先週は、日経平均は25日移動平均線を終値で回復できず、週末は一段安

先週の3連休明けの17日(火)の予測では、アメリカ企業の業績懸念や中国経済への懸念で上値重く、9000円を早く回復できなければ目先の上値抵抗ラインになってしまうとしました。 しかし、前週の12日(木)に▼130の8720円と25日移動平均線を切っており、まずはこの25日移動平均線(8800円水準)を回復できるかどうかが注目となりました。

週前半から中盤のNYダウが好決算を背景に堅調な動きとなって13000ドルに接近したにもかかわらず、世界景気の減速懸念と為替の円高基調から日経平均は上値重く、19日(木)に一時8835円と25日移動平均線を上回る場面もありましたが、大引けでは△68の8795円となりました。出来高が1兆円を超えない薄商いが続いており、上値を追える状況ではありません。 この日トピックスが10日ぶりの反発となりました。ただし、9日続落の割りには、下落率は▼5.5%と大した調整とはなっていません。言えることは、トピックスは時価総額のベースで計算されるため、時価総額の大きい大型株の影響を受けますので、トピックスが下がり続けたということは大型株が不振(円高の影響で輸出関連の主力株の不振)であることを示しています。

週末の20日(金)は、手掛かり材料がない中、1ヶ月ぶりの円高水準となっており、円の先高感を嫌気して▼125の8669円で引けました。そして、引け後の海外市場では、スペインの国債利回りが上昇し、再び欧州債務問題が再燃し、ユーロが全面安となったことで、NYダウは▼120の12822ドルとなりました。対円でユーロが95.35円と2000年11月以来、11年8ヶ月ぶりのユーロ安・円高となっていました。

今週は、日米の本格化する決算とユーロ安からの円高基調を受け下値模索へ

今週は、外部環境では、欧州債務問題の再燃からの円高基調とアメリカの決算の内容にかかっており、これらが悪化すれば薄商いの日本市場はそのまま下値を探る展開となる可能性があります。

日本市場も今週は主力企業の決算発表が相次ぎますが、多少決算が良くても相場全体が上昇する状況にはなりにくいと思われます。先週末に柴田罫線では、トピックスが売転換出現となっており、本日は、日経平均は一段安となってきました。スペインの国債利回りが再び7%台のせとなり、欧州債務問題が再燃してきました。対ユーロで約12年ぶりの円高となっており、1ユーロ94円台になってきました。ハイテク株中心に売られ、▼161の8508円で引けました。

今のところ、日経平均の下落基調が止まって反発するには、予想外の好決算やFRBのQE3の具体化でNYダウが13000ドルを突破するような動きとなるか、円高が一服して円安基調になるかぐらいしかありませんが、可能性は少ないといえます。

今回の下落は、日本を除くと欧米はほとんど下がっていません。ということは、欧米市場が下落に転じれば日本市場も連動しますので、先週の19日(木)のシナリオである日経平均が6月4日の8238円の安値に対するダブル底というシナリオ以上の下げの可能性が出てくることになります。中途半端なところでは買わず、大きな下げとなるのを待つスタンスがますます重要となります。

(指標)日経平均

先週の予測では、為替が円高基調のままなので、アメリカの決算が良くても戻りは限定的で、再度下値模索になってくるとしました。3連休明けの日本市場は、円高基調や世界の経済の景気減速への懸念から上値重く、25日移動平均線のある8800円水準を終値で超えることができない状況が続きました。特に、トピックスは7月18日(水)には3年ぶりの9日連続安となりました。週末の20日(金)は、▼125の8669円と大幅安で引けました。終値では、1ヶ月ぶりの8700円割れとなります。

今週は、日米企業の4~6月期の決算が本格化する中、先週末はスペインの国債利回りが上昇し欧州債務問題が再燃して、円高が進行しているのが重荷となりそうです。企業の好決算があっても、売買代金が1兆円を超えない状況では全体の相場の上昇には波及せず、悪材料が出ると下値模索になりやすいといえます。まずは、6月8日の8427円を守れるかどうかをみるところです。23日(月)は、欧州債務問題が再燃しユーロが全面安となって、円はユーロに対して約13年ぶりの円高となり、これを嫌気して輸出関連株が売られ、▼161の8508円となりました。

日経平均

(指標)NYダウ

先週は、本格化する企業決算とバーナンキ議長の議会証言での金融緩和の方向に左右されるとしました。

バーナンキ議長の発言から9月のFOMCで追加の金融緩和が実施される期待から相場がサポートされ、IT関連の決算が好調で、NYダウは19日(木)には12977ドルと13000ドルに接近する上昇となりました。しかし、週末の20日(金)は、スペインの国債利回りが上昇し欧州債務問題が再燃したことで、▼120の12822ドルと大幅反落して引けました。

今週は、引き続きピークとなる決算が焦点となります。その中で、24日のアップルの決算が注目となりますが、サプライズ的な内容でない限り、NYダウの上昇にはつながらないと思われます。GDPなどの経済指標の悪化が鮮明になれば欧州債務問題も再燃してきていますので、上値が重い展開が想定されます。柴田罫線では、目先は7月11日の終値12604ドルを守れるかどうかとなります。

NYダウ

(指標)ドル/円

先週の予測では、バーナンキ議長の議会証言から追加の金融緩和期待が高まり、欧州債務不安から円高基調になるとしました。

結局、バーナンキ議長の議会証言では、9月のFOMCでのQE3期待が高まり、欧州不安からユーロが売られ、特に週末の20日(金)にはスペインやギリシャの債務問題再燃で、1ユーロ=95.35円と2000年11月以来約11年8ヶ月ぶりのユーロ安となりました。円はドルに対しても円高基調となり、78.51円で引けました。

今週は、ユーロに下落圧力がかかり、FRBでの追加の金融緩和もくすぶっているので円高基調はあるものの、日本の貿易赤字の拡大で円が売られる要因もあるため、もみあいに入りそうです。チャートをみると、79.5~80円のもみあいの下放れとなっていますので、78~79円でのもみあいが想定されます。

ドル/円