8日(金)のスペイン救済は日米ともに1日の上昇で終わり、先週はもみあいに終始

8日(金)のスペイン銀行救済のための1,000億ユーロの合意も、11日(月)の△165の8,624円の大幅上昇のあと支援規模が不十分との見方が広がり、たった1日の上昇で終わりました。上昇の反動で12日(火)は8,452円まで下落し、▼88の8,536円となりました。その後は11日(月)の8,665円を高値、12日(火)の8,452円を安値とする中でのもみあいとなって15日(金)は8,569円で引けました。

週後半NYダウは経済指標が悪化するものの、このことが19~20日のFOMCでの追加の金融緩和期待をうみ出し、又ギリシャ再選挙の結果に備えて各中央銀行による協調的な流動性供給が行われるということから14日(木)は△155の12,651ドルと1カ月ぶりの高値をつけ、15日(金)には△115の12,767ドルの大幅続伸となりました。NYダウのチャート分析で、12日(火)に△162の12,573ドルで買転換出現となっており、ダマシの可能性もありましたが、ギリシャ再選挙の結果はどうであろうと織り込んでいるようにもみえました。15日(金)はナスダックも△36の2872Pとなって買転換が出現したことでギリシャ再選挙後は悪材料出尽くしの可能性も考えられます。

日経平均の上値のメドは下げ幅の1/3戻しとなるかどうか?

注目のギリシャの再選挙は緊縮財政策を支持する新民主主義党が勝利を収めたことでギリシャのユーロ圏離脱問題はいったん後退しました。NYダウの先週の買転換は新民主主義党の勝利を予測していたものと思われます。但し、これによってスペインの不良債権問題も過度な反応が緩和するかもしれませんが、目先は欧州債務問題も一服して、ユーロが戻りを試すことになりそうです。一段の上昇を試すには20カ国・地域首脳会議(G20)やFOMCを見極める必要があります。アメリカ経済は、景気指標の悪化が続いており、FOMCの追加の金融緩和期待で株価が上昇している側面もありますので、FOMCで何も出なければ失望売りとなってくると思われます。

上述したように、再選挙は新民主党が第1党となり、単独過半数には届かなかったものの連立政権樹立の可能性が高まったことで欧州金融システム不安はいったん後退し、ユーロが買い戻される動きとなりました。

これを受けて、本日の日経平均は△154の8,723円で寄り付き8,766円まで上昇するものの、その後は高値圏でのこう着状態となり△151の8,721円で引けました。柴田罫線では、あと3円の終値での伸びが足らず買転換出現とはなっていません。買転換が出現すれば、3月27日の10,255円の高値から6月4日の8,238円までの下げ幅の1/3戻しが8,910円ですので、ここを目指すことが想定されるところです。その前に8,800円がフシとなっていますので、これを抜けるかどうかとなります。今週はG20やFOMCなどの大きなイベントがありますので好材料が出ると8,900円を目指すことが想定されます。

(指標)日経平均

先週は、週初めはスペイン銀行への支援ニュースで△165の8,624円となるものの、翌日は支援規模が小さいとして▼88の8,536円と反落しました。その後は17日(日)のギリシャ再選挙の様子見からもみあいとなって15日(金)は△0.4の8,569円で引けました。NYダウが12日(火)、ナスダックが15日(金)に買転換となりましたので、ギリシャ再選挙の好結果を予想することになっていました。

注目のギリシャ再選挙は、財政緊縮派の新民主党が第1党となったことでユーロ圏離脱問題が後退し、ユーロが買い戻されたことで日経平均は主力の輸出関連株中心に買い戻され、18日(月)は△151の8,721円となりました。大きく下がった後の戻しは、「1/3戻し」とすると8,900円水準が一つ目の上値ポイントとなります。あと3円以上の終値で買転換出現となります。

日経平均

(指標)NYダウ

先週の週初めは、スペイン銀行への1,000億ユーロ支援がスペイン財政の悪化につながるとの見方から下げる場面もありましたが、12日(火)には楽観的な見方から△162の1,253ドルとなって買転換が出現しました。その後はギリシャ問題に対しても主な中央銀行が市場安定策で連携するとの期待やFOMCでの追加の金融緩和策の期待から週末の15日(金)は△115の12,767ドルと2日連続の大幅上昇となりました。

今週は、ギリシャの再選挙を受けてどうなるかということとFOMCでの追加の金融緩和がどうなるのかに注目となります。柴田罫線では12,800ドルからは上値が重くなるところですので、6月8日の12,398ドルを切らなければ高値圏でのもみあい相場となると考えられます。

NYダウ

(指標)ドル/円

先週は、スペインの銀行の資本不足に対する具体的な方策が打ち出されてくればユーロを買い戻す動きが広がり、78.5~80.5円のレンジの中で戻りを試す動きを想定しました。前週末はスペイン銀行への1,000億ユーロの資本増強のニュースから80円に接近する円安となりましたが、先週はスペインへの支援規模が不十分との見方からスペイン国債が急騰し、ユーロ売りとなってリスク回避の円高となり、さらにアメリカの経済指標の悪化から追加の金融緩和期待が高まり、日米金利差縮小の思惑からドル売り・円買いとなって週末の6月15日(金)は78.62円まで円高が進みました。

今週は、ギリシャの再選挙の結果を受けた欧州情勢や米国の金融政策を巡って神経質な展開になりそうです。状況次第で78~80円の間の大きなブレが出る可能性もあります。

ドル/円