先週は薄商いで上値追えず、TPP交渉大筋合意とならず失望売りで14,500円割れ

先週の予測として、再び14,000~15,000円のボックス相場へ戻り、目先の上値は14,800円水準であり、短期売買は利益確定優先とし、下値は25日移動平均線(14,500円)水準を守れるかどうかによってボックスの下限を試すこともあるだろうと想定しました。上昇する場合は、売買代金が極端に減少しており、薄商いの中では上昇しても追随の買いが起こらず、上値は限定的であり、下値は日銀の追加の金融緩和策への期待やオバマ大統領来日でのTPPへの合意が14,500円を守っているといえますので、期待通りになるかどうかというところでした。

先週は、結局は薄商いの中を、高値は21日(月)の14,649円、安値は25日(金)の14,327円の値幅の中で先物主導で値動きの荒い展開となりましたが、終値ベースでみると14,400~14,600円のボックス相場となっていました。下値は14,500円を守れるかどうかとしていましたが、オバマ大統領とのTPP合意ならず、失望売りもあったことにより、24日(木)は▼141の14,404円と14,500円を割って引けました。週末の25日(金)は先物主導で切り返すもゴールデンウィークを控え、手仕舞い売り優先となり、△24の14,429円と小反発で引け、14,500円回復となりませんでした。

先週は、前週比で日経平均は87円の下落で、売買代金は活況の目安とされる2兆円を大幅に下回り、25日(金)まで10週連続で下回っています。

 

重要な経済指標の発表、ウクライナ情勢、ゴールデンウィークに突入し、様子見続く可能性

先週末25日(金)のアメリカ市場は、ウクライナへロシアが圧力を強めていることでG7で新たな追加制裁を発動する見通しとなり、アメリカの企業決算が冴えなかったことでNYダウは▼140の16,361ドルの大幅安で引け、シカゴの日経先物は▼135の14,325円で引けました。

今週は、ゴールデンウィークに突入して新たな資金の流入も期待できない中、先週末からウクライナ情勢が再び悪化し、リスク回避の円買いから株式市場にとってはマイナス要因となります。アメリカでは、29日(火)からFOMC、5月2日(金)の4月雇用統計が控えており、又企業決算は強弱ばらつきの結果でアメリカ株式の上昇もあまり期待できず、国内の30日(水)の日銀金融政策決定会合と黒田日銀総裁の会見によって追加金融緩和への期待が下値を支えることになります。

チャートからは、14,500円を早めに回復しないと戻りが弱くなり、14,000~15,000円のボックスの下限を試す動きとなって14,000~14,500円のボックスへ移行していく可能性があります。そうなった場合、チャートの形をみるとわかりますように、2月5日の13,995円、4月11日の13,885円と2点底(ダブル底に近い)となっており、13,885円を切ると13,600円台を試す可能性があることを念頭においておく必要があります。14,000~15,000円の大きなボックスが基本ですが、相場環境次第では一時的に下ブレもあることを考えておかなければなりません。

週明けの28日(月)は、先週末のアメリカ株安を受けて売り先行で始まり、先物主導で下げ幅を拡大し一時14,224円まで下落するものの、その後は連休の谷間ということもあって安値圏で膠着状態となり、▼141の14,288円で引けました。

 

 

(指標)日経平均

先週の予測では、チャートをみると、今年の2月5日の13,995円の安値からの緩やかな短期の上昇トレンド(A)をいったん下に切って4月11日に13,885円まで下落し、そこからの戻りで4月21日にザラ場では14,649円まで戻るものの、終値では上昇トレンド(A)の下値斜線が上値抵抗ラインとなっているとしました。そのため、企業決算をにらんで一進一退の展開が想定され、一段高となるには日銀の追加緩和の思惑やオバマ大統領来日でのTPP合意が期待されるところとしました。

結果的には、アメリカ株式や国内の企業決算を受けて薄商いの中を先物主導で15,000円を挟んだ値動きの荒い展開となりました。週を通してみると、14,400~14,600円のレンジの動きとなっています。注目のオバマ大統領来日でのTPP交渉は大筋合意とならず24日(木)は先物主導で売り仕掛けも入り▼141の14,464円となりました。週末25日(金)は△24の14,429円と小反発しましたが、14,500円を回復できませんでした。

今週は、先週末からウクライナ情勢が再び悪化しており、又国内外での重要イベントが目白押しで、その上ゴールデンウィークに入るため資金流入も期待できず様子見が続くことになりそうです。

週明けの28日(月)は、アメリカ株安やウクライナ情勢を受けて▼139の14,289円で寄り付き、一時200円を超える下げで14,224円まで下げる場面もありましたが、その後は安値圏での膠着状態となり▼141の14,288円で引けました。

日経平均

 

(指標)NYダウ

先週の予測では、決算発表がピークを迎え結果によっては一進一退の動きとなり、チャートの形としては4月4日の16,631ドルの最高値を抜けなければ三尊天井の形になりやすいとしました。

結果的に、週初めは欧州市場が休場で閑散相場の中を企業決算や経済指標の好調を受けて買い先行となり、22日(火)は16,565ドルまで上昇し、終値ベースの史上最高値12月31日の16,576ドルにあと10ドル近く、というところまで上昇しました。週半ばは経済指標が予想を下回り、決算もまちまちの結果となったことで上値重く、週末25日(金)になるとウクライナ情勢の緊迫と、高値警戒感もあったことで、▼140の16,361ドルと大幅下落となりました。

今週は、29日(火)にFOMC、30日(水)に1-3月期GDP、5月2日(金)に4月雇用統計と重要指標が相い次ぎ、又強弱感入り混じる決算発表も続くことで方向感を探る展開となりそうです。チャートからは、上値は4月4日の16,631ドルを終値で抜けると一段高が期待できますが、逆に引線の終値で16,168ドルを切ってくると三尊天井が確定し、調整が長引くことになります。

 

(指標)ドル/円

先週の予測では、今週29日(火)のFOMCや30日(水)の日銀金融政策決定会合を控え、三角保ち合いの中で円売り基調になりそうだとし、101.5~103円のレンジを想定しました。

週半ばまでは為替を動かす特別の材料がなく102~102.5円の狭いレンジで動いていましたが、週末25日(金)はウクライナ情勢の緊迫化、欧州市場とNY市場の株式の大幅下落でリスク回避の円買いが高まり、一時101.96円まで円が買われ、引けは102.15円でした。

今週は、ウクライナ情勢の緊迫化でリスク回避の円買いがある一方で日銀の金融政策決定会合での追加緩和策への期待や4月の米雇用統計の内容によっては円売り・ドル買いにつながることになり、結局は方向感のない動きとなって101.5~103円のレンジの動きが続きそうです。

ドル/円