6503 三菱電機 東証1部

2月2日の2011年4-12月期決算発表で、2012年3月期の連結純利益が前期比20%減の1,000億円になる見通しと発表し、1,350億円から下方修正した。また、1月27日に防衛省などとの契約で費用の過大請求があったと発表し、経営に対する不信で1月31日の642円まで下落したが、ここは切らなかった。市場では、現在の株価水準は低過ぎるとの見方も。防衛・宇宙関連で先行し、家電・電力用半導体にも特色。

過去2年強のチャートをみると、2009年11月25日の安値566円からの上昇トレンドの中で、2011年2月7日の1,021円でピークをつけ、3月11日の大地震で3月15日の706円まで下げました。その後、7月7日の964円まで反発するものの、急激な円高を受けて急落し、上昇トレンド(A)を下に切りました。10月5日の608円まで下げ、ここから短期の上昇トレンド(B)を形成し、今年1月20日の790円まで上昇しました。このあと、防衛省の契約に絡む問題で、上昇トレンド(B)を切って1月31日の642円まで下落し、2月1日の696円まで上昇したところで2月2日の決算で業績下方修正となるものの、652円まで下げて反発しています。株価的には中途半端な位置にあり、1月31日の642円を終値で切ると610円水準まで下げる可能性があり、逆に2月1日の696円を終値で上回ると買転換となって750~780円が目標と考えられます。

三菱電機

6755 富士通ゼネラル 東証1部

1月30日発表の2011年4-12月期連結決算は、純利益が前年同期比2.6%減の21億円だった。法人税率引き上げに伴う繰り延べ税金資金の取り崩しで税負担が増えた。12年3月期通期の見通しは変えなかった。「欧州は消費が冷え込んでいるが、国内では東日本大震災の復興需要で消防システムの販売増が見込まれる」としている。

2011年1月11日の529円の高値をつけてのもみあいの局面で、3月11日の大地震が発生して3月15日の306円まで急落。ここから震災需要期待で8月1日の657円まで買われるが、ここをピークに下降トレンド(C)を形成。この中で、9月27日の408円、11月22日の394円、今年1月31日の421円と三点底となって2月13日に479円で買転換出現。三点底を確認した本格的な上昇は、昨年10月13日の529円を上に抜けてからとなります。それまでは、529円が強力な上値抵抗ラインとなって作用します。押し目買いの形ですが、1月31日の421円を切ると一旦損切りしての仕切り直しとなると考えられます。

富士通ゼネラル

7961 兼松日産農林 東証1部

木材防腐処理は薬品販売含め好調。防犯カメラも回復。強み持つ中部圏で地盤改良減退し後半の営業益僅少。住宅着工堅調持続なら営業益上振れ。13年3月期は不採算プレカット木材撤退で営業増益。

リーマンショックを受けて2009年2月24日の43円まで暴落し、ここから4カ月後の6月19日の222円まで5.1倍化となりました。その後、調整入りとなって2009年11月26日の81円、2010年11月2日の80円、2011年3月15日の72円と三点底をつけて急騰し、立会日数7日間で3倍化となり、3月25日に235円をつけて2009年6月19日の222円を上に抜きました。しかし、長い上ヒゲとなって短期の下降トレンド(A)を形成することになりました。この下降トレンド(A)の中で、終値ベースでは順下げの三点底となって9月26日の123円で当面の底打ちとなり、上昇トレンド(B)へ移行しています。この中で、11月22日の178円まで上昇後、12月19日の147円まで下げて二番底となり、ここから二段下げとなって1月30日に199円まであって押し目を形成となっています。

兼松日産農林

4004 昭和電工 東証1部

2月9日の決算発表で、2012年12月期の連結純利益が前期比35%増の230億円になるとの見通しを発表した。タイ洪水で被災したハードディスク駆動装置(HDD)の生産が急回復し、HDD用磁気ディスクの販売が伸びる。前期に計上した東日本大震災に伴う特別損失が無くなることも利益を押し上げる。2011年12月期の連結決算は、売上高が前期比7%増、純利益が34%増。

チャートをみると、2008年11月21日の107円、2009年3月3日の108円とダブル底をつけて緩やかな上昇トレンド(A)を形成。この中で、2009年9月3日の218円、2010年4月30日の216円とダブル天井を作り、下降トレンド(B)へ移行して2011年2月8日の194円の高値でもみあったところで、3月11日の大地震を受けて3月15日の117円まで急落しました。その後は、2月8日の194円を高値、3月15日の117円を安値とする三角保ち合い(C)となっていましたが、この中で、8月26日の141円を安値に反発して9月28日に154円で買転換が出現。しかし、三角保ち合いの煮詰まりに時間がかかって緩やかに下値・上値を切り上げる展開となり、1月23日に169円で三角保ち合いを上放れしました。昨年5月11日の174円を上に抜けると、2月8日の194円を目指すことになります。押し目を買い、じっくり保有となると考えられます。

昭和電工

6758 ソニー 東証1部

2月2日の決算発表で、2012年3月期連結業績予想を下方修正し、最終損益2,200億円の赤字と従来予想(900億円の赤字)を大幅に拡大するとの見通し。その後、悪材料出尽しとの見方から上昇の流れが続いていますが、2013年3月期の明確な収益回復が見えない限り、悪材料出尽しと受け取るのは早いという指摘もある。現在の上昇は売り方による買い戻しという見方。

しかし、チャート(柴田罫線)でみると、底打ちの形から反発しているように見えます。2010年12月2日の3,090円、2011年2月22日の3,105円とダブル天井となって下降トレンド(A)を形成しました。この下降トレンドの中で、下げ角度が(1)→(2)→(3)と緩やかになり、2011年10月4日の1,370円の安値をつけて10月31日の1,737円まで反発しました。しかし、液晶テレビの不振で巨額の赤字となって11月22日の1,253円まで下げました。その後、下値を切り上げる緩やかな上昇トレンド(B)となっており、この中で、11月22日の1,253円、1月18日の1,267円、2月2日の1,321円と順上げの三点底となり、2月6日の1,492円で買転換となって12月8日の1,467円を上回りましたので、三点底が確定した形となります。さらに、上昇トレンド(B)の上値斜線を上に抜けてきていますので押し目買い有利といえます。中期的には、昨年10月31日の1,737円を突破すると、7月8日の2,226円を目指す形といえます。

ソニー