今週は、5日移動平均線を下回り、12月28日の10,433円までの窓埋めのあと急反発

先週の予測では、スピード調整があってもおかしくないとし、5日移動平均線(1月7日時点10,480円)水準から下は買い下がってよいとしました。7日(月)は▼89の10,599円、8日(火)は▼90の10,508円と2日続落となり、9日(水)はアメリカ株安と円安一服もあって▼102の10,405円で寄り付き10,398円の安値をつけましたが、日銀による国債の買いオペの実施が通告されると86円台から87円台半ばの円安進行となったことで切り返し、後場になると21~22日(火)の日銀金融政策決定会合で2%の物価目標を設定するという観測から△70の10,578円で引けました。

10日(木)は、さらに1ドル=88円台までの円安が進行したことで△74の10,652円と続伸し、週末の11日(金)はECB理事会で政策金利を据え置いたことでユーロが急騰し、1年8カ月ぶりの1ドル=118円台の円安進行となり、対ドルでも89円台の円安となったことで主力の輸出関連株がさらに買われ、△148の10,801円と1年10カ月ぶりの10,800円台回復となりました。1月SQ値は10,771円となりましたが、終値ではこのSQ値を上回り、翌週も堅調さが期待されます。

今週は、21~22日(火)の日銀金融政策決定会合が下支え。その後は材料出尽くしの可能性も

今週は、不安材料といえばアメリカで金融機関の決算発表が相次ぐことから、決算内容によっては一時的なNYダウの下落、為替のドル売りとなってこれをきっかけに日経平均が下ブレすることも考えられますが、その場合は買いチャンスともいえます。

全体的に言えば、投資家が売買の尺度とするVIX指数(恐怖指数)はリーマンショック以降の最低水準(13P半ば)となって買い安心感を与え、欧州の債務問題もいったん落ち着き、中国にも景気底入れ気運が出ており、不安心理は後退しているところです。

また、来週の21~22日(火)に日銀の金融政策決定会合で物価目標2%と金融緩和策が出ることが想定されていますので、今週は日銀への期待が下支えとなり、下げても下値は限定的といえます。日銀の会合での内容が想定以上のものであれば一段の円安も考えられますが、報道で発表されている内容のものであればいったん材料出尽くしとなって円安一服となる可能性があります。そうなると11,000円という目先の上値目標にほぼ接近した日経平均もいったん下落を想定しておくところです。

本日は、前場は海外で一段の円安(ドル/円で89円台半ば、ユーロ/円で1年5カ月ぶりの120円台)となったことで△113の10,913円と2011年の東日本大震災前の高値2月17日の10,891円を上回って寄り付き、10,952円まで上昇しました。しかし、昼休み中に甘利経済再生担当相が「過度の円安は国民生活に悪影響を与える」と発言したことで10,900円を割り込む動きとなり、終値は△77の10,879円でした。あまりにも急激な円安に対して政治家のコメントが出てきましたので、そろそろ円安一服も考えておくところです。円安一服になるということは、日経平均は円安を材料に上昇してきましたので、日経平均も一服するということになります。

騰落レシオや乖離率は先週初めに少し低下していましたが、週後半の上昇で再び過熱状態となっていますので、何かきっかけ次第で下落するところです。今回は高値づかみしても、本格上昇のシナリオではまだスタート段階ですので、保有していればいずれ買い値を上回ってきますが、その間のヤキモキした心理状態や物色が変わった時には戻るまでに時間がかかりますので、無駄な資金の使い方となります。

(指標)日経平均

先週は、スピード調整あれば押し目買いとし、一段の円安(89円台)になると震災前の高値2月17日の10,891円を試す動きになるとしました。週末はSQに絡んだ売りや円安一服で1月7日(月)、8日(火)と2日続落のあと、9日(水)は10,398円まで下げ、しかし「日銀が物価目標2%へ」の報道を受け急反発となって△70の10,578円となりました。週末の11日(金)は1ドル=89円をつけたことで10,830円まで上昇し、△148の10,801円と1年10カ月ぶりの10,800円台で引けました。

先週末は、大規模な緊急経済対策が決まったこともあり、10,801円で引けましたが、さらに円が一段安(90円台)となるようなら2月17日の10,891円を上回って11,000円を試す動きも想定されますが、この水準ではいったん反落する可能性も考えていく方がよいでしょう。

連休明けの15日(火)は、海外で一段の円安進行となっていたことで前場は△113の10,914円で寄り付き10,952円まで上昇、後場になると甘利経済再生担当相の円安の行き過ぎ発言から円安が一服して上げ幅を縮小し、△77の10,879円で引けました。

日経平均

(指標)NYダウ

先週の予測としては、11月16日の12,471ドルの安値から、昨年高値の10月5日の13,661ドルを目指す形となっているものの、目先は12年10-12月期の決算発表に注目が移り、又、米経済を支える量的緩和がいつまで続くのかの金融政策の見通しに相場が左右される可能性もあり、13,500ドル水準でのもみあいを想定しました。

結果的には、1月9日(水)の13,293ドルを安値とし11日(金)の13,496ドルを高値とする上下200ドル幅のもみあいとなりました。

今週は主要金融機関の2012年10-12月期の決算発表が目白押しで、発表をにらみながら一進一退の動きとなりそうです。その他の要因として、昨年12月の小売売上高、鉱工業生産などの経済指標や14日(月)のバーナンキ議長講演も注目となります。

NYダウ

(指標)ドル/円

2008年8月15日のドルの高値110.5円からの下降トレンド(A)の中で、この年の12月18日に87.3円の安値をつけ、直角三角形の保ち合いを形成。この保ち合いを下放れし、2011年10月31日の75.6円まで下落。ここを安値に底値圏でのもみあいとなり、2012年2月1日の76.1円、9月13日の77.1円と順上げの三点底(逆三尊)となって、10月19日に79.4円で買転換出現。ここから自民党の圧倒的勝利と安倍首相のデフレ対策のための金融緩和への期待が高まり、2008年8月15日の110.5円からの下降トレンド(A)を一気に抜け出し、2011年4月6日の85.5円を突破し、1月11日(金)は89円台を回復。90円水準はもみあうところですが、ここを突破すると大きな上値のフシは95円水準となってきます。

ドル/円