先週は、アメリカ株式と為替次第で下値模索としたが、急反発後もみあいへ移行

10日(金)のアメリカの雇用統計の予想を大きく下回る結果を受けてQE3の縮小延期の思惑もあってドルが全面安となり、日本が休場の13日(月)のNYダウは▼179の16,257ドル、為替は一時102円台の円高となったことで連休明けの14日(火)の日経平均は15,383円まで下げて、▼489の15,422円の大幅下落となりました。

そこで先週の予測では、すでに9日(木)に柴田罫線では短期の売転換が出現しており、アメリカ株式と為替の動き次第では下値模索が続くとしました。その場合の下値ポイントは11月8日の14,026円から12月30日の16,320円までの上昇幅の1/3押し(15,555円)を切りましたので、1/2押し(15,173円)が次の下値水準としました。そこまで下げるかどうかわかりませんが、好業績の出遅れの銘柄は少しずつ買っていくところともしました。

結局、14日(火)からアメリカ株式は、好調な企業決算や経済指標の改善を受けて景気回復の減速懸念が後退したことで株高・ドル高となり、日経平均も15日(水)は△386の15,808円と急反発となり、為替も1ドル=104円台の円安を回復しました。チャート分析で、9日(木)の15,880円を終値で上に抜けると高値を試す動きとなる可能性があるとしましたが、16日(木)にザラ場では15,941円をつけるものの失速し、先週の終値ベースでの戻り高値は15日(水)の15,808円でした。そして週末17日(金)は15,621円まで下げて▼12の15,734円の終値となりました。先週の動きでいえることは、トピックスは16日(木)には1,308Pまで上昇して昨年来高値を更新しており、NT倍率修正の動きが続いているということです。そのため日経平均の指数が下げてもトピックスはしっかりしており、相場の内容でみれば値上がり銘柄数が値下がり銘柄数より圧倒的に多くなっています。週末17日(金)の日経平均は▼12の15,734円ですが、値下がり404に対して値上がり1,281となっています。

 

NT倍率修正で中小型株の水準訂正続く

今年に入って日経平均は大幅下落、大幅上昇を繰り返しています。これは海外のヘッジファンドなどが短期の利益を獲得するために日々の情報を材料にして売買を繰り返しているためです。その売買が日経225を構成する限られた値ガサ株を先物主導で利用して行われるため、日経平均の指数のみが大きく上下動することになります。しかし、昨年末からNT倍率の修正の動きとなり、トピックスが強い動きになっているため、中小型株の水準訂正が続いています。当面は日経平均の指数に惑わされず、出遅れの中小型株や決算を手掛かりとした個別物色となります。

今週は、月末に向けて本格化する10-12月期決算の発表を控えて方向感が出にくい状況ですが、明日の21日(火)に予定されている成長戦略の実行計画の閣議決定で踏み込んだ内容が出れば、アベノミクス関連銘柄が買われてくる可能性があります。個人投資家の動きが活発になっており、政策が業績に好影響を与える個別銘柄の物色の流れも続きそうです。今は、森(日経平均の動き)より、木(個別銘柄)をみる局面といえます。

チャートをみると、先週は1月14日の15,383円を安値に1月16日の15,941円まで上昇し、終値では1月15日の15,808円が上値となっています。15,383円を終値で切ると15,100円台が下値ポイントとなりますが、そうでなければ基本的には15,400~15,800円の中での日柄調整となり、その後上値を試すことになります。

本日は、前場は中国のGDPの下ブレへの警戒感から一時▼160の15,574円まで下げたあと、発表されたGDPが予想を若干上回ったことで先物が買い戻され下げ幅を縮小して▼92の15,641円で引けました。中小型株は堅調な動きとなっています。

(指標)日経平均

先週の予測では、前週の9日(木)に15,880円で短期の売転換が出現したものの、10日(金)には1月のSQ値が15,784円となり終値は△31の15,912円とSQ値を上回って引けましたが、引け後のアメリカで12月雇用統計が予想を大きく下回りました。そのため日経平均の下値ポイントを11月8日の14,026円から12月30日の16,320円の1/3押し(15,550円)、その下は1/2押し(15,172円)としていました。

結局、連休明けの14日(火)は円高とアメリカ株安を受けて先物主導で、一時▼528の15,383円と1/3押しと1/2押しの真ん中くらいまで下げて▼489の15,422円となりました。その後はアメリカ株高と円安への戻りを受けて、15日(水)は△386の15,808円と反発しました。ザラ場では16日(木)に15,941円まで上昇するものの上値では利益確定売りが出て、週末17日(金)は▼12の15,734円で引けました。しかし、下げているのは日経平均の指数であり、トピックスは強くNT倍率の修正が続き中小型株の上昇は続いています。

今週は外国人投資家の買いが鈍っており、また月末に向けて本格化する10-12月期決算の発表を控えて方向感が出にくく、基本は先週の14日の終値15,422円から15日の終値15,808円の間での値動きが想定されます。但し、日経平均の指数の動きに関係なく、NT倍率の修正の動きが続き個別株が買われる状況が続きそうです。

週明け20日(月)は、前場は円高への振れや中国のGDPへの懸念から▼160の15,574円まで下げるものの、GDPが予想をやや上回ったことで先物への買戻しが入り下げ幅を縮小し▼92の15,641円で引けました。

日経平均

 

(指標)NYダウ

先週の予測では、10日(金)の雇用統計が予想を大きく下回ったことで浮上してきた景気の先行き不透明を打ち消すような経済指標や企業決算の内容となるかどうかに注目としました。これらの内容次第では、調整が長引くことも想定されるとしました。

結局、13日(月)の16,240ドルを安値に好調な企業決算や経済指標を受けて、15日(水)は16,505ドルまで上昇。しかし、その後は企業決算や経済指標の強弱が入り混じって上値を追えず16,400ドル台でのもみあいとなり、週末17日(金)は△41の16,458ドルで引けました。目先は16,240ドルを切ると短期の売転換が出現することになって値幅調整が必要となりますが、そうでなければ日柄調整が続くことになります。

今週は20日(月)がキング牧師誕生日の休場であり、連休明けから来週にかけて10-12月期決算発表のピークとなります。今のところ発表されている決算はどちらかというと低調な内容となっていますので、上値追いは難しいといえます。

 

(指標)ドル/円

先週の予測では、10日(金)の雇用統計の予想外の結果からQE3縮小見送り観測が出てきたことでドルが売られ、13日(月)は102.86円までの円高進行となりました。このままアメリカの長期国債の低下が続けばドル売り・円買いとなりやすいとし、レンジを102~104円と想定しました。

しかし、13日(月)に102.86円まで売られたあと、好決算や経済指標が好調となったことでドルが買い戻され16日(木)には104.92円まで上昇し、週末17日(金)は104.3円で引けました。想定したレンジを上に抜け104円台での推移となりました。

今週はFOMCを来週に控え、主な経済指標の発表もなく手掛かり材料に乏しいため、103~105円の中での推移が想定されます。但し、21~22日に日銀の金融政策決定会合があり、4月からの消費増税に向けて異次元の量的緩和第2弾の検討が期待されており、黒田総裁の会見に注目となります。

ドル/円