先週は、13,004円の安値をつけて反発

先週は、週末にG20を控え、円安一服で日経平均も13,000円台前半のもみあいを想定しました。中国のGDPの低下から商品相場が急落し、ボストンの爆破テロ事件もあってアメリカ株式が下落し、円安にも一服感が出るなど外部環境に不透明さが増し、16日(火)には一時13,004円までの下落となりました。しかし、13,000円を守ったことで反発となり、その後は値動きの荒い展開となりましたが、週末の19日(金)は、麻生財務相の「G20で日本の金融政策には反論がなかった」というコメントが出たことで△96の13,316円で引けました。週間では168円のマイナスとなり、4週間ぶりの下落となりました。

4月SQ値13,608円を終値で突破すれば一段高だが、上値は重い

今週は、G20で「日本批判」を受けることなく経過し、為替が先週は一時96円を切るドル安・円高となったものの、週末には再び99.69円までの円安が進行しており、1ドル=100円を突破できるかが注目となります。日経平均は、シカゴ先物(CME)で13,600円をつけていました。

為替が1ドル=100円を突破する円安となれば、4月SQ値の13,608円を終値で上回り、一段高の可能性があります。但し、これまでのように日経平均の指数がそのまま上昇していくのは目先的に難しい相場環境となってきています。対外的には高値更新を続けてきたアメリカ株式にトレンドが転換する可能性があるとの見方が出ています。柴田罫線では、NYダウ、ナスダック共に先週短期の売転換出現となっています。国内では大型連休を控え、利益確定を優先させる動きが出てくる可能性があり、週後半から本格化する決算を前に様子見ムードも漂うかもしれません。

但し、下げるところでは外国人買いが待ち受けているため、下値は限定的(今のところ13,000円水準)といえます。日経平均の上昇が一服すると、安倍首相がアメリカに求めた日本版国立衛生研究所の設立からバイオ関連がテーマとなったり、20日(土)にTPP交渉に先行して参加している11カ国が全会一致で日本の参加を承認したことでTPP関連のテーマも出てくることになります。財政投資関連も出遅れており、テーマや材料株の循環物色となる局面も想定されるところです。

本日(4月22日)の日経平均は、△220の13,537円で寄り付くと4月12日の年初来高値13,568円を更新し、一時13,611円と4月SQ値13,608円を上回りましたが、13,600円台には売り物多く、結局は△251の13,568円で引けました。為替も100円を前にもみあいとなっており、今週は、1ドル=100円台のせ、日経平均13,600円のせができるかどうかに注目となります。

(指標)日経平均

先週の予測では、前週末に米財務省が「通貨競争を避けるべき」との要請を日本に出したことで円安が進み、週末(4月18日~19日)のG20までは円高基調が続くことになりそうだとし、下値は13,000~13,200円で13,000円台前半でのもみあいが続くとしました。 週明けの15日(月)は、1ドル=98円台前半での円高を嫌気して▼209の13,275円となりました。引け後のアメリカ市場は商品相場の急落とボストン爆破事件を受けてNYダウは急落していたことで、16日(火)は▼251の13,023円で寄り付くものの13,004円で下げ止まり、13,000円を切らなかったことで押し目買いが入り下げ幅を縮小して▼54の13,221円で引けました。その後は荒い値動きとなりましたが、週末の19日(金)は麻生財務相の「G20で日本の金融政策には反論がなかった」というコメントが出たことで△96の13,316円で引けました。

今週は、先週末の注目されたG20で日本の金融政策が一応容認された形となったことで円安が進んでおり、まず4月SQ値の13,608円を突破できるかどうかとなります。ここを突破すると13,800円水準までの可能性はありますが、週後半から主力企業の決算発表が相次ぎ、又大型連休を控えて利益確定売りが出やすいため、上値は重くなることが想定されます。

週明けの22日(月)は、G20で日本の金融政策が容認され円安進行となったことで△251の13,568円で引けました。一時4月SQ値13,608円を上回る13,611円まで上昇しましたが、終値では突破できませんでした。柴田罫線では13,549円を上回ればろく買出現となるところでしたが、1円足らずとなっています。

日経平均

(指標)NYダウ

先週の予測では、高値圏の動きを想定し、突発的な悪材料が出ない限り下値は限定的としました。結果的には、突発的な悪材料が出で短期の売転換出現となりました。

週明けの15日(月)に中国のGDPが予想を下回ったことで金や原油の商品相場が急落し、さらにボストンマラソン会場で2回の爆破事件が起こり、▼265の14,599ドルの急落となりました。16日(火)は△157の14,756ドルと反発するものの、17日(水)は欧州主要国の格下げ観測や米銀行株の決算が重しとなり▼138の14,618ドル、さらに18日(木)も決算や経済指標が冴えず▼81の14,537ドルとなって短期の売転換が出現しました。週末の19日(金)は△10の14,547ドルの小反発で引けました。

今週は、米主要企業の1-3月期決算がピークを控え、海外収益の減速懸念が浮上しており、不安定な値動きが想定されます。焦点はアップルの下げ止まりですが、先週だけで9%下落となっています。NYダウ、ナスダック共に柴田罫線では短期の売転換が出ており、日柄調整に入っています。

NYダウ

(指標)ドル/円

先週の予測では、前週末の米財務省円安けん制発言や週末にG20を控え、1ドル=100円を前に利益確定のためのドル売り・円買いが入りやすく、レンジを96~100円としました。結局、中国のGDPの低下からの商品相場の急落、ボストン爆破事件、冴えない企業決算と経済指標の悪化からドルが売られ、4月16日には一時95.78円と96円を下回りました。しかし、G20で日本の金融緩和政策がデフレ脱却のためであると認められたことで一気に円安方向の動きとなり、19日(金)の引け値は99.55円となりました。4月11日の高値99.95円を終値で上回れば2009年4月6日の101.2円を試す動きとなります。

G20では最終的に日本の金融緩和政策を容認する形となり、今週は2009年4月以来4年ぶりに100円台のせが期待される展開となるかどうかに注目となります。ただ、G20の結果は予想通りという見方もあり、円を一段と押し下げる力は弱いとの見方もあるようです。

ドル/円