3日(火)に終値ベースの年初来高値も、4日(水)5日(木)と2日で500円以上の下げ

先週の2日(月)の時点での予測では、1ドル=103円台を試す動きとなれば「円売り・先物買い」のセット売買によって、先物主導で5月23日のザラ場での年初来高値(15,942円)を試す動きを想定しました。一方で、週末に雇用統計を控えて様子見から一服し、その場合は「円売り・先物買い」がいったん「円買い・先物売り」となって短期の調整も考えられるともしました。

結果的には、3日(火)に為替が103円台の円安となったことで△94の15,749円と終値ベースで年初来高値を更新(ザラ場では△124の15,779円)するものの、引け後のアメリカ市場でNYダウが16,000ドルを割れ、為替も1ドル=102円台半ばまでの円高となったことで、4日(水)の日経平均はこれまでと逆に「円買い・先物売り」となって、先物に仕掛け的な売りが出て一時▼423の15,326円まで急落し終値は▼341の15,407円となり、柴田罫線で売転換出現となりました。

そこで、この日のメッセージでは「本日の急落は、これまでの上昇の仕方の逆回転で当然のこと」とし、売転換となったものの下値は限定的でチャート分析では15,000~15,600円が目先のレンジとしました。5日(木)には、為替は1ドル=102円台前半までの円高となっていることで先物への売りが継続し裁定解消売りが下げ幅を拡大させ、▼230の15,177円となりました。週末の6日(金)は円高が一服したことで先物の買い戻しから日経平均も△122の15,299円と反発して終わりました。

引け後のアメリカ市場は、雇用統計で非農業部門雇用者数が予想の18.5万人を上回る20.3万人の増加となり、失業率も7.0%と2008年11月以来の低水準となったことで、NYダウは△198の16,020ドルと4日ぶりに16,000ドル台を回復しました。シカゴの日経先物は△245の15,555円の大幅高で引けました。この日は、雇用統計の改善が量的緩和の縮小の時期が早まることになっても、アメリカの景気回復の状況が受け入れることができるとの見方で株式は大幅上昇となりました。しかし、早目の縮小を織り込んだとは思えず、いずれ悪材料としてクローズアップされてくることになります。

 

メジャーSQを前に先物主導の相場展開。中小型株物色へ

先週の下げで、騰落レシオ99.3%、移動平均乖離率1.7%とテクニカル指標の過熱感は解消されてきたものの、週末にメジャーSQを控え、為替の動き次第で先物主導の荒い動きが想定されます。

11月29日時点の裁定買い残は、4.2兆円と東証1部の時価総額の1%に迫る規模となっており、経験則ではピークを打つ水準に達していたことになります。先週の4日(水)、5日(木)の2日連続の大幅安は、裁定解消売りを伴った下げといえますので、多少減少していると思われますが、SQに向けて思惑的な売買から裁定解消売りを誘う場面もあるかもしれません。そういう意味では、メジャーSQ通過後は需給関係の改善が期待できます。

今週は、先週の下げからのリバウンドを意識しつつ、買い戻し優勢で始まることになります。しかし、日経平均は3日(火)に年初来高値(15,749円)をつけており、急ピッチの上昇には警戒感が強く、先週4日(水)5日(木)と大幅安になりました。先週末の雇用統計の改善をきっかけに円安基調に戻っていますので、主力株の買い戻しが入ることになります。今週のSQ明けから海外勢はクリスマス休暇に入るので、市場ボリュームの増加は期待できず、日経平均が5月23日の15,942円を突破するのは、円が更に一段安とならない限り12月相場では難しくなったといえるかもしれません。主力株が動きにくいとなると、今週からSQ通過後の来週に向けて、中小型株物色となってくる可能性が高いといえます。

本日9日(月)は、シカゴの先物にサヤ寄せする形で△256の15,556円で始まり、ドル・円、ユーロ・円で円安が進んだことで前場は一時△310の15,610円まで上昇しました。その後は円安が一服するとこう着状態となりましたが、大引けにかけて上げ幅を拡大し△350の15,650円で引けました。 先週末のアメリカ市場では、量的緩和縮小のマイナス面より企業業績の好調さと経済指標の改善に重きを置いて株式は上昇していますが、株価が史上最高値圏での動きであることを考えると、注意する必要があります。

毎年言うことですが、5月のゴールデンウィーク前の4月と年末年始前の12月中は、できるだけ利益確定してキャッシュ化を高めるのが基本といえます。

(指標)日経平均

先週の予測では、クリスマス商戦が好調であれば株高・ドル高となって日経平均も上値を試すことになり、円が103円を試す動きとなれば先物主導で上値を試すことになるとしました。

3日(火)は、前日のアメリカ市場でクリスマス商戦の期待はやや後退したものの経済指標が好調なためドルが買われ一時103円台の円安となったことで、15,779円まで上昇して△94の15,749円で引けました。しかし、アメリカで雇用統計を控えて株式とドルが売られたことで、4日(水)は「円安・先物買い」の解消で急落となり▼341の15,407円、5日(木)も▼230の15,177円と2日連続の大幅下落となりました。週末の6日(金)は円高一服となったことで買い戻しが入り、△122の15,299円と反発して引けました。

今週は、リバウンドを意識するものの週末13日(金)にメジャーSQの清算日を控え、先物主導で波乱含みの展開が想定されます。テクニカル的には過熱感も解消されてきていますので、今週のSQ通過後は需給関係も改善されるので、来週から中小型株物色の相場が始まる可能性があります。海外勢は、SQ以降はクリスマス休暇に入るため、出来高が減少すれば中小型株相場となりそうです。

週明け9日(月)は、先週末にアメリカ市場で雇用統計の改善を受けて株高・円安となっていたことで△256の15,556円で寄り付き、為替がドル・円で103円台、ユーロ・円で141円台の円安進行となったことで△350の15,650円で引けました。柴田罫線では、12月3日のザラ場高値15,794円を終値で抜けると再度の買転換となって5月23日の15,942円を試す動きとなります。

日経平均

 

(指標)NYダウ

先週の予測では、週末の雇用統計を控えてもみあいになりそうだとしました。

週半ばまでは、相次ぐ経済指標の改善に量的緩和策の縮小時期が早まる思惑から軟調となって、5日(木)には▼68の15,821ドルまで下げました。しかし、週末の6日(金)は、11月雇用統計の予想を上回る改善を受けて△198の16,020ドルと4日ぶりに16,000ドル台回復となりました。雇用統計の改善で量的緩和策の縮小時期が早まる可能性があっても、アメリカの景気回復がそれを乗り切れるという見方が出たためでした。

今週も引き続いて神経質な展開が想定されます。週末13日(金)には財政改革協議を見極める展開や17~18日のFOMCで量的緩和縮小に踏み切るサインが出るかどうかも見極めることになります。そのため今週は、米地区連銀総裁の講演が相次ぎますので、発言内容に相場が一喜一憂することになりそうです。

NYダウ

 

(指標)ドル/円

先週の予測では、日米金利差拡大で円安基調が続くとし、5月22日の103.9円を試しにいく動きが想定されるとしました。チャートでは、11月12日に99.7円でドルの買転換となり、7月8日の101.54円も上回ったことで、まずは103円台を目指すとしました。

4日(水)には、アメリカの景気回復期待のドル買いと日銀の追加の金融緩和策への期待から103.38円まで円安が進みましたが、日経平均の2日間の大幅下落からリスク回避の円買いとなって101.63円まで円高が進みました。しかし、週末6日(金)のアメリカ市場では11月雇用統計が予想を上回ったことでドルが買い戻され、102.89円で引けました。

今週は、17~18日のFOMCに向けて量的金融緩和の縮小観測が高まれば日米金利差拡大の思惑から円安要因となります。一方で、緩和縮小への懸念からアメリカ株式が下落すればリスク回避の円買いとなって、円高要因ともなります。以上を考えると、今週は101~103円台での動きが想定されます。

ドル/円