週後半は、FOMCの内容を受けて世界的量的緩和継続期待で大幅上昇

先週は、下値模索の可能性は高いが、個別銘柄では上方修正銘柄の下げたところは押し目買いも可と考えられると予測しました。本格的な反発は8月9日(金)にSQを控えており、SQ前後からと考えられます。

週前半は、7月31日(水)のFOMCの声明文を控え、さらに8月2日(金)には7月雇用統計を控えていることで、薄商いの中を先物主導で下値を模索するような動きとなりました。しかし、FOMCにおいて現行の毎日の債券購入は継続され、現行の金利水準を維持する発表がされたことで量的緩和縮小観測が後退し、さらに1日(木)に欧州中央銀行(ECB)が「現行金利を現行以下で据え置く方針」を表明したこともあり、世界的金融緩和継続期待からNYダウとS&Pは史上最高値を更新しました。又、中国の7月製造業PMIが予想を上回ったことや円安へブレたこともあり、日経平均は薄商いの中を先物主導で大幅上昇となり、1日(木)は△337の1,405円、2日(金)は△460の14,460円と今年4番目の上昇幅となりました。アメリカの先物が、この日の7月雇用統計への期待から上昇していたことで先物中心の先回り買いとの見方もありました。結果的に、アメリカの7月雇用統計は、失業率は改善したものの非農業部門雇用者数は予想を下回ったことでドル売りとなり、99.95円から98.66円までの円高となり98.89円で引け、シカゴ先物は▼160の14,320円となっていました。

日経平均は三角保ち合いへ

今週は、先週後半に先物主導の相場展開となり2日間で800円近く上げたものの、為替が再び円高方向に戻っていることで、利益確定売りが出やすい状況と考えられます。しかし、トヨタの上方修正でアベノミクスの成長戦略に対する期待が改めて高まり、下値は限定的と考えられます。

本日の日経平均は▼147の14,318円で寄り付き、▼223の14,243円で下げ止まると25日移動平均線(5日時点14,311円)を挟んでもみあいとなっていましたが、後場になるとジリ安となって14,225円まで下げて、終値は▼208の14,258円で引けました。夏休み休暇に入っており、売買代金・出来高共に減少しています。

これまで三角保ち合いのとり方を、今年の2月27日の11,253円を安値とし、5月23日の15,942円を高値とする三角保ち合いを想定し、この場合は日経平均が13,300円水準まで下げる場合もあることを前提にしていました。しかし、7月29日(月)の13,661円(ザラ場7月30日の13,613円)で止まり、ここを安値にもみあって8月1日に14,005円で買転換が出現したことで、5月23日の15,942円を高値とし、6月13日の12,415円を安値とする三角保ち合いにぴったりとはまり込みました。この形であれば、目先の上値は14,500円水準であり、ここから下値は14,000円水準となり、次の反発では三角保ち合いの上放れへと展開する可能性が高いと考えられます。

この三角保ち合いは、定石通りのきれいな形をしているといえます。まず、5月23日の15,942円の高値から6月13日の12,415円まで下げ、この下げは昨年の11月13日の8,619円から5月23日の15,942円までの上昇幅のほぼ1/2押し(12,281円)です。そして6月13日の12,415円から7月19日の14,953円までの上昇は、5月23日の15,942円から6月13日の12,415円までの下げ幅の約2/3戻し(14,766円)でした。次に7月19日の14,953円から7月30日の13,613円までの下げは、6月13日の12,415円から7月19日の14,953円までの上昇幅の約1/2押し(13,684円)となります。その結果、三角保ち合い(A)〔チャートを参照〕となって煮詰まる段階へきており、基本は14,000~14,500円の中でもみあって上放れとなり、7月19日の14,953円を上に抜けると5月23日の年初来高値15,942円を目指す動きとなります。もちろん逆もあるわけで、予想外の悪材料が出て7月30日の13,613円を終値で切ると、三角保ち合いの下放れとなります。

(指標)日経平均

先週の予測では、7月25日(木)に14,562円で売転換が出現し、26日(金)は▼432の14,129円と25日移動平均線(26日時点14,110円)を試す動きとなっていたことで、目先の下値ポイントは75日移動平均線(26日時点13,915円)、その下は13,700円水準としました。

週明けの29日(月)は▼468の13,661円となり、ここを安値に上下動となったあと世界的な金融緩和継続が好感されて海外株高、為替は円安となったことで、8月1日(木)に△337の14,005円で買転換出現となりました。週末の2日(金)は、NYダウの史上最高値更新もあり△460の14,466円と今年4番目の上昇幅となりました。

当初、今年の2月27日の11,253円を安値の基点とし、5月23日の15,942円を高値の基点とする三角保ち合いを想定し、その場合は13,300円水準までの下げの可能性もあることを前提にしていましたが、終値ベースでは7月29日の13,661円、7月31日の13,668円(ザラ場では7月30日の13,613円、7月31日の13,644円)のダブル底の形を作って8月1日に14,005円で買転換が出現しました。

改めてチャートを見直してみると、5月23日の15,942円を高値、7月30日の13,613円を安値とする三角保ち合いとなっており、保ち合いがまだ続くとすれば14,500~14,600円は上値が重く、もう一度14,000円水準まで下げてくると、次の上昇で上放れとなって新しい相場が始まると考えられます。もしくはそのまま三角保ち合いを上に抜けて7月19日の14,953円を上回ると5月23日の15,942円を試すパターンとなります。

週明けの5日(月)は薄商いの中で材料乏しく、先週末の2日連続800円の上昇への反動と円高へブレていることで▼147の14,318円で寄り付き、14,243円まで下げて多少反発し、25日移動平均線(14,311円)近辺でもみあうものの、再下落となって前場の安値を切る14,255円まで下げて▼208の14,258円で引けました。この水準から反発して引線の終値で14,486円以下で引けるとろく買が出現して上値を試す可能性が高まります。

日経平均

(指標)NYダウ

先週の予測では、FOMCや7月の雇用統計など経済指標の発表が多く、高値圏での神経質な展開を想定しました。しかし、世界的な金融緩和継続の流れが期待され、NYダウ、S&Pは史上最高値更新となりました。

週半ばまではFOMCを控え、材料にも乏しく小動きとなっていましたが、7月31日(水)のFOMCで「現行の金融緩和政策の維持」を発表し、8月1日(木)には欧州中央銀行も「現行金利を現行の水準かそれ以下に維持する」と発言して世界的な金融緩和の動きを好感し、8月1日(木)のNYダウは△128の15,628ドルと史上最高値を更新しました。週末の2日(金)も△30の15,658ドルと2日連続の史上最高値更新となりました。

今週は、注目すべきイベントを通過し、材料に乏しいものの先行き楽観的な見方が多く、新しい悪材料が出ない限り薄商いの中で高値圏でのもみあいが続くか、もしくはジリ高となりそうです。

NYダウ

(指標)ドル/円

先週の予測では、FOMCの内容次第では、どちらにもブレやすく、又週末に7月雇用統計を控えて神経質な展開になりそうだとし、97~100円を想定しました。

7月31日(水)のFOMCで金融緩和縮小の後退観測から97.59円まで下落して7月雇用統計への期待が高まり99.95円まで反発しました。しかし、農業部門雇用者数が予想を下回ったことでドルが売られ、98.89円で引けました。

今週は、アメリカでは経済指標に乏しく、日銀の7~8日の金融政策決定会合で何らかの追加緩和策が打ち出されるのか注目となります。何もなければ円は底堅い動きになると思われます。98~100円のレンジを想定。

ドル/円