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高値警戒感の中で、欧州債務問題の再燃でスピード調整も-先週の目先の上値抵抗とした12,500円台でいったんのピーク-
出島 昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。 「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析、また今後の見通しなど幅広い情報提供をおこなってまいりま…

高値警戒感の中で、欧州債務問題の再燃でスピード調整も-先週の目先の上値抵抗とした12,500円台でいったんのピーク-

2013/3/19
先週末は、NYダウの8営業日連続の最高値更新を受けて4年半ぶりの12,500円台
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先週末は、NYダウの8営業日連続の最高値更新を受けて4年半ぶりの12,500円台

先週の予測では、日本市場は円安で輸出関連株が買われ、円安が一服すると為替に影響されにくいアベノミクス関連の不動産・倉庫などの含み資産の内需株中心に買われ、相場全体の厚みを増していることで下値不安は少ないものの、短期的には高値警戒感から利益確定売りは出やすく、目先はNYダウと為替次第としました。下値は、チャートでは3月SQ値の12,072円をみておくとよく、上値では、目先12,500円もしくは12,600円台としていました。

結果的に、15日(金)には前日までNYダウが10日連騰で8営業日連続の最高値更新となったことで、日経平均は△179の12,560円と約4年半ぶりに12,500円台を回復して引けました。

先週は、8日(金)の雇用統計の大幅改善(非農業部門雇用者数は予想の16万人を大きく上回る23万6,000人、失業率は約4年ぶりの7.7%の低水準)を受けてNYダウは順調に上値を追う動きとなり、注目の小売売上高や新規失業保険申請件数などの経済指標も改善が続いたことで、14日(木)にはNYダウは10日連騰の△83の14,539ドルで引けました。日経平均は円安一服から利益確定売りに押され、12日(火)は▼34の12,314円、13日(水)は▼75の12,239円と下げる場面がありましたが、下値堅く、NYダウの14,500ドル乗せと共に、15日(金)は12,500円を回復して引けました。

押しが浅い原動力は外国人投資家の積極的な買い

多少の下落を待ってもすぐに押し目買いが入って切り返し、「押し目待ちに押し目なし」の状況が続いています。株価効果でテレビの雑感のニュースでは、地価が上がり出す予兆が出ているとか、百貨店で高額品が売れ出したとかの話題が出ていますが、日本人の投資家が現在の相場で本当に儲けているのかとなると、それはごく一部の人のことに過ぎないでしょう。

なぜならば、この株高を演出しているのは外国人投資家だからです。日本人はまだこの上昇に半信半疑であり、機関投資家も個人投資家も積極的に乗り出しているわけではありません。日経新聞によると、14日(木)発表の投資主体制売買動向で3月第1週(3月4日~8日)に、外国人投資家は、1週間で1兆172億円と大幅な買い越しを行いました。17週連続の買い越しとなります。どれくらいすごいかというと、過去3カ月の月別の買い越しが12月(1兆5,448億円)、1月(1兆2,379億円)、2月(8,542億円)ですので、1週間で1カ月に匹敵する買い越しを行っています。しかし、この週の国内の個人・証券会社・機関投資家は売り越しとなっています。

日本人の売りを外国人がせっせと買っているわけです。バブルの頃はそうですが、まず外国人投資家が買い、そしてある程度上昇してきたところで個人投資家が買い、相場のピークで国内の機関投資家が買って高値掴みをして相場がいったん終わるということを繰り返していました。今回も同じなのかもしれません。

高値警戒感の中で欧州債務問題が再燃し、円高へ振れる

今週は、利益確定売りと押し目買いで高値警戒感の中でのもみあいとなりそうです。20日に日銀新体制が発足したあとの早い段階で、臨時の日銀金融政策決定会合が開催される可能性があるため、一段の金融緩和政策期待が継続することになりそうです。需給からいうと、国内機関投資家の決算対策売りはピークを超えて売り圧力が低下し、海外投資家による資金流入が相場を押し上げることになります。又、商社や薬品などは依然として3%を超える利回りがあるため、期末接近で配当狙いの買いも考えられます。

不安材料があるとすれば、19~20日のFOMCで出口戦略に対する発言があれば波乱要因となり、イタリアの政局も為替(ユーロ・円)では気になるところです。又、テクニカル的には短期の過熱感も高まっており、25日移動平均線などは過去にも例がないような水準となっています。「不安がないのが不安」といわれるような相場状況ですが、過去にはこういうときに突然の悪材料が出る場合もありましたので、高値圏での買いは注意が必要です。高値圏での上昇について売買する時は、最終の1勝負は必ず負けることになることは頭の中に入れておく必要があります。

本日は、昨日ユーロ圏財務相がキプロスへの支援策の発表で欧州債務懸念が生じ、為替がリスク回避の円買いとなって円高方向となり、先週末の大幅高の反動もあって、日経平均は▼340の12,220円の大幅下落となりました。債務危機に陥ったキプロスへの支援が銀行預金者へ課徴金負担を求めるというほとんど前例のない策だったことで、欧州債務不安の再燃になるのではないかという不安からドルが急落して円高に振れ、日経平均は大幅下落となっています。今晩の欧米市場の動向に注目ということになります。

今後のピーク後の下落の一般的なシナリオ…目先はスピード調整の可能性も

すでに昨年の11月14日に野田前首相が解散宣言をして株式相場がスタートしましたが、先週末の12,560円の終値時点で44%の上昇となっています。どこでピークを打つのかわかりませんが、いったんの大きな調整となる場合は1,000円近く下げてもおかしくありません(多分、参議院選挙後になるでしょうが)。その場合は、為替がいったん円高へ大きくブレることが前提となるでしょう。このまま1ドル=100円までいくという見方が多い反面、テクニカル分析の見方からはいったん85円ぐらいまで円高(ドルの2番底)となる可能性も指摘されています。

当面の下値メドは、本日は終値12,220円となり、5日移動平均線(3月18日時点12,358円)を切りましたので、次は10日移動平均線(3月18日時点12,201円)となります。ここを切ると12,000円(大台のフシと2月SQ値12,072円)となります。どこまでかはキプロスの預金課徴金が欧州債務問題の再燃となるのかどうか、為替の円高がさらに進むのかにかかっています。

(指標)日経平均

先週の予測では、円安進行が維持されれば心理的フシの12,500円もしくは12,600円台を試す可能性があるとしました。下げても3月SQ値12,072円が下値抵抗ラインになるともしました。結局、円安一服の局面で13日(水)には12,234円まで下げましたが、NYダウの最高値更新が続いていることや日銀総裁人事が衆参両議院で承認されると早期の追加の金融緩和期待から14日(木)には△141の12,381円と大幅反発となり、さらに15日(金)はNYダウの10連騰と8日連続の最高値更新を受けて△179の12,560円と4年半ぶりに12,500円台を回復しました。

チャートをみると、2008年7月16日の12,671円の安値、2008年9月8日の12,671円の高値があり、この12,671円が目先の抵抗ラインの1つとなるところですが、ここを突破すると13,000円が意識されてくることになります。黒田新体制の下での金融政策期待から円安基調は続き、アベノミクスの前進から先高期待は強いところですが、短期的な過熱感も高まっており、円安が止まるなどのマイナス材料が出ると利益確定売りで下げる場面も考えられます。週明けの18日(月)は、キプロスへの預金課税問題を巡る懸念からドルが急落し94円台の円高となったことで主力の輸出関連株中心に大幅下落となり、▼340の12,220円で引けました。これまで下値となっていた5日移動平均線(3月18日時点12,358円)を大きく下回り、10日移動平均線(3月18日時点12,201円)に接近しています。ここを切ると12,000円(2月SQ値12,072円)がありますが、その下は25日移動平均線(3月18日時点11,727円)となります。

日経平均

(指標)NYダウ

先週の予測では、引き続きNYダウの最高値更新がどこまで続くかが焦点となり、そのために12日(火)の小売売上高や14日(木)の新規失業保険申請件数に注目としました。これらの経済指標は共に予想を上回ったことで、14日(木)までは8営業日連続の最高値更新となり、△83の14,539ドルとなりました。しかし、週末の15日(金)は、利益確定売りに押され▼25の14,514ドルと反落しました。週間では△117ドルとなり、4週連続の上昇となっています。

今週は、3月からの一本調子の上昇で利益確定売りの警戒ムードがくすぶる中、19~20日にFOMCが開催されますが、この中で量的緩和の縮小や早期停止の観測が再燃するといったん下落の可能性もあります。そうでなければアメリカの景気回復期待は続き、最高値圏での動きが続くことになりそうです。17日(日)にキプロスの預金課税問題を巡る懸念からドルが急落していますので、19日(月)のNYダウの動きに注目となります。

NYダウ

(指標)ドル/円

先週の予測では、NYダウが高値更新を続けている間は、アメリカの景気回復期待からドルが買われて円が売られる地合いが強まるとし、94~97円のレンジを想定しました。結局、NYダウは14日(木)まで10連騰と8営業日連続の最高値更新となったことで、ドルは下値は95円台、上値は96円台前半の動きとなっていました。週末の15日(金)は個別株、指数先物、オプションの決算日を迎え、需給主導の動きとなってNYダウは▼25の14,514ドルと11日ぶりに反落し、ドル/円も95.08円から96.71円までの荒い動きとなって、95.25円で引けました。

今週は、神経質な展開で一方向に動きにくいところ。19~20日のFOMCで出口戦略で量的緩和の縮小や早期解除に関する協議の内容次第では、ドル売り・円買い。同じく、イタリアの政局に対する懸念では円買い材料となります。一方で、20日(水)の日銀新体制後の25日(月)の週に、臨時の日銀金融政策決定会合への開催の予定から期待先行でドル買い・円売りが高まってくることになりそうです。17日(日)にキプロスの預金課税問題を巡る懸念からドルが94円台へ急落していますので、今週の動きに注目となります。

ドル/円

 

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