4901 富士フイルムホールディングス 東証1部

9月7日の四季報速報では、テレビ販売鈍化で液晶フィルム伸び悩む。デジカメが販価上向く。複合機は下期巻き返す。営業増益。増配。

チャートをみると、中期的には2009年7月1日の3,230円、2010年4月5日の3,345円、2011年1月27日の3,125円で三尊天井となり、上昇トレンド(A)を下に切って10月5日には1,659円の安値をつけ、2009年3月4日の1,694円の安値を更新しました。欧州への輸出が多く、急激なユーロ安・円高を織り込む下げとなっています。業績からいうと買えそうに思えますが、問題は下げ過程で信用買い残が大きく増加していることです。例えば、7月8日時点で売り残28万・買い残147万の5.1倍でしたが、9月30日時点では売り残13万・買い残273万の20倍の信用倍率となっています。つまり、7月4日の2,549円から10月5日の1,659円までの急落の過程で割安感から買いが入ったことになります。このことは、戻り弱く時間が経過すれば、信用で買った人が持ち切れず、少し上昇すると手仕舞ってくるため戻り売りとなり、なかなか上昇できないことになります。当面は、2,200円が大きな上値抵抗ラインと思われます。目先は2,000~2,100円というところだと考えられます。

富士フイルムホールディングス

5938 住生活グループ 東証1部

9月6日の四季報速報では、川島織物など新規連結で580億円。建材、住宅設備とも新築着工増が追い風、震災直後の停滞カバー。費用は吸収で上伸。10月3日に2,260円の4年ぶり高値。野村證券のアナリストが3日付けで「住宅・不動産セクターの買いを推奨」。復興需要が今後本格化するとし、7月のエコポイント終了による悪影響は現れていないとした。しかし、10月12日(水)に、前日発表した2011年4-9月期連結決算の下方修正を発表。純利益は従来予想の230億円から180億円と50億円の減額。▼246の1,800円と急落し、柴田罫線で短期の売転換出現となりました。決算発表シーズンについては、結果が出るまでわからないため、買う場合は、決算発表が終わったあと好決算であれば、上昇後の押し目買いが基本となります。また、高値圏での証券会社のコメントは要注意といえます。

チャートをみると、長期上昇トレンドにあり、10月3日の2,260円という4年ぶりの高値も柴田罫線での上値抵抗ラインにほぼ接近していますので、当面のピークということは予測できます。そうすると、下方修正で10月12日(水)に1,800円で売転換になったものの、市場では「売り上げ計上の遅れによるもので、下期(10-3月期)は巻き返しもあり得る」としていることで、ここからはそれ程大きな下振れはないかもしれません。ただし、当面は1,900円水準が上値抵抗ゾーンとなると思われます。

住生活グループ

6471 日本精工 東証1部

9月5日の四季報速報では、顧客の稼動再開前倒しで自動車関連の復調早まる。産業機械軸受けと精機製品は右肩上がり。電動パワステ伸びる。円高と鋼材高懸念だが操業度改善効果で吸収し、営業増益幅拡大。増配予定。

チャートをみると、2009年2月2日の282円で底打ちとなり、上昇トレンド(A)を形成しました。その中で、2010年4月6日の770円で当面のピークとなり、一旦上昇トレンド(A)を切って9月1日の495円まで調整しました。ここから急上昇して今年2月8日の836円の高値更新となり、上昇トレンド(A)内に回復してもみあいっているところで3月11日の大地震が発生し、3月15日の586円まで急落しました。ここから再上昇して7月8日の815円まで上昇するものの、上昇トレンド(A)の下値斜線が上値抵抗ラインとなって2月8日の836円に対する二番天井となり、7月26日に775円で売転換が出現して大幅下落し、下値模索となりました。そして、10月5日の500円の安値をつけて強力な下値抵抗ラインに到達し、急反発しています。

日本精工

4680 ラウンドワン 東証1部

7月7日の会社発表で、6月の売上高が前年同期比△5.8%と3カ月連続のプラス。大地震を受けてレジャーの「安近短」志向が強まり、ボウリングやカラオケなど屋内で遊ぶ人が増えた。9月9日発表の8月既存店売上高も前年同期比△4.2%で5カ月連続のプラスとなっています。

チャートをみると、2009年6月22日の1001円を高値に下降トレンド(A)を形成していましたが、この中で、2010年10月5日の265円を安値に今年2月21日の557円まで上昇しました。ここでのもみあいの最中に3月11日の大地震が発生し、3月16日には292円まで急落しました。しかし、身近なレジャー志向が高まって角度の大きい短期の上昇トレンド(C)が形成されました。

この中で、7月4日には743円の年初来高値更新となっていましたが、上述の7月7日の会社発表で材料出尽しとなり、8月9日の541円まで下落しました。ここからの反発で、8月12日には693円まで上昇しましたが、徐々に好材料を織り込んで上値が重くなり、9月26日には550円で売転換となってもみあいを下放れた形となりました。しかし、9月27日の523円を安値に反発となって10月7日には634円まで反発し、押し目を形成しています。

ラウンドワン

1929 日特建設 東証1部

総合基礎工事の大手。環境、防災、補修分野に強み。不動産テトラと業務提携。12年3月期は一般土木の減少で完工減。業務経費縮減するも経常減益。

チャートをみると、大底圏での三角保ち合い(A)の煮詰まりから2010年12月10日の56円で買転換が出現し、保ち合いを上放れしたところで、今年3月11日に大地震が発生し、復興関連銘柄として3月24日の233円までの暴騰となりました。この高値圏でもみあいとなり、4月4日の237円、4月11日の213円と三尊天井を形成し、4月21日に170円で売転換が出現して買われ過ぎからの本格調整となりました。足元の業績からは買えませんが、復興関連銘柄としては、被災地での地盤改良の本格始動で瓦礫除去後の来期に持ち越される可能性がありますので、来期の業績は一気に好転することが考えられます。100円以下であれば、長期投資には有利な銘柄といえます。足元の業績は悪いものの、チャートの形としては三尊天井形成後の下げ方として、下げ角度が(1)→(2)→(3)→(4)と緩やかになって、7月5日の126円からの短期の下降ラインを上に抜けて10月13日に98円で買転換出現となっています。ただし、目先は信用買い残が多いため戻り売りとなって、上値は重いかもしれません。

日特建設