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省力化ニーズ高まる 設備投資関連株に注目(窪田)
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略〔平日毎朝8時掲載〕
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略をレポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅…

省力化ニーズ高まる 設備投資関連株に注目(窪田)

2017/4/27
中国の景気回復と人件費高騰を受け、中国で自動化投資が拡大。日本の設備投資関連株の一部で、受注増加につながっている。工作機械・ロボット・FA機器・ベアリング・半導体製造装置などが投資対象として注目できる。
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執筆:窪田真之

今日のポイント

  • 中国の景気回復と人件費高騰を受け、中国で自動化投資が拡大。日本の設備投資関連株の一部で、受注増加につながっている。
  • 工作機械・ロボット・FA機器・ベアリング・半導体製造装置などが投資対象として注目できる。

(1)設備投資関連産業で受注回復の兆し

日本ロボット工業会は、2017年の産業用ロボット出荷額が前年比7%増の7,500億円と過去最高になる見通しを発表しています。日本工作機械工業会は、2017年の受注総額が昨年より10%程度増加して1兆3,500億円になると予測しています。

中国の景気が回復し、設備投資に増加期待が出ていることが背景にあります。中国では、人件費の上昇を受けて、工場での自動化投資ニーズが拡大しています。世界トップとなったスマートフォンや、自動車・通信関連で、投資が伸びる機運があります。

また、米国でも設備投資が増える期待があります。米国は、トランプ政権の景気刺激策が動き出せば、インフラ投資やエネルギー開発投資に加え、製造業でも投資が増える可能性があります。

設備投資関連の参考銘柄

(金額単位:円)
コード 銘柄名 主な事業内容 株価 配当利回り
今期予想
PER:倍
今期予想
最小
投資金額
6103 オークマ 工作機械 1,183.0 1.5% 21 1,183,000
6135 牧野フライス製作所 工作機械 1,008.0 1.6% 18 1,008,000
6471 日本精工 ベアリング 1,576.0 2.4% 21 157,600
6503 三菱電機 FA機器 1,538.5 1.8% 17 153,850
6506 安川電機 制御機器・ロボット 2,085.0 1.2% 20 208,500
8035 東京エレクトロン 半導体製造装置 13,020.0 2.3% 21 1,302,000

(注:楽天証券経済研究所が作成)

(2)わかりにくい中国経済の実態 投資バブル崩壊?投資回復?どちらが正解?

日本の設備投資関連企業の話しを聞くと、中国で設備投資が増勢です。景気回復・人件費上昇を受けて、省力化投資が伸びつつあるようです。

中国のGDP統計は操作されていて実態がわかりにくいが、中国景気の実態をよく表すことで知られる「李克強指数」を見ると、中国景気の実態がよくわかります。

李克強指数の推移:2007年1月―2017年3月

(出所:ブルームバーグより楽天証券経済研究所が作成)

李克強指数を見ると、中国景気が以下のように推移してきたことがわかります。

  • 2008年にリーマンショックで悪化。
  • 2009年は巨額(4兆元)の公共投資実施で急回復。
  • その後、2015年まで低迷。
  • 2016年以降、回復が継続。

中国景気の現状は、中国の生産者物価指数にも表れています。生産者物価の上昇は、中国経済の体温上昇を示し、下落は体温低下を示します。以下の通り、生産者物価指数は、李克強指数と、ほぼ同じ動きをしています。2012年以降、マイナス圏(デフレ)に沈んでいましたが、2016年から中国経済の回復を映して、大きく上昇しています。2017年3月は、前年比+7.6%の上昇となっています。

中国生産者物価指数(前年比):2007年1月―2017年3月

(出所:ブルームバーグより楽天証券経済研究所が作成)

(3)中国経済には2つの顔がある

中国は、社会主義体制を維持したまま、資本主義革命を実施しました。このため、中国特有の2面性を持っています。

社会主義国としての計画経済・国営企業の非効率経営は、どんどん深刻化しています。一方で、民間企業には競争力が強く、世界の成長分野でどんどんシェアを拡大していく企業が多数あります。

非効率経営の国営企業には、ゾンビ企業が多数あります。こうしたゾンビ企業の存在が、中国経済の隠れた不良資産となっています。

一方で、活力ある民間企業が、世界の成長市場を次々と支配していくという実態もあります。太陽電池の世界トップ企業は、日本・ドイツ・アメリカと変遷してきましたが、今は、中国企業が完全に世界を支配しています。ケータイ電話も、米アップルや韓国サムソン電子にやや翳りが見える中、中国企業が世界トップの地位を固めています。ドローンの製造でも、今や中国がトップに踊りでています。今、中国企業は、電気自動車向けの電池への投資をどんどん拡大しています。やり方は不器用で乱暴に見えますが、後から振り返ると、世界の成長市場を乱暴に奪い続ける力を持っているのも、中国の一面です。

今、国営企業中心に行われた非効率な投資バブルは崩壊寸前です。ただし、競争力のある民間企業は、最先端投資を増やす意向です。設備投資も二極化してきています。

(4)売買タイミングの判断が難しい設備投資関連株

設備投資関連株は、売買タイミングの判断がとても難しいです。受注が増える局面で、株価が大きく上昇することがありますが、受注がピークアウトすると、業績の拡大が続いているうちに、株価が下がり始めることがあります。

こまめに株価を見ていられない方は、設備投資関連株ではなく、景気変動の影響を受けにくいディフェンシブ株に投資した方が良いかもしれません。複数銘柄を保有できる方は、設備投資関連株とディフェンシブ株の両方に分散投資した方が良いと思います。

(5)トランプ政権が税制改革案を発表

26日にトランプ政権は、米税制改革案を発表しました。内容は、以下の通りで、事前に発表されていた内容と同じでした。減税の財源が示されていないことから実現可能性について疑問符がつきますが、実現すれば米景気にプラス効果が見込めます。

  • 法人税率の35%から15%へ引き下げる方針
  • 米企業が海外に投資した資金を本国に環流する際の税率を1回限り引き下げる
  • 法人税の「国境調整」は見送り

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