図:NY金 先物 (期近)日足チャート
単位:ドル / トロイオンス

出所:マーケットスピードより楽天証券作成

ドル高にメタルは抵抗感

相変わらずドルはしっかりです。ドルインデックスは98を越えていますが、ゴールドは、ドル堅調の割にはしっかりです。1,250ドルでは何かあるような感じで、ここでなんとかとどまっています。日本時間土曜日早朝に発表された先週火曜日クローズ時点でのNymexの投資家ポジションは、大幅に減少、3ヶ月間もの間1,000トンを越えていたロングがこの二週間で740トンまで減少。今回の下げがこの先物ロングポジションからの売りによるものであることがよくわかります。とりあえずはこの売りが一段落したこと、1,250ドル以下では買いたしのインタレストがあること、そしてやはり米大統領がいよいよ迫ってきていることもあります。ドルの動きを考えると1,250ドルを割って下がってもおかしくないだけに逆にゴールドの底値が近いことを示しているのかもしれません。ほかのメタルもここからは下げに対して抵抗しています。といっても大きく戻すわけでもなく、ドルが強い以上まだまだデフェンシブな動きであることは変わりませんが。

CFTC Commitment of Traders Report as of 11 Oct 2016(2016年10月17日(火)掲載分より)

出所:池水氏のレポートより抜粋

右軸:投資家ポジション(トン)
左軸:ドル建てゴールド価格

901トンから740トンへ大幅に減少。今回の下げはこのロングが売られたことがその主な要因であることがわかります。

ゴールド小動き、PGMは続落(2016年10月14日(金)掲載分より)

中国の貿易収支が予想を下回ったことから、ドル売りとなり、日中に104円台半ばから103円半ばまで円高、ゴールドは逆に約10ドル上昇、一時1,262ドルまで上昇しましたが、基本的に相変わらずの狭いレンジでの取引になっています。PGMはわずかながら続落、やはり南アの政治情勢が重たくのしかかっているようです。ランドは1ドル14ランド台で推移、大統領が変わらないとPGM特にプラチナには厳しい状況が続きそうです。

ドルさらに上昇もメタル小動き(2016年10月13日(木)掲載分より)

ドルの上昇が止まりません。ドルインデックスはさらに上昇98にタッチする場面がありました。9月のFOMC議事録の発表があり、その理事の多くが今年中の金利上げを期待しているということで、12月の利上げがより確実になってきたといえます。(FedWatchでの12月の利上げの確率は60%を超えました。)また9月の利上げに3人の理事が支持の投票をしていたことも、ドル買いに拍車をかけたようです。これだけのドル高の割にはゴールドは小動きに終始。やはり1,250ドルにはなにかサポートが存在しているようです。シルバー、プラチナ、パラジウムも昨日は小動きに終始でした。もういよいよ米大統領選挙ですかね。

南ア政府混乱でランド急落(2016年10月12日(水)掲載分より)

昨日は東京時間夕方5時半前にサプライズがありました。南アゴーダン財務相が逮捕されるという突然のニュースに南アランドは1ドル13.90ランドから14.40ランドまで急落。それによりプラチナも970ドルから960ドル、そしてニューヨークの終わりは950ドル割れまで下げました。南アのズマ大統領、これまでいろいろと物議をかもしてきましたが、8月に南アに行ったばかりの住友商事グローバルリサーチ社長の高井さんによると、今回ももまた、自分にはむかう有能な人材(ゴーダン財務相)を排除しようとしているのだろうとのこと。「夏の地方選で大敗した与党ANCの支持率は6割を切りズマの運命も時間の問題と期待されましたが最後の足掻きですね。ズマが交代すれば南アは良くなると思います。」と。なるほどなるほど。しかし政権が変わらない限り、ランドは不安定、プラチナが弱いのもこの南アの体制に寄るところが大きいのでしょう。プラチナにはネガティブな材料がまたクローズアップされた形ですね。大統領が変わらない限り、プラチナの将来は暗そうです。

そして英国ポンドもまた、まるで新興国通貨のように売られています。Brexitの影響はやはり今後もどんどん出てくるのでしょう。ドルとポンドが1対1になる日も遠くないのかもしれません。その結果、ドルインデックスは97まで上昇、ゴールドにとっては大きな圧力になっています。が、その割にはゴールドは意外と1,250ドルキープ、底堅いと言っていいでしょうか。このあたりには相当の買い意欲もあるものと思われます。ドル高とのせめぎあいがしばらく続きそうです。

実需に期待(2016年10月11日(火)掲載分より)

日本の休みであった昨日は静かながらもしっかりした動きに終始だったようです。ドルは相変わらず強いですが、昨日からマーケットに復帰した中国の影響はやはりマーケットの下落を支える方向に働いているようです。Gold ETFは9月は38.1トン増加。まだまだゴールドへの投資家のマネーの流入は終わっていません。僕の友人のいるBullion Vaultでは、先週は、その前の週の取引量のなんと6 倍に達したということで、マーケットが下がったことにより、Brexit以来の取引高になったそうです。個人投資家の動きは活発化しているようです。圧倒的に買いが多いとのこと。やはりbargain huntingはすすんでいるようです。ゴールドが1,250ドル近辺でホールドされているのはそういった買いがあるからかもしれません。

CFTC Commitment of Traders Report as of 4 Oct 2016(2016年10月11日(火)掲載分より)

出所:池水氏のレポートより抜粋

右軸:投資家ポジション(トン)
左軸:ドル建てゴールド価格

1,040トンから900トンへ急減。