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2014年相場は波乱含み。まずは前半で勝負する心構えで
出島 昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。 「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析、また今後の見通しなど幅広い情報提供をおこなってまいりま…

2014年相場は波乱含み。まずは前半で勝負する心構えで

2014/1/7
出島昇氏が「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析、また今後の見通しなど幅広い情報提供をおこなってまいります。お客様の投資のヒントにお役立てください。
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2013年の相場は、2012年の後半にねじれ国会が解消し、11月中旬よりアベノミクス相場がスタートし、その前後から円安が進んでデフレ脱却期待や輸出企業の採算が改善するとの思惑から株価が上昇しました。アベノミクスは「金融政策」「財政政策」「成長戦略」という3本の矢によって構成され、そのうちの「金融政策」で日銀の黒田総裁が"異次元の金融緩和"を4月上旬に発表(日銀が毎月7兆円もの長期国債を購入する政策)したことで株価は一気に上げ幅を拡大し、5月23日には15,942円の高値をつけました。しかし、約半年で約85%の急騰(ザラ場ベース)の反動で急落となって、6月13日の12,415円まで下げ、その後は期待された6月の「成長戦略第1弾」の内容は不十分で市場は失望し、長い三角保ち合いの調整が続くことになりました。11月になってアメリカ経済指標が改善してきたことで、アメリカ株式(S&P、NYダウ)が史上最高値を試す動きとなり、ドルが買われて円安が再び進行してきたことで、日経平均も11月22日に14,558円で上放れとなり、年末にはアメリカでのQE3の縮小開始の発表がアメリカの景気回復を示すものだと前向きにとらえられ、アメリカ株式の一段高、為替のドル高・円安につれて日経平均も12月30日には△112の16,291円と9日連続で年初来高値で大納会となりました。

今年2014年の相場は、中長期的には上昇トレンドにありますが、波乱要因含みとなりそうです。特に、後半はアメリカでのQE3の終了が想定されており、今のところ楽観的な見方ですが、世界の金融市場の需給関係に大きな影響を与えますので、新興国中心に大きな問題が起こる可能性があります。日本では4月1日より消費税が8%になりますが、この悪影響がどう出るのか今のところわかりません。先のことは誰にもわからない以上、ある程度予測できる範囲内で投資を考えるのがリスクを少なくする投資といえますので、今年はまず前半勝負で考えるべきでしょう。そうであれば、3月までは消費増税に伴う駆け込み需要で消費が活発化し、企業業績も期待できることから外国人買いも継続すると思われます。その結果、3月までに大きく上昇すればいったんの手仕舞い(それほど上昇しなければ4月の新年度入りからの期待で4月まで)となります。欧米株式は現在高値圏にありますので、目先何かのきっかけで下落する場面があって日経平均も連動して下げれば買いチャンスとなります。

今年の波乱要因として世界経済に目を向けると、上述したアメリカのQE3の終了、現在一服している欧州問題の再燃の可能性、そして中国の景気問題です。特に中国は習近平体制が本格的に稼動し始めましたが、7%台半ばの成長を維持し続けることができるかどうか注目となります。国内での動乱もあり、不動産バブルがまだ続いている現状では、思い切った手も打てないため、以前のような勢いを取り戻すことを難しいと思われます。

株式市場の上昇としては、昨年末にアベノミクス相場の第2幕がスタートした形ですが、2013年のスタート時のように手放して期待できるものではありません。3本の矢の1本目の「異次元の金融緩和」はもう一段の金融緩和が期待されていますが、これは日銀が民間金融機関の保有する国債を買うことで市中に資金を大量に提供しようとするものです。しかし、現実には、銀行からの企業への融資は伸びていません。又、日銀が価格変動のある国債を大量に保有することは、日銀の信用問題に大きなリスクを伴うことになります。

第2の矢である「財政政策」も対GDP比で20%を超え、先進国中最悪の財政状況をさらに悪化させることになります。消費増税による景気の腰折れを防ぐための対策として約5兆円の景気対策を打ち出していますが、このうち3.3兆円は公共事業に使われます。かつての自民党のやってきたことと同じで、効果は一時的なものでしかありません。解決策はこの一時的な効果があるうちに第3の矢である「成長戦略」の具体策が打ち出せるかにかかっています。しかし、これは大胆な規制緩和や既得権の打破を行うことですので、各業界の代表の集まりである自民党では期待できないところですから、安倍政権がどこまで足を踏み入れることができるかにかかっています。

■■ 大発会は利益確定売りのスタート! ■■

・・・大きく下げれば、出遅れ株の買いチャンスか・・・

想定通り12月26日(木)以降は個人投資家の買いが復活し、トピックス優位の展開でNT倍率縮小

連休明けの12月24日(火)の時点では、先物主導で約6年ぶりに16,000円台を回復するものの終値は△18の15,889円で引け、16,000円台の上値の重たさを感じさせました。但し、25日(水)までは証券優遇税制の廃止に伴う「節税対策」の売りが終了し、26日(木)からはNISAに絡んだ買いも入ってくるため個人投資家の買い需要も高まり、又外国人投資家も12月第2週まで7週連続の買い越しですので、クリスマス休暇を終えた外国人の買いも継続し、年末株高で終える可能性があるとしました。

結局、24日(火)、25日(水)まではNYダウの史上最高値更新や104円台の円安を背景に薄商いの中を先物主導で裁定買いを誘って上昇し、16,000円台を回復しました。さらに26日(木)になると、想定したようにNISAを通じた株式の買い付けが始まり、前日まで証券優遇税制の廃止前の利益確定売りが終わり(結果的に多くの銘柄売られて騰落レシオが80%台までの割安ゾーンに入っていた)、個人投資家の幅広い買いでトピックスが全面高となり△164の16,174円となりました。週末27日(金)は、日経平均の指数は△4の16,178円と伸びないものの、トピックス主導の動きとなって全面高の△10の1,290Pとなり、年末の30日(月)は年始高を狙った買いで日経平均、トピックス共に利益確定売りをこなし、日経平均は△112の16,291円と掉尾の一振を飾り、2年連続大納会で年初来高値となりました。昨年の大発会(1月4日)の終値が10,688円で大納会が16,291円で引けましたので、△5,603円(△52.4%)の大陽線となります。

26日(木)より、中小型株の水準訂正が始まる

25日までは、薄商いの中を日経平均に大きく影響を与える限られた銘柄(ソフトバンク、ファーストリテイリング、KDDI、ファナックなど)が買われる先物主導で裁定買いを巻き込んだ上昇となっていたことでNT倍率が拡大し、トピックスが出遅れていました。前のレポートで、いずれトピックスが買われてNT倍率が縮小する動きになってくるとしていましたが、26日に、前日に証券優遇税制廃止に伴う利益確定売りが終わり、NISAがこの日より買い付け可能となったことをきっかけに、日経平均よりもトピックスが買われる動きとなりました。例えば、27日(金)は、日経平均は△4の16,178円でしたが、トピックスは△10の1,290Pと買われ、値上がり銘柄数は1,515銘柄(値下がり201)の全面高となりました。25日には、日経平均が16,000円台を回復して年初来高値となっているにもかかわらず、騰落レシオは80%台とふつうの状態であれば日経平均は14,000円水準での指標となってもおかしくないところです。これは、証券優遇税制の廃止を前に個人投資家が保有している中小型株を売り続けた結果だといえます。この重石がとれたために26日以降中小型株中心に全面高となりました。

大発会は大幅な利益確定売りスタート

12月の最初のメッセージでは、12月末に向けて高くなればいったん手仕舞いをアドバイスしました。4月末のゴールデンウィーク前や年末年始の連休前は株が高くなればいったん手仕舞うのが基本としています。昨年末は、アメリカ株式が連日の史上最高値となっていることで12月30日(月)の日経平均は年始高を期待して買いが入り△112の16,291円で引けました。総強気の時こそが一番リスクがあるということを今回も示すことになりました。

本日は、アメリカ株式が年初大幅安でスタートし、為替も105円台から104円台半ばまでの円安一服となったこと、さらに日経平均の年末相場の反動から▼143の16,147円で寄り付き、一時15,864円と400円を超える下げとなり、大引けは▼382の15,908円となりました。特別悪材料が出たわけではありませんが、目先買われ過ぎたものは当然の下落となります。これまで先物主導によるソフトバンク、ファーストリテイリング、ファナック、KDDIなど一部の銘柄によって日経平均が上昇してきましたが、本日はこれらの銘柄が下落寄与度のランキング上位となっています。つまり、先物による下落であり、これが落ち着けば再び上昇することになりますが、これまでと違って当面上値が重くなり、中小型株の出遅れや水準訂正が続くことになるかもしれません。今週は、週末に12月雇用統計を控えており、様子見が続くことになりそうです。

(指標)日経平均

連休明け12月24日(火)は、NYダウの連日の史上最高値更新と104円台の円安を受けて一時2007年12月11日以来の16,000円の大台のせとなり△18の15,889円で引けました。この時点では、上値は重いものの26日以降は実質新年度入りとなり、証券優遇税制廃止に伴う換金売りも終わり、NISAの買いも入ってくることで年末を16,000円のせで終わるかどうかに注目としました。

結果的に、アメリカ株式の上昇が続き、為替も円安基調が続いたことで25日(水)に終値ベースで16,000円を回復すると連日の高値更新となり、30日(月)は2009年7月以来の9連騰となって△112の16,291円で引け、為替も5年2カ月ぶりの105円台の円安となりました。

今週は、アメリカではFOMC議事録の公開や12月雇用統計の発表を控えて円安・ドル高の流れも一服し、日経平均も12月30日まで9連騰となっていることからいったん利益確定売りが出る公算が高いといえます。ただし、出遅れ銘柄の水準訂正が続くことになります。

大発会の6日(月)は▼382の15,908円と大幅安のスタートとなりました。年初めのアメリカ株式が下落スタートとなり、為替も円安一服となったことで先物主導で利益確定売り先行となり、売り仕掛けも入って一時15,864円まで下げました。ただし、トピックスは▼10の1,292Pと下げ幅小さく、NT倍率の縮小方向に動いています。大型株が大きく売られ、小型株はそれほど売られていませんので、中小型株の出遅れの水準訂正が続きそうです。

日経平均

(指標)NYダウ

昨年12月18日(水)にバーナンキ議長がQE3縮小開始を発表したものの、同時にフォワードガイダンスでこれまで以上に緩和的な内容を発表したことで、アメリカ経済への回復が堅調であると前向きに受け止められ、24日(火)の時点で引き続き強気ムードの中で堅調な動きが想定されるとしたように、年末にかけて上昇し、31日(火)は△72の16,576ドルと年初来高値を更新して引けました。

日本市場が正月休みの間のNYダウは利益確定優先となり、1月2日(木)は中国の経済指標が悪化したことをきっかけに▼135の16,441ドルとなりましたが、週末の3日(金)は△28の16,469ドルと小反発で引けました。今週の関心は、量的緩和の縮小のペースに移り、12月18日にFOMCの議事録の公開される中身が判明し、1月10日には12月雇用統計が発表されるので、様子見の動きとなりそうです。目先は、上昇トレンド(C)の上値斜線にほぼ到達して反落となっており、そのまま上値を追っていくのは難しいかもしれません。

NYダウ

(指標)ドル/円

連休明け12月24日(火)の今後の予測で、チャートでは110円を目指す動きですが、当面は105円台にはフシがあるため、この水準で一服するところとしました。

30日(月)には、前週末の27日(金)にアメリカ市場で金利上昇を背景にドルが買われ、5年2カ月ぶりに105円台となり、その流れで日本市場も105.41円のドル買い・円売りとなりました。しかし、新年度明けの1月2日(木)は、NYダウが利益確定売りで大幅下落となったことでドルも売られ、104円台後半の動きとなり、週末3日(金)も104.8円で引けました。

今週は、年末に105円台までのドル買い・円売りとなった反動で円買い・ドル売りの利益確定売りが出やすくなっていますが、輸入企業の円売りもあり、円高方向へは限定的だと思われます。目先は、104~105円のレンジでの動きを想定。

ドル/円

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