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今週は10月実質相場入り。アベノミクス第2幕への期待-ただし、アメリカでは量的緩和縮小の時期を巡って再び不透明-
出島 昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。 「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析、また今後の見通しなど幅広い情報提供をおこなってまいりま…

今週は10月実質相場入り。アベノミクス第2幕への期待-ただし、アメリカでは量的緩和縮小の時期を巡って再び不透明-

2013/9/25
先週は、FOMC(17~18日)の結果を受けての相場の動きに注目し、緩和時期が先延ばしされれば、日米ともに上昇すると予想しました。
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先週は、サマーズ氏のFRB議長辞退や量的緩和縮小の先送りで2カ月ぶりの高値へ

先週は、FOMC(17~18日)の結果を受けての相場の動きに注目し、緩和時期が先延ばしされれば、日米ともに上昇すると予想しました。

9月18日のFOMCでは、量的緩和の縮小は予想外の見送りとなったことでポジティブサプライズとなって株式は上昇し、NYダウとS&Pは史上最高値を更新しました。見送りの理由は、失業率の高止まりとインフレ率が目標を下回っているためとされました。市場の見方はほぼ小幅の縮小実施を織り込んで動いていましたので、サプライズとなりました。日経グループのQUICKは、17日に9月開催のFOMCで「9月実施の予想」が74%を占めていましたので、予想がいかに当てにならないかを示しました。株式相場もこれを前提に織り込んでいたため、先送りがポジティブサプライズとなったわけですが、逆に予想以上の規模の縮小となっていれば、逆に急落となっていたことになります。予想を元に投資を行えばバクチと同じですが、今回は積極的に買っていた人はバクチに勝ったということになります。

19日(木)の日本市場は、為替は量的緩和の先送りを受けて長期金利が低下し、ドルが売られて一時97.76円までの円高となりましたが、この日の日経平均は円高に連動せず全面高となって、△260の14,766円となりました。チャート分析では、9月11日の高値14,561円を終値で抜けると14,800円水準を試すとしていましたが、20日(金)は14,816円をつけて▼23の14,742円で引けました。

今週は10月実質相場入り。アベノミクス第2幕への期待が下支え

今週は、アベノミクス第2幕への期待はあるものの、アメリカでのFRBの金融緩和策に不透明感が出たことでNYダウに連動し、上値の重い展開が想定されます。先週は、アメリカ市場でFOMCによる量的緩和策が見送られ、これが歓迎されてNYダウは史上最高値を更新しました。しかし、週末になると一転して「見送り」となったことが、アメリカの景気回復がそれほど強くないのではという見方も台頭し、先週末と昨日の2日間で▼234ドルの大幅下落となりました。

先週までで日経平均は3週連続の陽線となり、上昇率も10%を超えたことで短期の過熱感が出ており、為替はFRBの金融政策の不透明さからドルが売られて円高方向にブレており、量的緩和の時期を巡って海外金融市場で動揺が続けば、日経平均の上値を押さえるということになります。ただし、下値は限定的で、アベノミクス第2幕への期待が下支えすることになりそうです。上値を追うには、来月初めの来年4月の消費増税決定が経過してからの可能性があります。消費増税決定に関しては、景気の腰折れを防ぐために、復興特別法人の前倒し廃止や投資減税(1兆4,000億円以上)、公共投資予算(1兆円超え)などの経済政策が発表されており、消費増税決定はすでに織り込んでいるものと思われます。そうなると、政府の成長戦略第2弾への思惑から来週以降買われる場面が出てくることになりそうです。

本日は、アメリカ市場の不透明感と円高への振れを嫌気して一時14,607円まで下げましたが、後場は押し目買い優勢となり、▼9の14,732円で引けました。目先は、短期的な過熱感もあり、又市場ボリュームも減少していますので、今週は軟調な動きとなる可能性もあります。

世界のマネーゲームの中の日本株式を考える

世界の金融市場は、アメリカの量的緩和政策(ドルのタレ流し)によってマネーゲーム化しています。この中で「ヘッジファンド」を抜きにしては世界の金融、経済は語れない状況になっています。ヘッジファンドは色々なタイプがありますが、要するに、相場のボラティリティ(変動率)から収益機会を得ているのであり、200兆円規模とも言われ、世界の相場のシナリオを作って収益機会を増やしています。

5月15日に、私は「山高ければ谷深し」というメッセージを出し、その1週間後の23日に戦後11番目の急落となりました。(この詳しい分析は8月に発行した新著『シンプルに儲ける50代からの株式投資』の中で行っています)このときの急落予測はある程度相場経験がある人ならば誰でもできる簡単な予測だったと思っています。そのポイントは以下のものです。

  • (1)11月13日の8,619円から約半年で80%以上の上昇
  • (2)騰落レシオの130%超え
  • (3)移動平均乖離率の10%超え
  • (4)出来高の急増
  • (5)日経平均の上昇に伴う値上がり銘柄数と値下がり銘柄数のアンバランス

ところが、ヘッジファンドの間では、この急落は仕組まれていたという事実(?)です。これは、先日東京で福岡政行氏(白鴎大学教授、東北福祉大学特任教授)を囲む経営者グループのセミナーでの話です。5月中旬にアメリカに行った時、大手証券会社の経営陣との話の中で、ヘッジファンドのグループが談合して5月16日の時点で日経平均が15,500円を超えた段階で一斉に利益確定するという取り決めがなされていたとのことです。これは相場の動きをみていればありそうなことだと思われます。

例えば、5月22日の日経平均は△246の15,627円となりましたが、この△246円のうち、△114円はファーストリテイリングのみが指数を引き上げていたという事実です。作為的に日経平均の指数を引き上げていたかもしれないことがわかります。

そして翌日の23日に、前場15,942円まで上昇したあと後場に一転して▼1,143の14,483円の急落となりました。マスコミは一斉にアベノミクスの崩壊の前ブレのような書き方をしましたが、仕掛け的な上げからの急落に過ぎなかったということになります。日本市場は、ファンダメンタルズから中長期上昇が期待できますが、短期的にはヘッジファンドのゲームのおもちゃとして扱われる局面があることを知っておく必要があります。なぜならば、日本の株式は外国人買いが入らなくては上昇できず、売買規模のおよそ70%を外国人投資家が占めている事実があるからです。

東京オリンピック開催も決まり、2020年に向かってアベノミクスが実践されれば、株式市場は上昇基調が続くことになると思われますが、その間にも今回の急落のような大きな下落は何度も繰り返される可能性は高いと思われます。中長期投資と割り切って投資する人は別として、短期売買を行う場合は、安い水準で買い、高くなったら利益確定を優先し、又、高くなったところで買う場合(さらに高くなっていくこともありますので)は、損切りポイントを決めて買うということがリスクを少なくする投資といえます。

(指標)日経平均

先週の予測では、FOMCの結果が相場に影響を及ぼす可能性が高く、上値は9月11日の14,561円を終値で抜けると14,800円水準を目指すことになるとしました。

連休明けの17日(火)は、FOMCを前に見送られて▼93の14,311円となるものの、18日(水)はFOMC通過後のアク抜けを狙った先物主導の買いで一時14,600円を回復、19日(木)はFOMCの予想外の緩和時期見送りで△260の14,766円の大幅高となりました。週末20日(金)は一時14,816円まで上昇するものの3連休を控えて上昇一服となり▼23の14,742円で引けました。

チャートでは、三角保ち合いを少し切った8月28日の13,188円を安値に反発となり、9月3日に13,978円で買転換が出現しました。9月8日に東京オリンピックが決定したことで三角保ち合いの上限を試す動きとなり、8月2日の14,466円を終値で上回ったことで明白な三角保ち合いの上放れとなりました。7月19日の14,953円を試す形となり、その前に先週は14,800円水準を目指すとしました。3週連続で上昇し、上昇率は10%を超えています。目先は、7月19日の14,953円を終値で突破できるかどうかですが、短期過熱感もあり、アメリカの量的緩和縮小の時期を巡って再び海外市場が同様すれば日経平均の上値は重くなります。ただし、下値は限定的といえます。

連休明けの24日(火)は、アメリカ株安や円高を嫌気して一時14,607円まで下げましたが、後場は押し目買いや配当狙いの買いが入って下げ渋り▼9の14,732円で引けました。市場ボリュームは減少し、売買代金は1兆9,235億円と2兆円を割りました。

日経平均

(指標)NYダウ

先週の予測では、FOMCの量的緩和の縮小の実施が焦点になるとし、実施されても小幅という見方が市場のコンセンサスであり、先延ばしになってもともに株価は上昇することになるとしました。

週明け16日(月)は、FRB議長に有力視されたタカ派のサマーズ氏の辞任を受けて△118の15,494ドルと上昇し、18日(水)はFOMCの緩和縮小を受けて△147の15,676ドルと史上最高値を更新しました。週後半は利益確定売り優先となり、週末20日(金)は、見送られた量的緩和は早くも10月に実施されることもあるとの見方で▼185の15,451ドルで引けました。

今週は、目先FOMCの量的緩和の先送りから長期金利が一服していることもあり、住宅指標が改善されれば買われる場面もありそうですが、FRBの金融政策の不透明感が高まり、又債務上限問題での与野党の対立があり、上値は限定的に神経質な展開になりそうです。チャートでは、短期の上昇トレンド(B)の上値斜線に当たるとしましたが、結局突破できずにいったん下落となりました。

週明け23日(月)は、量的緩和の縮小時期に関して当局者の判断がまちまちとなっていることで相場の不透明要因となり、▼49の15,401ドルの下落となりました。

NYダウ

(指標)ドル/円

先週の予測では、17~18日のFOMCが最大の焦点となり、量的緩和縮小が先送りされれば99~100円のもみあいとしました。

結局、FOMC発表の前に、16日(月)に時期FRB議長候補のサマーズ氏が辞退したことで長期金利が低下し、ドル売り・円買いとなって98円台までドルが売られました。そして18日(水)は、FOMCが量的緩和縮小を見送ったことで97.76円までドルが売られ(円高)ましたが、経済指標が改善したことで年内の縮小は実施されるとの見方から99円台半ばまでドルが反発、週末20日(金)は、セントルイス連銀総裁が10月の量的緩和縮小実施の可能性を発言しました。先週は、97.76円まで売られ、99.67円まで戻すという荒い動きとなり、99.36円で引けました。

今週は、FOMC後の円高は一服し、98~100円の中で円が売られやすくなりそうです。チャートも三角保ち合いを上放れした後の下げが、三角保ち合いの上値ラインが下値抵抗ラインとなっています。

ドル/円

 

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