先週は、アメリカ株高と日銀の追加金融緩和期待で円安となり15,000円台回復

先週は、ファンダメンタルズの面からは14,500~15,000円のレンジの中で戻りを試すも、アメリカの雇用統計や消費増税の影響を見極める動きになることを想定しました。但し、3月31日の終値は△131の14,827円となって、目先での日足でのダブル底(17日の14,203円と20日の14,207円)を確定する14,663円を上回って引けたので、15,000円を目指す形となりました。しかし、更に一段上を目指すには、出来高・売買代金が膨らむ必要があるとしました。

結果的には、売買代金が今年の最低水準のままで15,000円台を回復する動きとなりました。この背景には、日銀への追加の金融緩和への期待が高まったためでした。というのは、4月1日(火)の日銀短観で3カ月先の6月の大企業製造業の業況判断指数(DI)が消費増税前の駆け込み需要の反動減が見込まれ、市場予想プラス13を大きく下回るプラス6しかなかったことで、一気に追加緩和策への期待が高まりました。そのため為替が円安方向への動きとなったことや、4月2日(水)は前日のNYダウが高かったこともあり、3月12日以来の15,000円台回復となりました。さらに3日(木)は、NYダウがザラ場で史上最高値を更新したのを受けて、日経平均は一時15,164円まであって△125の15,071円で引けました。但し、週末4日(金)は目先にはチャートのフシが多くあり、トピックスが前日まで9連騰ということもあって、高値警戒感から▼8の15,063円と一服となりました。売買代金は1兆5,663億円と今年最低を記録しました。

3日(木)には日経平均はザラ場で15,164円まで上昇し、75日移動平均線(15,093円)、100日移動平均線(15,108円)、柴田罫線の関門(15,134円)、日足の一目均衡表の上限(15,158円)をいったん上に抜きましたが、終値では15,071円と突破できませんでした。15,100~15,200円は強力な上値抵抗ゾーンとなっています。

 

14,500~15,000円のボックス相場へ

先週は、今週の7~8日の日銀の金融政策決定会合で、追加の金融緩和期待を下支えに薄商いの中で15,000円台を回復して引けました。市場の大方の見方は、日銀の金融政策は現状維持ですので、現状維持であれば一部の期待されて上昇した部分(不動産株やその他金融株の上昇)は失望売りとなる可能性が高いといえます。先週末のアメリカ市場では、3月雇用統計が市場の期待ほどでなかったことでNYダウは大幅下落し、長期国債が買われてドル売り・円買いとなっており、シカゴ日経先物は▼205の14,875円となっています。

本日7日(月)は、シカゴの日経先物にサヤ寄せする形で始まり、明日の日銀の金融政策決定会合の結果発表を控えて年初来最低水準の出来高・売買代金のなか主力株中心に売られ、▼254の14,808円で引けました。一時25日移動平均線(7日14,743円)に接近する14,764円まで下げましたが、大引けでは14,800円を守って引けました。

先週は、14,500~15,000円のレンジでの動きへ移行とし、19日の14,663円を上回って引ければ15,000円を目指すとし、結果的にザラ場では15,164円まで上昇したものの、終値では15,100~15,200円の厚いカベに跳ね返され、週末は▼8の15,063円で引けました。先週後半の上昇は薄商いの中での上昇(特に4日(金)の売買代金は1兆5,663億円と今年最低を記録)であり、このような上昇の仕方は悪材料が出ると急落につながるというコメントを出していました。結局は、15,000円台にある大きなフシを超えることができなかったことで、再び14,000~15,000円の大きなレンジに戻った様相を呈し、この中で14,500~15,000円の小レンジの動きとなって再び15,000円台突破を目指す動きが想定されます。

明日の日銀金融政策決定会合では追加の金融緩和政策が出る可能性は少なく、「現状維持」のままであれば失望売り(本日それを踏まえての下げを思われます)となり、相場環境の悪化が加われば追加の金融政策の催促相場となってもう一段下げる場合もあります。とにかく、大きな下げは追加の金融緩和策への期待が根底にありますので、押し目買いとなってきます。

(指標)日経平均

先週の予測では、14,500円台をクリアーできれば15,000円台を試すことになり、15,000円台にのせた場合は15,154円以上で引ければ15,300円台を目指すとしました。

週明け1日(月)に△131の14,827円と14,800円台にのせ、3日(木)には為替が104円に接近する円安となり、一時15,164円まであって△125の15,071円で引けました。トピックスは9連騰となりました。週末4日(金)は、引け後のアメリカの雇用統計を控えて様子見となって▼8の15,063円の小幅反落で引けました。目先の上値抵抗ラインとして、75日移動平均線(4日時点15,093円)、100日移動平均線(4日時点15,108円)、柴田罫線で15,134円があり、終値では突破できませんでした。

先週の上昇は、アメリカ株式の上昇と今週7~8日の日銀金融政策決定会合での追加緩和期待から為替が1ドル=104円水準までの円安となったことがあります。そのため、アメリカ株式の下落と円高に加え日銀金融政策決定会合で金融政策が「現状維持」であれば失望売りとなって、先週に緩和期待で買われた不動産株などが下落し、日経平均に影響を与えることになります。但し、下げても追加緩和はいずれ行われる可能性が高く、押し目買いとなります。下値のメドは25日移動平均線(7日時点14,743円)、その下は14,600円水準となります。

週明け7日(月)は、アメリカ株安、円高を受けてシカゴ日経先物の14,875円にサヤ寄せする▼182の14,880円で寄り付き安値圏でもみあっていましたが、後場になると一段安となって25日線(14,743円)に接近する14,764円まで下げ、大引けは▼254の14,808円と14,500円台を守って引けました。このまま大きく下げずに引線の終値で15,091円を上回って引けると柴田罫線では買転換となって上値を試す可能性が高くなります。但し、市場ボリュームが増加しなければ先物主導で大きく上下に振れることになります。

日経平均

 

(指標)NYダウ

先週の予測では、ウクライナ情勢への懸念が後退し、雇用統計とイエレン議長の発言内容を控えており、高値圏のもみあいが続くことになりそうだとしました。

週明けの3月31日(月)にイエレン議長発言で早期の利上げ懸念が後退し、その後厳冬によるアメリカ経済の景気への影響を払拭するような経済指標の改善が続いたことで、2日(木)はザラ場で16,588ドルと最高値を更新する動きとなりました。3日(木)は雇用統計を前に様子見から▼0.7の16,572ドルと5日ぶりに小反落となりました。4日(金)の注目の雇用統計は、予想をわずかに下回るものの堅調なものとして一時16,631ドルまで上昇してザラ場での高値を更新しましたが、イベントを終えて材料出尽くしとなり、バイオ、ハイテク株の大幅下落で下げ幅を拡大し、▼159の16,412ドルで引けました。

今週は、高値圏での調整気味の動きとなりそうです。先週末の3月雇用統計が目先材料出尽くしの形となりました。金融政策に不透明感が出ており、9日にFOMC議事録の公開で「来春の早期利上げ」の議論の内容がどのようなものであったか注目されます。又、8日のアルコアの決算をスタートに1-3月期決算発表となりますが、決算が本格化する前に業績見通しを引き下げる企業も目立つため、高値警戒感が強まっています。

NYダウ

 

(指標)ドル/円

先週の予測では、日銀短観とアメリカの3月雇用統計が注目になるとし、日銀短観の内容によっては追加の金融緩和期待から円が売られ、雇用透明も改善されればドル買い・円売り要因になるとしました。

週明けの3月31日(月)は、ウクライナ情勢に緊張緩和の兆しがみえ、イエレン議長の発言で早期の利上げ懸念が後退したことでアメリカ株式が大幅上昇になると共にドルが買われて103円台前半の円安進行となりました。その後もアメリカの経済指標の好調さからドル買いが進み、3日(木)には一時104円台まで買われ、引けは103.94円と更に円安進行となりました。しかし、週末の雇用統計はやや予想を下回ったこともあり、イベントが終わって材料出尽くしとなり、ドル買いが止まって長期金利の急低下でドル売り・円買いとなって103.23円で引けました。先週末は、3月雇用統計が市場の期待ほどでなかったことで安全資産の国債が買われ長期金利が急落し、日米金利差縮小から円相場が急上昇した形で終わりました。

今週もアメリカの経済指標に対するアメリカの金利の反応が注目されることになります。経済指標が予想に届かなければ国債が買われて長期金利が下がり、ドル売り・円買いが続くことになります。又、日銀の7~8日の金融政策決定会合で金融政策の現状維持であれば一部の失望売りを誘って、ドル売り・円買いとなります。ドル/円はもみあいながらもやや円高へのブレがあるかもしれません。102~104円のレンジ。

ドル/円