19日(月)の8,272円を安値に、アメリカの経済指標の改善を受けて反発

12月19日(月)の日経平均は、前週末の17日(土)に格付け会社フィッチが欧州各国の格付けを引き下げることを検討すると発表したことや、S&Pが米国の格付けについて言及するとの懸念から8,363円で寄付き、下げ幅を拡大する中、後場には北朝鮮の金正日死去の報道で8,272円まで下げ、終値は▼105の8,296円となりました。11月28日以来3週間ぶりの8,200円台となり、先週は安値模索が続く可能性が高いとしました。

しかし、20日(火)は、前日のNYダウが安いにも拘らず割安感から押し目買いとなり、△40の8,336円と反発しました。そして、引け後のアメリカ市場で、スペインの国債入札の堅調さや米住宅指標の好結果を受けてNYダウが△337の12,103ドルと大幅上昇したことで、21日(水)の日経平均は△123の8,459円で引けました。しかし、22日(木)は3連休を控えて調整売りが先行し、▼64の8,395円で引けました。 引け後のアメリカ市場では、新規失業保険申請件数が2008年4月以来の低水準となったことで労働市場の改善が期待され、また、12月ミシガン大学消費者信頼感指数や11月景気先行指数が予想を上回ったことで△61の12,169ドルとなりました。さらに、週末23日(金)は、米議会で給与減税の2カ月延長案が通過したことや、11月耐久財受注・新築住宅販売件数が予想を上回ったことで△124の12,294ドルと直近高値の10月27日の12,284ドルを突破して買転換が出現し、チャート上は5月2日の年初来高値12,876ドルを試す形となっています。

今週の日経平均はNYダウの堅調さの持続次第

アメリカ経済が9月頃まではリセッションに入ったという見方が、専門家の間で多く見られました。それは、住宅と雇用問題の改善が見られなかったことで、個人消費は停滞するという見方に繋がったからです。しかし、12月の年末商戦のスタートが予想を大きく超える好調さとなって、個人消費が順調なことを示し、最近になっては住宅指標や雇用関係の指標も予想を上回ってきています。そのため、これにQE3の期待も加わってNYダウは予想外の戻りになっているといえます。

ただし、先週末23日(金)のNYダウは、給与減税法案の2カ月延長を好感して上昇した面もあり、クリスマスや年末で参加者が減少している中、強引に上昇させている可能性も考えられます。2カ月先に給与減税法案は無くなるわけで、あまりにも目先のことが材料視されている感じがします。チャートの形のように、5月2日の12,876ドルを試すような動きになれば、日経平均も12月12日の8,682円を試す動きになると思われます。しかし、NYダウの上値が重く、もみあいとなれば8,600円台は上値のフシとなります。まずは、8,536円以上の引け値で終われるかどうかに注目となります。本日は、8,504円で寄付き、その後は膠着状態となりました。クリスマス休暇中で参加者が極端に少なく閑散相場となって、大引けは△84の8,479円と8,500円を維持できませんでした。ただし、25日移動平均線を上回っています。出来高は9億420万株と08年12月25日以来の10億株割れ、売買代金は5月27日以来の低水準でした。

(指標)日経平均

12月19日(月)の分析では、目先8,300~8,600円台のもみあいの中で、上値を試すよりも下値を試す可能性が高く、8,300円を切ってくると、11月25日の8,135円が下値ポイントとなりますが、このまま大きく下がるには早過ぎるとしました。

週明け12月19日(月)は、欧州信用不安と金正日の死去報道で8,272円まであって▼105の8,296円と8,300円を切って引けました。12月20日(火)は、売買代金が3年ぶりの6,765億円という低水準の中、「閑散に売りなし」の格言通り△40の8,336円と小反発しました。21日(水)は、前日のNYダウが住宅指標の好結果を受けて△337の12,103ドルと大幅反発したことで、日経平均も△123の8,459円と続伸しました。22日(木)は、三連休を控えて▼64の8,395円と反落して引けました。本日は、8,504円で寄付き、その後は膠着状態となりました。クリスマス休暇中で参加者が極端に少なく閑散相場となって、大引けは△84の8,479円と8,500円を維持できませんでした。ただし、25日移動平均線を上回っています。出来高は9億420万株と08年12月25日以来の10億株割れ、売買代金は5月27日以来の低水準でした。

日経平均

(指標)NYダウ

週明け12月19日(月)の分析では、欧州情勢に左右される可能性があるものの、米景気回復期待との綱引きで11,600~12,000ドルの中でのもみあいを想定しました。しかし、20日(火)は、スペインの3・6月物証券の入札が堅調となり、アメリカの11月建設許可件数が2010年3月以来の高水準となったことで△337の12,103ドルと急反発しました。今週は、10月27日の12,284ドルを終値で突破できれば、今年の最高値を目指す動きになるが難しいと見ていました。

しかし、21日(水)の△4の12,107ドル、22日(木)には、新規失業保険申請件数が2008年4月以来の低水準となったこと、また、12月ミシガン大学消費者信頼感指数や11月景気先行指数が予想を上回ったことで△61の12,169ドルとなりました。さらに、週末23日(金)は、米議会で給与減税の2カ月延長案が通過したことで△124の12,294ドルと直近高値の10月27日の12,284ドルを突破して買転換が出現しました。チャートからは、上放れの形ですので、目先は12,500ドル、さらに、5月2日の12,876ドルを試す形といえます。欧州債務問題を無視して高値挑戦できるかどうかに注目といえます。11,800ドル水準が目先の下値抵抗ゾーンとなります。

NYダウ

(指標)ドル/円

先週の予測では、チャートをみると、77.5~78.3円の狭い値動きとなっており、どちらに抜けても、円とドルの取引では綱引き状態となって値動きが限定されるとしました。

結局、77.5~78.3円のレンジの中でドルの上限を試す動きとなり、12月21日(水)の77.688円を安値とし、週末23日(金)は78.215円まで買われる動きとなりました。ただし、年末で市場参加者が細る中、ユーロはドルに対して買い戻されるものの、ドル/円は小動きとなって78.083円で引けました。

チャートをみると、77.5~78.3円のレンジの中で12月16日の77.629円を安値に小さな三角保ち合いを形成し、12月22日に78.160円で上放れした形になっています。今週は、年末で市場参加者が少なく、取引は細っていますが、欧州との景況感の差からドルは買われやすく、ドルの強含みのまま78円前後での膠着状態となる可能性があります。77.8~78.3円のレンジでの動きが基本となりそうです。

ドル/円