円安ほぼ1ドル=100円に接近し、日経平均一時13,500円台へ

先週は、前週末の4月5日(金)に一時13,000円台を回復し、大引けは△199の12,833円となって終値で12,650円の高値を更新し、目先の上値抵抗ラインである12,671円(2008年11月16日の安値及び2008年9月8日の高値)を突破しました。ただし、この日の日足が「長い上ヒゲ陰線」となったことで、ふつうは目先ピークを暗示するとしたものの、3月21日の12,650円の高値からの短期調整の完了を意味するため、短期間に解消されることになるとしました。

結局、週明けの8日(月)は、予想を超える日銀の金融緩和(黒田サプライズ)評価が海外で続き、ドル/円が98円台への急激な円安進行となって長い上ヒゲを埋め、終値は△358の13,192円となりました。さらに99円台への円安進行となったことで主力の輸出関連株中心に見直し買いとなり、海外での欧米株式の上昇にサポートされ、11日(木)は△261の13,549円の高値引けとなって、2008年7月以来の13,500円台回復となりました。 週末の12日(金)は、4月のSQ清算値は13,608円でしたが、日経平均は△19の13,568円で寄り付いたあと、大幅上昇の反動や週末要因、北朝鮮情勢の不透明さから利益確定売り優勢となって▼64の13,485円で引けました。4月SQ値13,608円を下回る13,485円で引けましたので、目先13,608円が上値抵抗ラインになる可能性があります。

今週は、円安の一服の可能性高く、日経平均も13,000円台のもみあいへ

今週は、12日(金)の終値がSQ値を下回って引け、テクニカル指標は短期の過熱感高く、為替は12日(金)に米財務省から「通貨安競争を避けるべき」との要請が出ており、18日(木)~19日(金)の新興国からの円安批判が出ると為替の円高方向への動きが続くことになります。又、4月下旬から本格化する決算シーズンを前に手控えムードが台頭する可能性もあります。円安のデメリットの面も徐々に表面化(燃料、素材コスト)してきています。

ここで考えなければならないことは、11月中旬から現在まで約6カ月間で60%近い上昇となっており、どこかで大きな調整が出てきてもおかしくないということです。今週は、とりあえず円高基調となってきたことで13,000~13,200円を下値ゾーンとしていますが、NYダウのいったんの下落やG20での円安批判などがあって円高方向へ振れるようだと、それをきっかけに外国人投資家の利益確定売りが出る可能性もあります。外国人は大きく下げさせて再び安いところから買っていこうと考えるからです。

すでに積極的に買っていく局面ではなく、利益確定して調整を待つというスタンスが相場を引っ張ってきた主力株についてはいえます。今あえて買うとすれば、出遅れ、テーマを持つ材料株の押し目買いとなります。

日経平均が調整をせず、さらに14,000円を試す場合は、週末のG20で黒田日銀総裁が円安批判を乗り切って、再度円安が進行して100円を突破する場合です。そうなると、日経平均は先週末の4月SQ値13,608円を突破して、14,000円に向かう形となるでしょう。需給関係のカギを握る外国人買いの買い越しは続いていますので、再び、不動産、銀行、証券株、主力の輸出株が買い直されることになります。逆に、13,608円を早い段階で突破できなければ、ここが目先の上値抵抗ラインとなって、日柄調整もしくは値幅調整となる可能性が高くなります。

本日15日(月)は、為替が98円台半ばまでの円高となっていたことで▼139の13,345円で寄り付き、その後も中国の1-3月期GDPが予想を下回ったことや為替がさらに97円台半ばまで進むと一段安となって▼209の13,275円で引けました。

(指標)日経平均

先週の予測では、前週末の4月5日(金)に日足で長い上ヒゲ陰線となったことで、終値で13,000円にのせることができるかどうかに注目としていました。ただし、円安の追い風が続けば13,000円をすぐに回復する可能性はあるとしました。

結局、円安進行が続いたことで、週明けの8日(月)は△358の13,192円とすぐに上ヒゲを埋める形となりました。その後も円安進行は止まらず、100円接近となったことで、11日(木)には△261の13,549円の高値引けとなり、2008年7月以来の13,500円台回復となりました。週末の12日(金)は高値警戒感や北朝鮮問題から利益確定売り優勢となって▼64の13,485円で引けました。4月SQ値は13,608円でしたので、終値はこれを下回って引けたため、13,608円を早めに超えることができなければ、ここが目先の上値抵抗ラインとなります。

今週は、先週末12日(金)に為替がほぼ100円に接近してから、米財務省の「通貨安競争を避けるべき」との日本への要請から98円台の半ばまで円高に振れました。18日(木)~19日(金)にG20も開かれますので、円の一服が続くことになりそうですので、日経平均も13,000円台でのもみあいとなりそうです。テクニカル的にも短期の過熱感が出ており、先週末の4月SQ値は13,608円となって日経平均の終値は13,485円と大きく下回っています。相場の先高感は強いものの、今週は利益確定優先の動きとなりそうです。下値は北朝鮮問題などが悪化しない限り13,000~13,200円というところです。

15日(月)は、為替市場でNY市場の流れから1ドル=98円台の円高進行となり、さらに97円台まで円高が進行したことで▼209の13,275円の大幅続落となりました。

日経平均

(指標)NYダウ

先週の予測では、決算発表や10日のFOMC議事録の発表が注目となり、最高値圏での一進一退の動きになるとしました。

結果的には、好調な企業決算や今後発表される決算への期待から最高値を更新する動きとなり、10日のFOMC議事録公開でも、目先の量的緩和縮小のリスクは少ないとの見方で、4日続伸の14,865ドルの史上最高値更新となりました。週末の12日(金)は、金融株の決算や3月小売売上高が予想を下回り、▼0.08の14865ドルでした。

今週も、基本的には高値圏での値動きが想定され、これから発表される金融やIT関連などの主要企業の決算が予想を上回ればさらに史上最高値を更新する可能性があります。日本の大胆な金融緩和でカネ余りへの期待が高まり、FRBの超金融緩和も目先は継続することで、株式市場に資金が流入しており、下げても突発的な悪材料が出ない限り、下値は限定的と考えられます。

NYダウ

(指標)ドル/円

中長期トレンド分析「チャート1」(値幅を1円単位)

ドル/円を柴田罫線の中長期トレンドでみると、2008年8月15日の110.05円をドルの高値に下降トレンドを形成し、2011年10月31日の75.6円で底打ちとなりました。ここから2012年2月1日の76.1円、9月13日の77.1円と順上げの3点底を作って、10月19日に79.4円でドルの買転換が出現し、11月15日の80.9円で中長期の下降トレンドを上放れする形となりました。

今年になって、2月11日に94.45円まで上昇したあと、2月26日に91.8円で短期の売転換となってすぐに反発し、3月8日に95.4円で再度のドルの買転換(円の売転換)となって押し目を入れながらドル高(円安)が進み、4月11日にはザラ場で99.95円まで上昇しましたが、4月12日は米財務省の「通貨安競争を避けるべき」との日本への要請から98.4円で引けました。

中長期トレンドでみると、2009年4月6日の101.2円を試す動きとなっていますが、100円水準でもみあったあとこの101.2円を突破すると、2008年8月15日の110.05円が次のドルの上値目標(円安目標)となります。ここはリーマンショック前の円の水準ですが、ここをさらに突破すると2007年のサブプライムローン問題が起こったときのドルの高値(円の安値)6月18日の123.6円があります。為替は政治的要因もからむのでここまでは無理でしょうが、中長期的にはチャートからみると、110円の円安の可能性は考えられます。4月12日には米財務省の「通貨安競争を避けるべき」との日本への要請から円高に振れていますが、急ピッチな円安に対する懸念は当然のことです。しかし、中長期的には、アメリカはシェール革命で経済が改善されていく可能性があり、雇用も改善されてくるとアメリカの経済回復が着実なものとなり、ドル買いの結果として円安方向の流れが続くものと思われます。但し、当面は100円は心理的なフシですので、ここを突破しても2009年4月6日の101.2円が上値抵抗ラインとなります。

ドル/円