り込まれた米6月の利上げ確率:2017年4月3日―5月29日

(出所:ブルームバ-グ)

5月第1週(グラフ中の矢印①)に、6月の利上げ確率が90%を超えました。5月3日に公表されたFOMC(米金融政策決定会合)声明文に、「1-3月の米景気減速は一時的」という表現があり、米FRB(中央銀行)が、6月利上げを実質示唆したものと、見なされました。さらに、5月5日発表の4月の米雇用統計がダメ押しとなりました。3月に弱含んだ雇用指標が、4月に再び、強含みました。これで、金融市場は、6月利上げ確率を90%以上と判断するようになりました。

5月17日に、一時、利上げ確率が81%まで急落しましたが、その後、すぐに90%台に戻りました(グラフ中の矢印②)。17日に米司法省が、トランプ大統領のロシアゲート疑惑捜査に、ロバート・モラー特別検察官を任命したことが影響しました。この時、NYダウが一時大きく下がりました。株式市場の混乱が長引くと、6月利上げが難しくなるとの思惑が一時、広がりました。ただ、ロシアゲート疑惑はその後小康状態で、NYダウも反発したことから、利上げ確率は90%台に戻りました。

(2)6月の米利上げに関するイベント日程

以下の日程を留意する必要があります。

6月1日(木)5月の米ISM製造業景況指数

昨年9月以降、景況改善が続き、2月は57.7に達しました。4月は54.8まで低下しましたが、それでも景況分かれ目の50は上回っています。5月の製造業景況がよほど大きく悪化しない限り、利上げへの障害とはならないと考えられます。

製造業の景況が大幅に悪化すると、米製造業復活を目指すトランプ大統領から、「製造業を苦しめるドル高を招く利上げ」を実施しないように、FRBに圧力がかかる可能性が生じます。

ISM製造業景況指数(季調済):2014年1月―2017年4月

(出所:ブルームバーグより楽天証券経済研究所が作成)

6月2日(金)5月の米雇用統計発表

多少弱めでも、6月利上げの見通しは変わらないと思います。ただし、極端に弱いと利上げを当然視している市場に影響を与え、円高に動く可能性もあります。

6月14日(水)米FOMCの結果発表

利上げがほぼ確実と考えられています。無ければサプライズで円高が進むでしょう。予想通り、利上げになった場合、為替・株式がどう反応するか注目されます。利上げが実施された昨年12月・今年3月のFOMCでは、利上げ後、円安が一服し、円高が進んでいました。

今回も利上げ後、円高に反転するのか、あるいは、利上げ後にドル高(円安)が加速するかが、注目されます。利上げ打ち止め感が出るか否かが鍵を握るでしょう。

6月利上げで利上げ打ち止め感が出ず、今後も利上げが続き、FRBによる国債保有の減額まで議論されると予想されれば、ドル高(円安)が進むと考えられます。ただし、利上げ打ち止め感が出ると、円高になる可能性もあります。

(3)英仏選挙にも要注意

どちらも、金融市場にとって波乱要因とならないと思いますが、サプライズ(驚き)の結果が出ると、影響が出ることもあり、注意を要します。

6月8日(木)イギリス下院選挙

3年後(2020年5月)に予定されていた英総選挙が3年前倒しされ、今年の6月8日に実施されることになりました。現在、メイ首相が率いる与党・保守党は、下院議席の51%とわずかに過半数を占めるに過ぎません(筆頭野党・労働党が35%、他14%)。EU(欧州共同体)とのブレグジット(英国のEU離脱)条件交渉で、強い交渉力を持つためには、与党が議席を伸ばす必要があるとメイ首相は考え、4月下旬に総選挙の前倒し方針を決断しました。

保守党は、当初、ブレグジットに反対していましたが、昨年6月の英国民投票でブレグジットが可決されてからは、メイ首相を中心に、EUとの条件交渉を進めているところです。きっぱりとEU離脱に切り替えて、強い姿勢でEUと条件交渉を進めるメイ首相の姿を見て、英国民に、保守党中心にまとまってEUとの交渉を有利に進めたほうが良いとの機運が広がりつつあります。保守党の支持率上昇を見て、メイ首相は、今、総選挙をやれば勝てると踏み、総選挙前倒しの賭けに出たわけです。

直近の英世論調査で、保守党の支持率が低下、労働党の支持率が上昇して追い上げていますが、保守党勝利の見通しは現時点で変わっていません。

6月8日の英選挙結果は、6月9日の東京時間に明らかになる見込みです。日本株への影響は少ないと思われます。ただ、可能性は低いと思いますが、保守党がまさかの敗北を喫すると、ネガティブ・サプライズとなり、リスク・オフの円高株安が進む可能性があります。選挙結果と市場反応は、以下の通りと、想定しています。

  • 保守党が大勝(大幅に議席を増やす)→ややポジティブ(やや円安株高)
  • 保守党が勝利(小幅に議席を増やす)→中立
  • 保守党が敗北(過半数を維持できず)→ネガティブ・サプライズ(円高株安)

6月11日(日)フランス国民議会(下院)選挙・第1回投票、6月18日(日)第2回投票

5月8日に実施された仏大統領選挙で、親EU派で国際協調路線のマクロン氏が勝利し、反EU派でフランス第一主義(対外強硬派)の国民戦線ルペン党首が敗北したことは、世界の金融市場にとって安心材料となりました。

ただし、マクロン大統領は、既存の政党基盤に支えられていません。それが、国民の支持につながったわけですが、実際に政策を実行するには、議会で勢力を拡大する必要があります。6月の仏議会選挙で、マクロン大統領の政党「共和国前進」がどこまで議席を獲得できるかが、注目点です。また、大統領選で敗れたルペン氏の極右・国民戦線の得票も注目されます。現時点の世論調査では、マクロン氏の「共和国前進」の得票率が約3割でトップになると見込まれています。

選挙結果と想定される市場反応は以下の通りです。

  • マクロン大統領の政党「共和国前進」が大勝→ポジティブ
  • 「共和国前進」が世論調査通り順当に勝利→ややポジティブ
  • 極右・「国民戦線」がトップ、「共和国前進」が2位に→ネガティブ・サプライズ

可能性は低いと思われますが、万一ネガティブ・サプライズの結果が実現すると、円高株安が進むと考えられます。

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