先週は、円安継続で終値ベースの年初来高値15,627円を突破!

先週のレポートでは、「円売り・日経225先物買い」の動きが続けば16,000円(5月23日のザラ場での年初来高値15,942円)も視野にとしました。そして、「円売り・日経225先物買い」の動きが続けば、NT倍率が急上昇し、トピックスがついていけない状況がさらに高まるとし、相場の歪みが大きくなると解説しました。このことは、日経平均の現物の上昇が日経平均の指数に大きな影響を与える一部の銘柄(ソフトバンク、ファナック、ファーストリテイリング、KDDIなど)に資金が集中しているため、円安が一服し円高へ振れると売られて日経平均が大きく下げるということが起こりやすく、相場が不安定になることを意味します。

先週は、アメリカ株式と円相場の動き次第だとし、円安続けば信用の絶対期日も経過しているため、16,000円を目指す展開へとしました。結果的に、アメリカ市場で良好な経済指標が相次いで、アメリカの景気回復期待から長期金利が上昇しドルが買われ、株価も上値は重いながら史上最高値を更新し続けました。日経平均は25日(月)に円安を受けて先物主導で△237の15,619円の大幅上昇のあと円安一服となって、26日(火)は▼105の15,515円、27日(水)は15,415円まで下げて▼65の15,449円となりました。しかし28日(木)は再び102円台の円安を受けて先物主導で△277の15,727円となりました。終値ベースの年初来高値である5月22日の15,627円を突破し、柴田罫線では追加の買法則が出現しました。週末の29日(金)は、前日のアメリカの休場や週末要因、さらにやや円高への振れがあったことで、先物主導で一時200円を超える下げとなりましたが、売りが一巡すると押し目買いが入り▼65の15,661円で引けました。

 

今週は、年初来高値に向かって足元を固める動きも

今週も円安がそのまま進行し1ドル=103円台を試すような動きになれば、「円売り・日経225先物買い」のセット売買によって先物主導で5月23日のザラ場での年初来高値を試す動きが想定されます。その1ドル=103円台の円安になるきっかけは、アメリカ市場での週末の11月雇用統計が注目となり、ここで予想を上回る改善となれば、12月17日~18日のFOMCで量的緩和の縮小観測が生まれ一段の円安となっていくと思われます。そうであれば、今週は週末の雇用統計を控えて様子見から一服となるかもしれません。

テクニカル的な過熱感は、騰落レシオでは103.7%とやや落ち着いていますが、25日移動平均線は6%近くを上回っており「買われ過ぎ」が意識される水準です。アメリカ株式は8週連続高で高値圏にあり、11月雇用統計が予想を下回れば短期の調整もあり、その場合為替が円高に振れると「円買い・日経225先物売り」となって日経平均も下落となります。もしそうなれば、短期売買の人にとっては押し目買いチャンスと考えられます。来年になると、再びアメリカで債務上限問題が再燃する可能性が高いので、ファンドなどは12月に一相場を考えていることが想定されます。

本日は、円安が一服していることや短期的な過熱感から主力大型株中心に利益確定売りが広がり、又週末にアメリカの11月雇用統計を控えていることもあって様子見ムードが強く、一時15,579円まで下落しました。しかし、押し目買いが強く▼6の15,655円で引けました。但し、売買代金は2兆円に届かず材料不足を感じさせました。これまで日経平均の指数の上昇後、もみあいとなれば中小型株が動き出すとしていましたように、このところ小型株の物色が継続しています。

(指標)日経平均

先週の予測では、5月23日の15,942円の絶対期日を経過することで上値は軽くなるとし、円安が続けば「円売り・日経225先物買い」の仕組み商いが活発化し、5月22日の終値ベースでの年初来高値15,627円を試す動きになるとしました。又、円安が一服すれば上値を追えず、日経平均も一服になるともしました。

25日(月)は、1ドル=101円台後半の円安を受けて先物主導で大幅高となり△237の15,619円となりました。26日(火)は円安一服で▼105の15,515円、27日(水)も▼65の15,449円と続落しました。しかし28日(木)は、前日のアメリカ市場で良好な経済指標が相次ぎアメリカの景気回復期待から株式とドルが買われ為替は1ドル=102円台の円安となったことで「円売り・日経225先物買い」が再び活発化し△277の15,727円となって、5月22日の終値ベースの年初来高値を突破し、柴田罫線では追加の買法則出現となりました。このろく買は、高値圏では売転換になる場合もあるので、11月27日の安値15,414円を切ると注意としました。週末の29日(金)は、前日大幅上昇の反動ややや円高へ振れたことで一時200円を超える下げとなりましたが、11月27日の終値15,449円を切らずに下げ幅を縮小し▼65の15,661円で引けました。

今週の予測は、アメリカのクリスマス商戦が好調であれば、株高・ドル高となって日経平均も上値を試すものと思われます。但し、週末に米雇用統計を控えており、高値圏でのもみあいも想定されるところです。円安相場の先高感は強く、103円を試す動きとなれば「円売り・日経225先物買い」となって先物主導で上値を試すことになります。

週明け12月2日(月)は、円安一服と高値警戒感から主力大型株中心に利益確定売りで15,600円を割れる場面もありましたが、押し幅は小さく押し目買いが入って▼6の15,655円で引けました。

日経平均

 

(指標)NYダウ

先週の予測では、ダウは7週連続高で過熱感もあり、28日(木)の感謝祭と翌日の短時間取引を考えると低水準の取引となって高値圏のもみあいとしました。

しかし、高値圏のもみあいながら25日(月)は△7ドル、26日(火)は△0.2ドル、27日(水)も△24の16,097ドルと3日連続の小幅続伸となって28日(木)の感謝祭を迎えました。その背景は、良好な経済指標が相次いだためでした。29日(金)の短時間取引では年末商戦への期待から△77の16,174ドルまで上昇するものの、一部ファンドの決算委期日を控えて利益確定売りで▼10の16,086ドルと反落しました。週足では8週連続の陽線となります。

今週は、週末に11月雇用統計を控えて高値圏でのもみあいとなりそうです。クリスマス商戦が好調であれば上値を試すも8週連続高の高値警戒感もあり、又ファンドや米企業の決算売りもあり、高値圏での綱引きとなりそうです。

NYダウ

 

(指標)ドル/円

先週の予測では、日米の株高の上昇に引っ張られる形でドル買い・円売りの状況があるため、日米の株価が上昇すれば円安の流れが続くことになるとしました。7月8日の101.58円を突破すると102.4円を試す動きになるともしました。

結局、引き続き円安の流れが続くことになりました。背景はアメリカの経済指標が次々と予想を上回ってアメリカの景気回復期待を高め、株とドルが買われる展開となりました。27日(水)には、1ドル=102円台のせとなり、週末29日(金)には長期金利の上昇からドル買い・円売り、アジアの対中国不安からドル買いとなり、一時102.61円まで上がって102.45円で引けました。

今週も、アメリカの景気回復期待から長期金利が上昇しドルが買われて日米金利差が拡大し、円安基調が続くことになります。週末の雇用統計で改善が示されると、一段の円安となって5月22日の103.9円を試しにいく動きも想定されるところです。チャートをみても11月12日に99.7円でドルが買転換し、7月8日の101.58円も上回ったことで、先週末102.61円までドルが買われています。まずは、103円台を目指す動きが考えられます。

ドル/円