週中盤からアメリカの財政協議の合意期待高まり、日米ともに急反発

先週の予測では、アメリカ財政問題への警戒続けば安値模索へとし、合意への見通したてばそこから反発となるため、好業績の個別株は少しずつ買い下がっていくこととしました。下値ポイントとして、目先は8月28日の13,188円から9月27日の14,817円までの上昇幅の0.618押しの13,810円、その下は150日移動平均線(10月7日時点13,671円)、柴田罫線の13,600円水準としました。

週前半は、8日(火)の13,748円まで下げたところで押し目買いが入り△41の13,894円と反発すると、その後はアメリカの財政問題で与野党の交渉進展を期待する見方が広がり3日連続の100円超えとなり、週末の11日(金)は△210の14,410円で引けました。10月SQ値14,349円や25日移動平均線(10月11日時点14,347円)を終値で上回っていますので、ふつうは、翌週は堅調な動きとなります。特に、10日(木)のアメリカでは、共和党が6週間程度の短期間に限って債務上限引き上げを提案したことで、17日までに与野党の合意への期待が高まり、NYダウは△323の15,126ドルと今年最大の上げ幅となり、週末の11日(金)も△111の15,237ドルの続伸で引けました。

今週は引き続き、アメリカの財政協議の行方に関心

先週後半は、共和党が短期の債務上限引き上げの提案をしてきたことで、与野党の交渉進展から国債のデフォルトが回避されるという期待で株価は急騰しました。

しかし、12日(土)にオバマ大統領は、政府機関閉鎖の解除の予算が入っていないこともあり、共和党の譲歩案を拒否したことが明らかになりました。民主党が多数を占める上院に舞台を移して協議は継続しているが進展していないといわれていました。上院では、株式市場が取引を再開する14日(月)までに合意を目指すことを明らかにしました。交渉がもつれれば、アメリカ株安、ドル安となって、日経平均も売られる可能性がありますが、交渉がうまくいけば日経平均は戻りが続くことになります。

日本が休日中の昨日の14日(月)のアメリカ市場は、朝方は前日の13日(日)まで財政協議の交渉が進展しなかったことで、NYダウが売り先行で始まり一時100ドルを超える下落となりましたが、その後上院での与野党協議に進展がみられて暫定合意への期待が高まり、△64の15,301ドルと切り返して引けました。

これを受けて連休明けの日本市場は△105の14,510円で寄り付くものの、合意が決定されていない状況では上値が追いにくく、△36の14,441円で引けました。

まずは、17日の期限までに合意ができるかどうかが焦点となります。但し、この合意も現時点では政府機関の閉鎖の削除を1月15日まで延期し、債務上限引き上げ期限も2月上旬までという暫定合意のことですので、問題を先送りした形となります。先週の共和党の提案の6週間よりは長いですので、当面の株価にとってはプラスとなります。

17日までに暫定合意ができれば、国内の注目材料は15日に召集される成長戦略実行国会と位置づけられる臨時国会が開かれ、今月の後半の週からは上方修正が相次ぐ期待の高い決算発表が始まりますので、多少の微調整を交えて、まずは9月27日の高値14,817円を目指すことになりそうです。そこから上は暫定合意であり、将来は不透明ですので何ともいえません。又、今回の予算停止や債務上限問題によってアメリカの目先の経済指標が悪化するかもしれません。又、アメリカの政治状況は日本人にはわかりませんので、共和党の出方次第では振り出しに戻ってデフォルト懸念が再燃しないとも限りませんので、少しは注意が必要です。

(指標)日経平均

先週の予測では、アメリカの財政問題の対立で一段と円高が進むようなら日経平均は14,000円を割り、17日に向けて与野党の対立が深まれば、チャート上では13,600円水準までの下落の可能性があるとしました。

週明けの7日(月)は、96円台をつける円高となったことで▼170の13,853円と14,000円を割り込み、オリンピック招致決定を受ける前の水準へ下落しました。8日(火)に13,748円まで下げたあと、97円台の円安に戻ったことで押し目買いが入り、△41の13,894円と反発しました。9日(水)は、アメリカCNNで債務上限引き上げ法案に向けて前向きの報道があったことで△143の14,037円と14,000円台を回復、その後は財政協議進展の期待や次期FRB議長にイエメン氏が正式に指名されるニュースから10日(木)が△156の14,194円、週末11日(金)が△210の14,410円と4日続伸で引けました。

日米共に上昇したものの、アメリカでの財政問題はまだ進展期待であり、合意できるかどうかはまだわかりません。そのため、今週もアメリカの政治情勢の左右される展開が続きそうです。17日(木)までに合意できれば、日経平均は9月27日の14,817円を試す可能性がありますが、合意できないかもしくは短期の延長で合意されれば再び上値は重くなり、下落の可能性もあります。アメリカ株式、為替がしっかりしていれば15日(火)からの臨時国会や月後半の決算が期待されてしっかりした動きとなりそうです。

連休明け15日(火)は、前日のアメリカで財政協議の合意期待から△105の14,510円で高寄りするものの、その後は上値重く△36の14,441円で引けました。

日経平均

(指標)NYダウ

先週の予測では、引き続き財政問題を巡る与野党の対立に相場が左右され、17日の債務上限引き上げ問題が不透明で対立が長引けば相場の波乱要因となるが、常識的にはどこかの時点で合意ができて急反発というパターンが考えられるとしました。

週初めは、2日連続の大幅安となったあと9日(水)は14,719ドルの安値をつけて切り返し、10日(木)には共和党が6週間程度の短期間の債務引き上げを提案したことを好感して△323の15,126ドルと今年最大の上昇幅を記録しました。その後も財政協議の進展期待から週末11日(金)は△111の15,237ドルの2日連続の大幅上昇で引けました。

今週も引き続き17日までに債務上限問題と政府機関の閉鎖の解除が合意できるかどうかが焦点となります。政府機関が閉鎖されている状況では、重要な経済指標の発表が未定であり経済動向を判断しにくく、投資家は動きづらいといえます。但し、合意されれば戻り蛾続くことになります。6週間のみの延期で決着した場合は戻りは弱く、11月中旬に再びリスク回避の動きが高まります。

週明け14日(月)は、前日まで協議が進展しなかったことで一時100ドルを超す下げとなりましたが、その後上院で暫定合意方向に動いているとの報道から切り返し、△64の15,301ドルで引けました。あとは17日までに合意できるか注目となります。

NYダウ

(指標)ドル/円

先週の予測では、アメリカの財政問題の懸念からドル売り・円買いの圧力強く、市場の見方は債務上限引き上げ期間の17日まで与野党の対立は続く見方が多く、96~98円台のレンジを想定しました。

週明けの7日(月)には財政協議の進展がないことから96.57円までドルが売られましたが、10日に共和党側が6週間の短期の期限で国債の発行を認める案を出したことで、17日までに与野党が歩み寄れるとの見方が広がり、98円台までドルが買い戻されました。

今週も財政問題を巡って政府と議会との調整が難航し、相場は政治の情勢に左右される展開が続きます。再生問題にメドがつけばドルが買われて再び100円に向かう動きとなり、与野党の交渉が決裂すれば96円台を試すドル売り・円買いとなります。96~100円の広いレンジを想定。

ドル/円