先週の日経平均は一時9,000円台を回復し、高値警戒感から反落

2月6日(月)の予測では、アメリカ株式のリーマンショック後の戻り高値更新を受けて、日経平均も9,000円を試す動きへとしました。ただし、NYダウの上昇が止まれば8,900円前後での値固めとなるかもしれないともしました。

結局、日経平均は、2月7日(火)に高値を更新する動きとなったことで、翌8日(水)に△98の9,015円と約3カ月ぶりの9,000円台回復となりました。その後は、目標達成感や高値警戒感からの利益確定売りで、9日(木)は▼13の9,002円、週末10日(金)は、ギリシャ支援への正式合意が先延ばしされたこともあって▼55の8,947円で引けました。この日の2月SQ清算値9,011円を終値で上回ったため、経験則からいえば、今週は軟調な展開となるところです。週足でみると、6日(月)の終値8,929円を上回る8,947円となりましたので、5週連続の陽線となって先高期待を示しています。

NYダウの上昇止まれば、今週は8,900円前後での値固めも

週末2月3日(金)のアメリカ市場では、注目の米雇用統計で非農業就業者数が2011年4月以来の高水準となり、失業率も0.2ポイント低下して8.3%となったことで、NYダウが△156の12,862ドルと終値ベースでリーマンショック後の戻り高値を更新しました。ナスダックは、ザラ場高値を更新する△45の2905Pとなりました。これを受けて、本日の日経平均は8,939円と大幅高で寄り付くものの、9,000円水準では大きな売り圧力があり、8949円をつけたあとは、上下30円程度と値動きの乏しい展開となりました。物色は主力株に移っており、これまでの低位材料株は調整に入る可能性があります。NYダウがここでもたつくようですと、日経平均も9,000円を前に8,900円前後の値固めとなるかもしれません。低位材料株は十分な押し目を待つ必要があります。

今週は日柄調整へ

先週末2月10日(金)のNYダウは、一部のギリシャの与党が緊縮財政について反対したことで、追加支援に対する正式決定への懸念が生まれ、また、2月ミシガン大学消費者信頼感指数が予想を下回ったこともあって、一時12,743ドルまで下落しました。しかし、その後、アメリカの労働市場の改善が続いていることから押し目買いが入って▼89の12,801ドルで引けました。また、格付け会社S&Pがイタリア銀行の一斉格下げを発表したことで、欧州債務問題の不透明感も高まっています。

今週は、日本時間の13日(月)早朝、ギリシャ会議での財政緊縮法案の可決がNYダウの動きに影響を与え、日経平均の値動きにもかかわってきますが、テクニカル的には一服する場面です。また、国内では2011年4-12月期の決算発表がほぼ一巡し、買い材料に乏しい状況となります。業績の下方修正が相次いだことで、日経平均採用銘柄の予想PERは20倍台まで上昇し、東証1部全体のPBRも0.98倍(2月10日時点)と世界的にみて割安感はなくなっています。

今週は、本日の早朝、ギリシャ会議で財政緊縮法案可決となったものの、イタリアのほとんどの銀行が格下げされたことによる相場の先行き不透明感から、週前半は軟調な動きも想定されます。下値の目処は8,700円水準くらいのもので、下落リスクはそれほど大きくないと思われます。その背景は、アメリカの景気回復期待や日本の復興需要からの下支え、さらに、買い遅れた海外投資家の押し目買いなどが考えられます。国内では、日銀の金融政策決定会合が開かれますが、新たな緩和策を打ち出さなければならない環境でもなく、相場への影響は限定的だといえます。海外の大きな変化がなければ、今週は、ピッチの早い上昇に対する警戒感から日柄調整となる可能性が高いといえます。

本日は、ギリシャ会議での財政緊縮法案可決から、投資家心理の不安が後退して買い優勢となりました。先物主導で買われて9,000円を回復する場面がありましたが、大引けは△52の8,999円でした。戻りを試すポイントは、先週末の2月SQ値9,011円を上回って引けるかどうかです。売買代金が1兆円割れ寸前となってきており、市場ボリュームが膨れないと上値を追うのは難しくなります。今週は、日柄調整となれば、押し目買いのチャンスとなってくると考えられます。

(指標)日経平均

先週の日経平均は、3日(金)のNYダウが米雇用統計の大幅改善を受けて3年9カ月ぶりの高値となったことで、2月6日(月)に△97の8,929円と8,900円台を回復し、8日(水)には一段の円安進行を受けて△98の9,015円と約3カ月ぶりに9,000円台を回復しました。しかし、9,000円台では売り物多く、短期的な過熱感もあって利食い売りに押され、9日(木)は▼13の9,002円、10日(金)は▼55の8,947円と9,000円を切って引けました。

今週は、国内の企業決算もほとんど出揃って買い上がる材料に乏しく、9,000円を挟んだもみあいとなりそうです。下値は、下げても8,700円台は堅いところです。本日は、日本時間の早朝、ギリシャ会議で財政緊縮案が可決されたほか、円安傾向に推移していることで△52の8,999円で引けました。

日経平均

(指標)NYダウ

先週は、ギリシャ支援問題とアメリカの景気回復期待との綱引きで、高値圏でのもみあいとなりました。2月3日(金)は、米雇用統計の大幅改善を受けて、△156の12,862ドルと3年カ月ぶりの高値となりました。この流れから、7日(火)の△33の12,878ドル、8日(水)の△5の12,883ドル、9日(木)の△6の12,890ドルと3日連続の高値更新となりましたが、上値はギリシャ支援策の方向がハッキリせず、買い上がることはできませんでした。週末10日(金)は、ギリシャ与党が緊縮財政策を受け入れたものの、ユーロ財務相会合では、ギリシャ支援の正式決定を先送りしたことを嫌気し、また、2月ミシガン大学消費者信頼感指数が予想を下回ったことで▼89の12,801ドルで引けました。

今週のNYダウは、13日(月)の朝(日本時間)にギリシャ財政改革法案が可決されたことで、ギリシャ問題が一旦落ち着けば買い安心が出る可能性があります。ただし、イタリアの銀行が格下げされており、欧州債務問題に対する不安と米景気回復への期待の綱引きとなりそうです。

NYダウ

(指標)ドル/円

2月6日(月)の予測では、76.5~77.0円の狭いボックス圏の動きを想定しました。

2月6日(月)・7日(火)は、想定通り76.5~77.0円の狭い値動きでしたが、8日(水)になると、日本の12月国際収支が予想より悪化したことでドル買い・円売りの動きとなり、77.181円まであって77.023円で引けました。その後もドル買い・円売りの流れが続き、週末10日(金)は、アメリカの長期金利の上昇を背景に77.801円まで買われ、77.652円で引けました。ギリシャ支援の正式決定待ちとなっていましたが、13日(月)の朝(日本時間)に可決されたことで、目先ギリシャを巡る不透明感が後退しました。今週は、リスク回避姿勢が後退し、円は売られやすくなります。2月16日(木)の1月米住宅着工件数が改善されれば、好調な景気回復が続いているとみなされてドル買い圧力が強まることになります。77.0~78.3円の中で、まずは78円を試す動きが想定されます。

ドル/円