先週は、様子見から一時19,900円割るが、イベント通過で週末2万円回復

先週の予測では、8日(木)にコミー前FBI長官の議会証言など海外イベントがあって様子見が基本となり、週末はメジャーSQもあるため先物主導での値動きが想定されるとし、下げても19,900円水準が下値となるとしました。

結果的には、8日(木)のイベントを前に様子見となって日経平均は4日連続安となり、一時19,896円まで売られるものの、週末の9日(金)は大幅反発となって20,013円と2万円の大台を回復して引けました。

5日(月)は、前週末のアメリカ株式は、3大指標がそろって最高値更新したものの日本株式は1ドル=110円台の円高が重しとなり、20,224円まで上昇するものの利益確定売りに押され、▼6円の20,170円と3日ぶりに小反落となりました。6日(火)は、アメリカ株安と1ドル=110円台前半の円高を嫌気して先物主導で下げ幅を拡大し、一時▼222円の19,948円まで下げ▼190円の19,979円と大幅続落となり、3日ぶりに2万円を割れました。7日(水)は、為替が1ドル=109円台となったことで一時▼71円の19,908円まで下げましたが、日銀のETF買い期待を支えに下げ幅を縮小し、プラスに転じて△4円の19,984円を小反発となりました。

8日(木)は、取引前の発表で1-3月期GDPの改定値が前期比△0.3%と予想の△0.6%を下回り、さらに日銀が異次元緩和の出口に着手するという思惑が流れ、ドルが一時109.12円まで売られたことで、日経平均は下げ幅を拡大させ19,896円まで下げて、▼75円の19,909円で引けました。週末の9日(金)は、コミー前FBI長官の議会証言にアメリカ市場はほとんど反応せず株高となり、為替もやや円安となったことで△104円の20,013円と反発し、4日ぶりに2万円大台を回復しました。また、SQ値は19,999円となっており、現物は20,013円とSQ値を上回って引けておりますので、戻りを試す状況にはなっています。

9日(金)のアメリカ市場は、イギリスの総選挙で保守党が過半数とれなかったことや、コミー前FBI長官の議会証言への反応もほとんどなく、朝方は3指標とも史上最高値更新の動きとなっていましたが、アナリストから主力テクノロジー株が割高だと指摘されたことで、アップルなど主力株が急落となり、ナスダックは▼113Pの6,207Pとなりました。NYダウは△89ドルの21,271ドルと堅調でした。シカゴ日経先物は▼35円の19,915円となっていました。

 

今週はFOMCとナスダックの動きに注目し様子見ムードへ

今週は、8日(木)のコミー前FBI長官やイギリスの総選挙も終わり、特別に影響もなかったことで先行きの政治的不安さが後退し、欧米株高となったものの日経平均は為替が円高推移のままであり、13日(火)~14日(水)はFOMCでの6月利上げ(ほぼ確定)を受けて、その後の利上げのスピードがどうなるか探る展開となるため、もみあいが継続する可能性があります。さらに先週末のアメリカ市場では、主力テクノロジー株の割高がアナリストから指摘されたことで急落となっており、為替の円高とともにハイテク株への影響が心配されるところです。また、日銀が異次元緩和の出口を探す方向にあるとの思惑から、日本の長期金利が上昇しているため、日米金利差が縮小する懸念もあり、円安になりにくい状況がでています。しかし、アジア株は高値を更新し世界的な景気回復の流れが続いていますので、下げれば押し目買いとなっている状況です。目先の下値ポイントは19,900円とその下は25日移動平均線(6月12日(月)時点19,835円)となります。

6月12日(月)は、アメリカ市場でのナスダックの大幅下落と為替の1ドル=110円台前半への円高を受け、▼92円の19,920円と安寄り後、一時▼175円の19,837円と25日移動平均線まで下げ、その後は下げ幅を縮小し、後場は19,900円をはさんだもみあいとなって▼104円の19,908円で引けました。ナスダックの大幅下落は、これまで高い水準まで買われていただけに調整が続く可能性もあり、また、14日(水)にFOMCでの6月利上げと、その後のコメントに注目することになるため、今週も様子見ムードが強まりそうです。6月12日(月)の下落は25日移動平均線(現時点19,835円)まで下がって反発していますが、ここを切るようですともう一段下の19,600円水準までの下げが想定されます。

 

 

(指標)日経平均

今週の予測では、為替の1ドル=110円台からみると日経平均の上値は重く、8日(木)のコミー前FBI長官の議会証言やイギリスの総選挙で様子見となりそうだとし、証言内容が政治リスクを高めれば下落するも、チャートからは下げれば押し目買いの形とし、下値は19,900円水準としました。

結果的に、6月6日(火)は2万円を割り込み、その後6月8日(木)までは軟調な動きとなっていました。6月8日(木)は、1-3月期のGDPの下方修正や北朝鮮のミサイル発射もあり、一時19,896円と19,900円を割り込みましたが、終値では19,909円と19,900円を守り、週末は△104円の20,013円と2万円台を回復して引けました。

今週は、アメリカで13日(火)~14日(水)のFOMCで6月利上げがほぼ実施される可能性が高いが、これはすでに織り込み済みのため、今後のバランスシートの縮小や、年内利上げペースがどうなるのか見極めることになりそうです。それによってアメリカ株式と為替の動きが変われば日経平均も連動することになります。方向性が定まらなければ主力株は動きにくく、これまでのように個人主体の相場となる可能性が強いと思われます。先週末にアメリカで主力テクノロジー株が急落していますので、買われ過ぎの調整が続けば日本のハイテク株にも悪影響となります。下値ポイント19,900円→19,800円→19,600円。まず終値で25日移動平均線(現時点19,835円)を守れるかどうかに注目となりそうです。

日経平均

 

 

(指標)NYダウ

先週の予測では、チャートからはもう少し上昇してもいいところですが、8日(木)にコミー前FBI長官の議会証言やイギリスの選挙を控え、様子見ムードで最高値圏でのもみあいが続くとしました。

結果的に、21,100ドル台でのもみあいとなり、注目の8日(木)の議会証言やイギリスの選挙の結果にはほとんど反応しない状況でした。週末の9日(金)は、イベント通過で3大指標がそろってザラ場では史上最高値を更新するものの、テクノロジー株の急落でナスダックが▼113Pの6,207Pと大幅下落となりました。NYダウは一時21,305ドルまで上昇しましたが、終値では△89ドルの21,271ドルと最高値更新で引けました。

柴田罫線のチャートからみると、2013年10月9日(水)14,719ドルからの上昇トレンド(A)の下値斜線には21,400ドル水準があたるところですので、ここを超えられるかどうか注目となります。

政治リスクに対する不透明感は、やや後退したものの、減税政策などの各種経済政策の実現にはまだ時間がかかりそうであり、これまでのトランプラリーによる上昇が過度な期待だったという見方が高まり、長期金利が低下していけば、トランプラリーの主役である金融セクターを中心に調整がはいる可能性もあります。

そういう意味で、6月13日(火)~14日(水)のFOMCでの6月利上げ後のバランスシートの縮小や年内の利上げペースがどうなるのか注目となりそうです。その方向がわかるまでは最高値圏でのもみあいが続くことになると思われます。ただし、週末にナスダックが大幅安しており、テクノロジー株が買われ過ぎという見方がでていますので注意が必要です。

NYダウ

 

 

(指標)ドル/円

先週の予測では、6月8日(木)のコミー前FBI長官の議会証言があり、その内容によっては政治リスクが深まり、ドル・株ともに売られる可能性があるものの、そうでなければ多少ドルは買い戻される動きになるとしました。

結果的に、FOMCを前にリスク回避のドル売りが一段落し、下げ渋る動きとなりました。8日(木)の証言内容は、大統領による司法妨害を立証するものではないとの見方が広がり、ドルを買い戻す動きとなりました。しかし日銀の金融緩和策への思惑が浮上したことで日本の長期金利が上昇し、一時1ドル=109.12円までドルが売られましたが、週末は1ドル=110.27円で引けました。

今週は、6月13日(火)~14日(水)のFOMCが注目となります。6月利上げはほぼ確定視されており、相場には織り込まれています。次の注目はバランスシートの縮小や年内の利上げペースがどうなるのかの見解となります。次の利上げが9月か12月かが読みきれない状況ですので、強弱感が対立しもみあいとなりそうです。1ドル=109~112円のレンジを想定。

ドル/円