先週末11日(金)は2月13日以来の9,000円割れで引ける

先週は、下値模索となるが買いゾーンに突入としました。ただし、ギリシャの政局混乱による欧州債務問題の不透明さが強まり、反発のキッカケがつかめない状況となりました。

5月4日(金)は、4月米雇用統計が予想を大きく下回り、また、フランス大統領選でサルコジ大統領が敗れたことやギリシャで与党が過半数を確保できなかったことから欧州政治的リスクが高まり、NYダウは▼168の13,038ドルで引けました。連休明け7日(月)の日経平均は▼261の9,119円と昨年8月5日以来の下げ幅となりました。8日(火)は小反発するものの、ギリシャで第2党となった急進左派連合の党首がユーロ圏離脱の可能性について言及し、組閣失敗で来月にも再選挙が実施される可能性が高まるなど、欧州政治的リスクが嫌気されて、NYダウは9日(水)に12,835ドルで売転換が出現しました。日経平均も週末11日(金) まで3日続落となり、8,953円と終値で2月13日以来の9,000円割れとなりました。

ギリシャの政治的リスクからの不透明感強い

今週は、ギリシャの政局などの外部環境を横目で見ながら、9,000円を挟んだ一進一退の動きとなりそうです。総選挙で与党が過半数を取れず混乱が続くギリシャでは、連立による組閣の試みがなされていますが、尽く失敗して来月10日(もしくは17日)に再選挙の可能性が出てきています。そうなった場合に急進左派連合が勝って政権を取ると、財政緊縮策に反対することで国民の支持を得ているため、欧州連合などの金融支援が停止してギリシャが完全に財政破綻し、欧州債務危機が再燃する懸念があります。これがどうなるか確認できなければ、株式市場は動けないということになります。

一方、日本市場をみると、ファンダメンタルズ、テクニカルとも底値圏にあり、反発は外部環境の落ち着きを待つ状況です。2012年3月期決算も、主力株の発表はほとんど終わり、どちらかというと今後が不透明なことから保守的な決算が多くみられたという観測があるため、決算内容を吟味して好決算銘柄を買う動きが出てくることになります。先週末の時点で、東証1部の連結PER14倍台、PBR0.96倍と割安な水準にあり、騰落レシオが66.5%と売られ過ぎのゾーンに入っています。ただし、今は反発しても長続きせず、当面は8,800~9,500円のボックスの動きとなる可能性が高いといえます。ギリシャの政局が落ち着けば(連立内閣が誕生すれば)反発し、再選挙となれば、その結果が出るまで不透明感が続くことになり、世界株式も一進一退となります。

本日は、12日(土)に中国人民銀行が、18日(金)から預金準備率を0.5%引き下げると発表したことを好感して8,986円で寄付き、9,031円まで上昇するもののすぐに反落し、前引けは▼0.6の8,952円でした。後場は、11日の終値8,953円近辺を安値に40円ほどのもみあいに終始し、△20の8,973円で引けました。好業績の大型株が買われて中小型株が売られるという展開でした。出来高も16.5億株と薄商い。個別株が上昇する場面があっても売られ過ぎからのリバウンドとなっており、現時点では単なる上下動の可能性が高く、買えば高値掴みとなるので要注意といえます。

(指標)日経平均

先週は下値模索となるが、買いゾーンに突入してきているとしました。週始めは、欧州政治的リスクや米雇用統計への失望からNYダウが大きく下落したことで、▼261の9,119円と今年最大の下げ幅となりました。翌8日(火)は小反発するものの、ギリシャの政局不安やスペインの金融不安から3日続落となり、週末11日(金)は▼56の8,953円と終値で2月13日以来の9,000円割れとなりました。今週はギリシャの政局混乱を受けて9,000円を挟んで一進一退の動きが想定されます。悪材料が出て一段安の8,800円水準あれば、目先反発に転じる可能性があります。本日14日(月)は、先週末12日(土)に中国人民銀行が預金準備率を0.5%引き下げると発表したことを好感して8,986円で寄付き、9,031円まで上昇するもののすぐに反落しました。後場は11日の終値8,953円近辺を安値に40円ほどのもみあいに終始し、△20の8,973円で引けました。

日経平均

(指標)NYダウ

先週は、フランス大統領選とギリシャの総選挙の結果を受けて不安定な相場展開となるとしました。ギリシャで第2党となった急進左派連合の党首が、ユーロ圏離脱の可能性について言及したことで、欧州政治的リスクが高まり、また、スペインの金融不安もあって、欧米株式は軟調な展開となりました。NYダウは5月9日(水)に12,748ドルまで下げて▼97の12,835ドルで短期の売転換が出現し、週末11日(金)は12820ドルで引けました。

チャートをみると、4月2日の13,297ドル、5月1日の13,338ドルと二山形成して短期の売転換出現となっており、4月10日の12,710ドルを切ると一段安となって調整が長引くことになります。今週は4月10日の12,710ドルを守れるかどうか注目するところです。ギリシャの政局混乱による欧州債務問題再燃への警戒感と金融大手JPモルガンの巨額損失が、金融株への下値不安となっています。

NYダウ

(指標)ドル/円

先週の予測では、フランス大統領選とギリシャ総選挙の結果を受けて不透明さが増せば、リスク回避の円買いになる可能性があるとしました。結局、フランス大統領選はサルコジ大統領が敗れ、ギリシャは与党が過半数を取ることが出来ず、政局の不透明さが増しました。特に、ギリシャではユーロ圏離脱の可能性も出てユーロ売りの流れとなりました。

今週は、ギリシャの政治混迷が続き、スペインやポルトガルの財政不安もあってユーロ売り・円買いが強まります。しかし一方で、安全資産としてのドル買いも同時に起きているため、ドル/円では79~81円のもみあいが続きそうです。

ドル/円