高値警戒感からの下落へ

1月6日(月)の予測では、この日に為替の円高への振れや年末相場の9連騰という大幅高の反動から先物主導で利益確定売りとなり、▼382の15,908円の大幅安となりました。これは特別悪材料が出たわけではなく、目先買われ過ぎたものは当然の下落となるとしました。買われ過ぎたものとは、日経平均の指数を支えてきた一部の値ガサ株であり、これらが売られて日経平均の指数は大きく下げました。しかし相場全体をみてみると、この日の上昇銘柄は906と下落銘柄数を上回っており、新安値銘柄数は0で新高値銘柄数は170と、ふつうの場合は日経平均はプラスの状況の内容でした。それは、これまでのNY倍率の異常な格差を修正しているため、トピックスの下げが10Pの1,292Pとそれほど大きくなかったことによります。

そのため、先週の予測としては、12月の雇用統計を週末に控えており日経平均の上値は重いものの、中小型株の出遅れの水準訂正が続くことになりそうだとしました。結果的に、7日(火)に15,784円まで下落し25日移動平均線(15,700円水準)に接近して▼94の15,814円となったあと、欧米株高を受けて8日(水)は△307の16,121円と反発しトピックスは昨年来高値を更新するものの、9日(木)は翌日のSQを前に売り仕掛けと利益確定売りから▼241の15,880円となって、柴田罫線では短期の売転換出現となりました。週末の10日(金)は、1月SQ値が15,784円となり、15,754円まで下げた後は前日の終値(15,880円)を挟んだもみあいとなり、終値は△31の15,912円で引けました。本来ならば25日移動平均線(1月10日時点15,709円)や1月SQ値15,784円を上回って引けているので、下値は底堅く堅調な動きが想定されるところでした。

しかし、日本市場の引け後のアメリカ市場で、注目の12月雇用統計で非農業部門雇用者数が予想の19.7万人増のところ7.4万人増と予想外の結果となったことで、QE3の縮小時期が延びる可能性があるとし、長期金利が低下してドルが売られ、一時103円台の円高となりました。長期金利の低下が続くようなら、日経平均は下値模索の動きとなります。

 

今週は、アメリカ株式と為替の動き次第で下値模索続く可能性

日本が休場の昨日13日(月)のアメリカ市場では、先週末10日(金)の12月雇用統計が予想の19.7万人増を大きく下回る7.4万人増となったことで景気回復の遅れ懸念から量的緩和縮小時期が後退するのではないかとの見方が広まり、10年債利回りが1カ月ぶりの低水準となってドル全面安となり、株価も高値警戒感が浮上して▼179の16,257ドルの大幅安となりました。

日経平均は、先週末10日(金)は△31の15,912円となって1月SQ値15,784円を上回って引けていましたが、前日の9日(木)に柴田罫線では短期の売転換が出現しており、この日のチャート分析では1月7日の15,784円を終値で切ると小さな三角保ち合いの下限(11月8日の14,026円)から12月30日の16,320円までの上昇幅の1/3押し(15,550円)が下値ポイントになるとしました。しかし、本日の前場は為替の102円台とアメリカ株安から▼254の15,657円で寄り付くと1/3押し水準をあっさり切って一時▼436の15,475円まで下落し、ここから反発するも上値が重く前引けは▼326の15,585円でした。後場になると先物主導で下げ幅を拡大し、一時▼529の15,383円まで下げて終値は▼489の15,422円でした。

日米共に先行きの楽観論から強気に傾き過ぎていたことの修正場面とみてよく、上がったものは下がるのですから、特に大きな悪材料が出たわけではありませんので、大きく下げたところは買っていくところです。1つ目の大きな下値ポイントとした14,026円から16,320円までの上昇幅の1/3押し(15,550円)を下に切りましたので、その次は1/2押し(15,173円)水準となります。もちろんそこまで下げるかどうかはアメリカ株式及び為替の動きにかかわってきますので、今のところ何ともいえませんが、想定しておくところとなります。但し、好業績の個別株で出遅れ銘柄は少しずつ買っていくところです。

反発する期待のあるものとしては、16日(木)に黒田日銀総裁の会見があり、21~22日の日銀金融政策決定会合に向けて異次元金融緩和第2弾の発表があればというものがありますが、それがなければ今週は下値模索の動きが続く可能性もあります。

(指標)日経平均

先週の予測では、アメリカでは雇用統計を控え、日経平均も昨年末まで9連騰となっていることからいったん利益確定売りが出る公算が大きいとし、但し日経平均が下落しても出遅れの中小型株の水準訂正は続くとしました。

6日(月)は、為替の円安一服と利益確定売り優先で先物主導で一時400円を超す下げとなり、終値は▼382の15,908円でした。7日(火)は▼94の15,814円と続落しましたが、8日(水)はNYダウの反発と円安基調を受けて△307の16,121円と反発しました。しかし、9日(木)は翌日にSQ清算日を控えてSQに絡んだ売りで▼241の15,880円となって短期の売転換出現となり、週末10日(金)は方向感のないもみあいとなって△31の15,912円で引けました。25日移動平均線(15,700円近辺)や1月SQ値15,784円を上回って引けていますので、ふつうですと今週はしっかりした動きとなるのですが、先週末のアメリカ市場で12月雇用統計が予想を大きく下回って、QE3の縮小時期が遅れる見方も出てドル売り・円買いとなっていますので、アメリカ株高、為替の動きをみる必要があります。円高傾向が続けば日経平均も軟調な動きとなり、その場合は、9日(木)の柴田罫線で売転換した時に分析したように、まずは11月8日の14,026円から12月30日の16,320円の上げ幅の1/3押し15,550円が下値ポイントとなります。

連休明け14日(火)は、アメリカ株式の大幅安と為替の102円台の急激な円高を受けて▼254の15,657円で始まり、後場になると先物主導で一時500円を超える下げとなって15,395円の安値をつけ、▼489の15,422円で引けました。昨年の8月28日の13,188円からの上昇トレンド(C)の下値斜線を切る水準まで下げていますので、1/2押し水準(15,172円)まで下げると、当面は高値圏でのボックス相場(15,000~16,000円)の動きとなる可能性もあります。

 

(指標)NYダウ

先週の予測では、8日のFOMCの議事録の公開や週末10日の12月雇用統計の発表を控え、目先は上昇トレンド(C)の上値斜線にほぼ到達しているため、そのまま上値を追っていくのは難しいとしました。

結局、週末の雇用統計を控えて様子見のなか経済指標はまちまちの動きとなったことで16,500ドル台にはのせる場面があるものの、12月31日の16,588ドルの史上最高値は更新できませんでした。高値圏のもみあいとなり、週末10日(金)は12月雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を大きく下回り、一時▼65の16,379ドルまで下落するものの量的緩和縮小の時期が後退する見方も出て国債利回りが低下し、▼7の16,437ドルと下げ幅を縮小しました。

今週は、主要企業の昨年10~12月の決算発表が本格化するため、先週末に雇用統計が予想を大きく下回ったことで浮上してきた景気の先行き不安が打ち消すような決算内容となるのかどうかに注目となります。

週明け13日(月)は、先週末の雇用統計の予想外の低水準から高値警戒感が広がり、又今週から本格化する決算を前に業績悪化に対する懸念も浮上し▼179の16,257ドルの大幅下落となりました。目先の下値ポイントは15,900ドル水準となりますが、決算の内容次第では調整が長引くことになります。

NYダウ

 

(指標)ドル/円

先週の予測では、年末に引け値で105円台の円安となったものの、ドルの利益確定売りで円高へ振れるが円高も限定的で基本は104~105円のレンジの動きを想定しました。

9日(木)までは想定通り104~105円のレンジの動きでしたが、10日(金)の12月雇用統計で、非農業部門雇用者数が予想の19.7万人を大きく下回る7.4万人増となったことでQE3の縮小加速懸念が後退し、長期金利が低下してドル売り・円高の動きとなり、103.83円まであって104.09円で引けました。長期金利の低下が続けば日米金利差縮小の面から円が買い戻されやすいといえます。

週明け13日(月)は、NY市場で10年債利回りが1カ月ぶりの低水準となったことでドル全面安の展開となり102.86円まで売られて102.99円で引けました。102~104円のレンジの動きを想定。

ドル/円