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情報との接し方

2015/5/27
前回は、情報の取り方をテーマに、新聞からの情報の取り方のお話をしました。新聞からの情報は断片情報ですが、“Information” と “Intelligence”の違いをお話したように、・・・
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情報との接し方

前回は、情報の取り方をテーマに、新聞からの情報の取り方のお話をしました。新聞からの情報は断片情報ですが、“Information” と “Intelligence”の違いをお話したように、ある事柄の断片情報(Information)を取捨選択して組み合わせ、これらを分析してひとつの情報群として活用し、相場シナリオを立てていくこと(Intelligence)が大切だというお話をしました。今回は、さまざまな、断片として入ってくる情報、その情報との基本的な接し方についてお話します。

織り込み済みかそうでないか ( Discounted or Not discounted )

最も基本的で大切なことは、その情報がマーケットに既に織り込まれているのかどうかという点です。英語で「織り込まれている」という表現を“ discounted ” と言います。為替ディーラー同士の会話では非常によく使います。そして織り込まれているのなら、どの程度織り込まれているのかということが大切な要素になります。この織り込み程度によって、相場の動きの大きさが変わってきます。

例えば、経済指標が発表される場合、為替相場は予想に対する結果に反応しますが、結果が予想よりよくても、あまり大きく反応しない場合があります。その場合、その結果(予想)はマーケットに織り込まれていたということになります。もう少し具体的に説明しますと、米国GDPの予想が+1.5%と前期に比べて改善すると予想されていた場合、結果が+1.5%と発表されると、ドルは買われますが、あまり大きく買われなかった場合、あるいは買われた後に利食いに押されて売られる場合、GDPの改善はかなりマーケットに織り込まれていたということになります。

かなりマーケットに織り込まれていたということは、マーケット参加者が指標発表前に改善を予想し、既にドル買いを始めており、ドル買いポジションがその方向にかなり偏っていたということになります。従って、よい結果の数字が発表されても、既にドル買いポジションが相当積み上がっているため、そこからさらに買い上がっていくという意欲が減退し、相場はあまり上がらなくなります。相場があまり上がらない動きを見て、この数字は相場にかなり織り込まれていることが確認されます。そして、上がったところはポジションを閉めようという動きから利食いの売りに押され、相場は下がることになります。

このように、その要因が既にマーケットに織り込まれているということは、ポジションが偏っていることを意味します。従って、ある経済指標がいくらよい数字が出ても、時には反対の動きが起こり得ることを注意しておく必要があります。

もうひとつ米国金融政策の例を見てみます。例えば、米国の利上げが6月に実施されるとの見方が大勢となっており、ハト派のFRBの理事達も利上げを反対しないような発言が相次ぐと、大方の投資家は利上げ決定前にドル買いのポジションを積み上げていくことになります。こういう状態を「利上げ」要因は相場に織り込まれているという言い方になります。そして実際に6月に利上げが決定されると、一時的にドル買いに反応しますが、その後は買い上げたポジションを閉める動きが出てきます。そしてここからが見方が分かれるのですが、今回の「利上げ」要因は一旦織り込まれたが、この後も数回利上げが実施されると見るか、あるいは年内はもうないと見るか、すなわち、「利上げ」要因はまだ十分に織り込まれていないと見るか、既に織り込み済みと見るかで見方が分かれてきます。もちろん、利上げ決定後の声明文やイエレン議長の記者会見ではっきりその方向がわかればよいのですが、明確にわからない場合は、今後の経済指標やFRB理事達の発言で探っていくことになります。「織り込み済み」となった要因が、もう一度織り込まれていくということになります。

Buy the rumor, Sell the fact

“Buy the rumor, Sell the fact”有名な相場格言です。そのまま直訳すると「噂で買って、事実で売れ」となります。噂の情報で買い上げていって、事実の情報が出れば、その時点で既にマーケットではポジションが積み上がっているから売り抜けろ、ということになります。織り込み済みかどうかという考え方で見てみますと、ある情報が最初の段階では噂かもしれないという程度でしたが、徐々にマーケットに織り込まれていき、その情報が事実に転ずると一気に「織り込み済み」ということになります。従って、それまでの動きと反対の動きになるということになります。

こういう例がありました。19991年の湾岸戦争で米国を盟主とする多国籍軍が、イラク攻撃を今日、明日にも仕掛けるのではないかという噂(予測)が流れ、ドル円はじりじりと上がっていきました。当時、米国のニュース番組CNNが非常に注目されていました。そのCNNの現地取材記者が現地から実況を伝えているその時に、空爆の音が聞こえてきました。記者は、戦争が始まったと叫ぶと同時に、TVでそのニュース映像を見ていた世界中の投資家は、買っていたドルを売り始めました。まさに格言通りに相場は動きました。“Buy the rumor, Sell the fact”「噂で買って、事実で売れ」。

このような動きは、結構あります。為替相場を予測し、ポジションを持つ時は、発信されてくる情報に対して「織り込み済み」かどうか、ポジションが偏っているかどうか、噂(予想)の段階で相場が動いているかどうかを常に気にかけることが大切です。

相場は相場に聞け ( Price is the best information )

「相場は相場に聞け」という相場格言があります。相場の先行きは相場の動きに耳を傾けて判断しろという意味合いですが、まさにある要因が織り込まれたのかどうかは相場の動きによって判断するということになります。ある指標や選挙などのイベントが発表される前に、ドルがじわじわと買われてくる場合、マーケットはその要因を「じわじわと織り込んで行っている」ということがわかります。その相場の動く巾が大きいと、マーケットは「相当織り込んできている」なということがわかります。また、指標やイベントの発表後、相場が反対の動きをすると、「織り込み済み」ということがわかります。このように相場の動き、すなわち、ドル円などのプライスの動きによってその要因の織り込み具合を測ることができます。プライスの動きも大切な情報ということになります。一般投資家にとって発信される情報を知る段階では、プロのディーラーや投資家と比べて時差があり、二次情報となりますが、ドルの動きは、まさにその時点の動きを表しているため時差がありません。従って一般投資家にとっては、“ Price is the best information ”ということになります。

相場をずっと見ることはプライスの動きをずっと見ることであり、ずっと見ていることが出来なくてもチャートを見ることによって、変動要因とその影響を知ることが出来ます。チャートを見る重要性のひとつでもあります。

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