図1:NY金 先物 (期近)日足チャート
単位:ドル / トロイオンス

出所:マーケットスピードより楽天証券作成

雇用統計良化もゴールド上昇(2015年12月7日(月)掲載分より)

雇用統計発表前からゴールドはじわじわと上昇。雇用統計発表前に1,070ドル近辺でしたが、発表された11月の米非農業部門雇用者数は市場予想の20万人増加に対して、21.1万人の増加、前月の数字も27.1万人から29.8万人の増加に修正。米国の雇用が順調に伸びていることを示しました。本来であれば、これで12月の利上げは確定、さらにドルが買われゴールドが売られるはずが、実際に起きたことは、まったく逆、ちょうど前日のユーロが下がるべき材料であるのに大きく上昇したのと同じように、ゴールドには一斉にショートカバーが入りました。まず発表30分前からゴールドは1,061ドルから1,070ドルまで上昇、発表された瞬間にその10ドルすぐ下げ、そしてその後1,061ドルから1,088ドルまでの急騰となりました。よい数字でもはや下げがないということで、史上最大にまでたまっていたショートのカバーが一斉に入ったようです。ニューヨークではそのまま高いまま一週間が終了。これを受けて今日のアジア、そして欧州の反応が注目されます。さすがにアジアの実需買いは一服、上がってやれやれの売りも出そうな感じですね。

CFTC Commitments of Traders Report as of 01 Dec 2015(2015年12月7日(月)掲載分より)

出所:池水氏の12月7日(月)付けレポートより抜粋

投資家ロングは52トンから22トンに急減。投資家ポジションはいよいよネットでもゼロに近づいてきています。ということはグロスのショートがロングとほぼ同量になったということであり、投資家のネットのゴールド買いがこれほど小さくなるのは過去例がありません。今週のショートカバーはやはりこのポジションから考えると必然の出来事であったと考えます。

ECB利下げでユーロ買い(2015年12月4日(金)掲載分より)

昨日はいろいろよく動きました。まずアジアは、前日のイエレン議長の利上げの固い決意表明から、売りが先行、1,050ドル手前でストップ売りが発動、一時1046.40まで下落、今年の最安値(6年ぶりの安値でもあります。)を更新しましたが、売りは続かず、その後は買い戻されて1,050ドルを回復、アジアは1,053ドル近辺で終わりました。続く欧州の午前中は1,050ドル近辺で小動きとなりましたが、ニューヨークがはじまり、日本時間21:30からのECBの政策金利発表で、中銀預金金利を0.1%引き下げ、その幅が市場の予想よりも小さかったことから逆にユーロは買われてドルに対して急騰、それに対応してゴールドもドル安から買われて上昇、1,062ドルまで上昇してNY時間が終わりました。

(ECBはマイナス金利を-0.3%にしました。中銀に資金を預けると手数料(マイナス金利)を払わなければいけないということです。だったら民間に貸し出そうという行動を促進するためです。)

ECBの利下げの後、今晩の雇用統計です。さてどんな数字が出るのやら。

ADP雇用統計とFRB議長講演でメタル安(2015年12月3日(木)掲載分より)

昨日、アジア、ロンドンとほぼ動きのない状態でしたが、ニューヨークの朝、イエレン議長の会見で、ふたたび今月の利上げに対する強い決意を表明。またADP non-farm employment は予想の19万人増よりも多い21.7万人と発表され、この数値発表もあってドルが上昇、ゴールドをはじめとするメタルは売られました。ゴールドは10ドル下げて1,050ドルをトライする場面がありましたが、かろうじて1,050ドルは割り込まずでしたが、今年の安値をまた更新しました。今日はECBの政策金利発表(21:45)、米新規失業保険申請件数、そして明日金曜日の22:30の米雇用統計。ドルやゴールドを動かす指標が目白押しです。米国経済の好調を示す数字が出そうな感じですね。さらなるドル高がすすむとすればどこまでなのか、それに対してゴールドの現在の下値での抵抗感が続くのか、Comexはネットショートにさらに売りが嵩むのか、気になるところです。内部要因的にはショートが大きくなりすぎて怖いです。円建てのゴールド、プラチナともまたほぼ年初来安値に近いところです。ゴールド、プラチナともまたどんどん日本では売れるのでしょう。先物と現物のギャップがさらに広がりそうです。

小動き(2015年12月2日(水)掲載分より)

昨日はアジアで上昇、欧米で下げるという一昨日とは逆のパターンで結局はレンジの真ん中での取引となりました。下値上値とも固く、1055-1075で。下値警戒感があるものの、昨日発表されてComexの投資家ポジション、ロングが大きく減少。ショートの残高が史上最高のレベルで、マーケットの大部分が下落を期待しているのが伺えます。ただそれだけのショート売りにも関わらず、1,050ドルを下回ることなく1,070ドル台近くまで戻しており、この価格帯が続けばじれたショートのカバーもありえます。その規模が大きくなっているだけに、上げるときの勢いも大きくなる可能性は意識しているほうがよいかもしれません。短期のリースレートが上がっていて足元のショートが増えているのも要注意です。現物が売れている、そして年越し要因も重なっています。

シルバーは14ドルが硬く、PGMもさすがに底値感が漂っていると個人的には感じます。中国の春節前の需要もあり、今年年末、来年年始は、相場の転換点になるのではないでしょうか。過去をみても年初は相場の転換点になっている場合が多いです。

Spot Gold 100好調(2015年12月2日(水)掲載分より)

今年5月に始まったTocom Spot Gold 100が好調です。取組ではもはやプラチナを越えています。(サイズはゴールド先物の1/10、プラチナの1/5ですが。)FX感覚で取引できるのが投資家に受けているのでしょうね。取組高の推移を見てみると価格が上がったところではショート(売り)、下がったところではロング(買い)が明らかで、投資家は短い期間にうまく売り買いで利益を取っているようです。そしてもう一つの特徴は「市場取引参加者自己玉」がゼロであること。つまり、裁定取引を行っている自己玉取引(要は商社や銀行)が参入していないということです。それでうまく行っていることが、すごいことで、ちょうどFXと同じようにこのマーケット(円建てゴールド)が投資家の間で「あるべきレベル」の概念ができてきているということですね。

金曜日下落分取り戻す(2015年12月1日(火)掲載分より)

金曜日の薄いニューヨークマーケットでの急落後のアジアはそれでも様子見で相変わらずの静かなマーケットでしたが、確実に現物の引き合いは増えています。東南アジアでもキロバーが足りないという悲鳴が聞こえてきました。ロンドン午後、ニューヨーク始まってから買い戻しが始まり一時1,070ドルまでゴールドは上昇、金曜日の売りが、やはり薄いマーケットの中、ストップを無理矢理付けにいったのではないかと思えるカムバックです。金曜日落ちた分はすべて取り戻した感じですね。さすがに金曜日に売りに追随して新たな下値トライとはなりませんでした。やっぱり実需の買いが効いているようです。

Commitments of Traders Report as of 24 Nov 2015(2015年12月1日(火)掲載分より)

Thanksgivingの関係で今朝に発表がずれこみました。ロングは大きく減少、先々週の215トンロングから、51トンへと減少。ゼロがもうすぐ?

出所:池水氏の12月1日(火)付けレポートより抜粋