7731 ニコン 東証1部

四季報2013年夏号によると、小型デジカメは市場縮小で弱い。ただ露光装置は大型液晶用が中国向けなど増加。半導体用も低単価品中心に伸長。一眼レフは台数追わず採算向上。円安好影響。研究開発費増こなし営業益反発。増配。

8月8日の決算発表では、2014年3月期の連結純利益が前期比18%増の500億円と予想し、従来予想を150億円引き下げた。コンパクトカメラ市場が想定以上のペースで縮小しており、円安による輸出採算向上で増益は維持するが、欧米や中国市場の先行きに不透明感が生じる。年間配当予想も前期より1円多い32円と、従来の予想を9円減額した。

2011年3月15日の東日本大震災直後の安値1,409円を基点に三角保ち合い(A)を形成し、上放れしたあと2012年7月6日の2,597円まで上昇しました。ここから11月14日の1,786円まで下落後上昇トレンド(B)へ移行し、今年の5月23日に2,971円の高値をつけて日経平均の急落につれ安し、6月3日に2,589円で売転換出現となりました。その後、期待からの買われ過ぎで調整しているところに8月8日に下方修正発表となって急落し、8月12日に1,666円まで下落してもみあっているところだと考えられます。PERからみると、買っていい水準まで下げてきていると思われます。柴田罫線の関門観測でも1,600円水準は下値抵抗ラインとなるところですので、最大で1,500円までの下げ(日経平均が下放れした場合)をみておくとよいでしょう。

ニコン

7735 大日本スクリーン製造 東証1部

四季報2013年夏号によると、半導体装置はPC関連など停滞。ただ液晶装置は大型用・中小型用とも中国向けが拡大。デジタル印刷機には新製品投入が寄与。構造改革効果も大。円安も追い風で、1ドル90円前提の会社想定は慎重。営業黒字浮上。税負担減る。復配3円。

8月9日発表の2013年4-6月期の連結決算は、純利益が前年同期比17%減の16億円となった。主力とする半導体製造装置が落ち込んだ。ただし、2014年3月期通期は売上高見通しを前期比6%増の2,110億円に上方修正したが、最終損益は40億円の黒字転換と従来予想を据え置いた。

2012年3月19日の787円を高値に急激な円高を受けて急落となり、10月4日には361円まで下落しました。この361円を安値に緩やかに下値を切り上げる上昇(A)となっており、この中で今年4月2日の410円の安値から大幅上昇となり、5月23日に675円まで上昇しました。ここから日経平均の急落と円高へのブレを嫌気して6月21日の484円まで下落するものの、すぐに反発となって7月18日には614円まで上昇し、その後は三角保ち合いを形成する動きとなっていました。ところが、8月9日の決算発表で、4-6月期の連結決算で純利益が落ち込んだことから急落となって三角保ち合いを下放れしました。

大日本スクリーン製造

6809 TOA 東証1部

四季報2013年夏号によると、国内は非常用放送設備などが牽引。海外もインドネシア成長、タイは顧客開拓奏功。反日運動や政権交代で官公庁需要停滞していた中国が鉄道向け等軸に持ち直し。海外工場の賃金ジリ高吸収し営業増益。為替差益見込まず工場移転特損計上。

8月1日の決算発表で、2013年4-6月期経常利益は24%減の3億円。しかし、2014年3月期は非常用放送設備が国内商業施設向けに堅調で経常増益予想。

中期では、2011年3月11日の東日本大震災直後の3月15日の373円の安値からの上昇トレンド(A)となっています。この中で、2012年7月30日の安値523円から角度の大きい上昇トレンド(B)へ移行し、この中で今年の5月13日の885円をつけて日経平均の急落につれ安し、上昇トレンド(B)を下に切って6月7日の629円まで下落しました。この水準は、上昇トレンド(A)にサポートされるところであり、大きな反発となって7月16日の863円まで上昇しました。ここから押し目を形成している時の8月1日の決算で、4-6月期の経常利益が24%減となったことを嫌気して下げ幅を拡大してきました。しかし、通期の増益予想は変わらず、連結PER、PBR共に割安感が出ていますので、現水準からは買い有利と考えられます。

TOA

6419 マースエンジニアリング 東証1部

四季報2013年夏号によると、ホール業界の設備投資が盛り上がらず、主力のパチンコ、パチスロ関連機器・システムは微増程度。自動認識事業は小幅に反落。ただ、リゾートホテルの赤字(前期3億円)が縮小して営業微増益。

7月31日の決算発表で、4-6月期経常益は30%減の15.3億円。通期見通しは据え置き。

チャートの形をみると、2011年6月17日の1,202円を安値に小さな三角保ち合いを作って上放れし、2012年4月25日の1,894円まで上昇。5月15日の1,450円まで押し目を入れて、その後は緩やかに下値を切り上げる展開(A)に。この中で、今年の5月13日に2,408円まで上昇するが、4-6月期の減益を織り込む形で急落し、6月7日に1,721円まで下落。ここから7月8日の1,949円まで反発し、再下落となって8月9日に1,753円まで下げてダブル底の形となり、8月19日に1,834円で買転換出現となりました。4-6月期の減益はすでに織り込んでおり、連結PERや配当利回りからみると割安感が出ているので、買える水準と考えられます。

マースエンジニアリング

3101 東洋紡 東証1部

四季報2013年夏号によると、前期不振の包装用フィルムが復調。医薬の受託生産や医療関連の新製品増勢。寝具向け緩衝材など機能品堅調。繊維は在庫評価損見込まず。営業増益。ただ為替は中立、原燃料高きつく会社計画やや強気。

8月5日の決算発表では、2013年4-6月期は大幅増益となり、14年3月期見通しも増収増益。事業の構造改革が進み、紡績以外の売上が全体の70%を超える。

2009年8月19日の192円を高値とする三角保ち合い(A)を下放れし、2012年9月6日の80円で底打ちとなりました。現在、上昇トレンド(B)を形成しており、この中で今年の2月5日に208円の高値をつけて2009年8月19日の192円を更新。その後、4月1日の143円まで下げて5月22日の194円まで反発し、再下落となって6月7日に142円まで下げたあと、7月9日に159円で買転換出現となっています。

東洋紡