9984 ソフトバンク 東証1部

これまで米アップルのスマートフォン「アイフォン」は、ソフトバンクモバイルが独占販売し、携帯電話の純増数で8月末まで17カ月連続トップを続けてきました。しかし、KDDI(au)も2012年初めにアイフォンを扱うようになることで、ソフトバンクの独占が崩れ、収益にも影響を与えるということで9月22日(木)に▼320の2,282円と急落しました。

柴田罫線での動きを見てみることにします。2010年5月7日の1,997円を安値とする上昇トレンド(A)の中で、今年3月4日の3515円、4月15日の3470円とダブル天井の形となって5月6日の3,255円で売転換出現となりました。ここからの下げで上昇トレンド(A)を下に切り、5月24日の2,875円まで下落したあと反発するものの、6月1日の3,160円で上昇トレンドライン(A)が逆に上値抵抗ラインとなってアタマを押さえ、6月20日の2,813円の安値更新となりました。その後、再上昇となって6月30日に3,030円で短期の買転換(すでに上昇トレンドを下に切ったあとの戻りのため、買転換が出現しても単なる戻りと考えて手を出さないこと)したものの、7月26日の3,205円までしか上昇できず、7月29日には3,010円で再度の売転換となりました。8月24日の2,459円まで下げて9月8日に2,791円まで反発し、もみあいとなっているところで、9月22日にKDDIのアイフォン進出からソフトバンクの独占が崩れて急落しました。9月26日も▼115の2,167円となっています。4月15日の3,470円の高値からの信用期日が10月14日ですので、更に投げが出る可能性があります。

ソフトバンク

5108 ブリヂストン 東証1部

9月2日の四季報速報では、国内外とも工場フル稼働、生産量は過去最高。天然ゴムなど材料高は値上げで吸収。円高(下期1ドル=80円想定。1円円高で利益10億減)こなし増益。12年12月期もタイヤ需要堅調。海外中心に続伸。免震ゴムや免震工法も手掛けており、地震対策強化の高まりが追い風となる可能性。

チャートを見ると、2009年11月27日の1,342円を一番底、2010年10月21日の1,403円を二番底にして、上向きの先細三角形(A)の上昇となり、今年7月22日の2,002円と煮詰まってきたところで円高進行となり、8月2日に1,885円で売転換出現となって下放れしました。8月22日の1,579円の安値をつけてもみあい、上放れとなって9月16日に1,755円の戻り高値をつけるものの、世界同時株安のような動きとなったことで反落しています。9月12日の1,634円を終値で切りましたので、8月22日の1,579円水準が買ポイントとなるでしょう。

ブリヂストン

7751 キヤノン 東証1部

9月2日の四季報速報では、アジア需要活況で収益柱の一眼レフと交換レンズが想定超の勢い。複合機も好調で円高こなす。一転増益だが会社営業益はなお慎重。台湾で12年7月稼動のデジカメ新工場建設。M&Aなどに備え自己株積極取得。

チャートをみると、2009年3月9日の2,115円で底打ちとなって上昇トレンド(A)を形成し、この中で、2010年4月5日の4,520円でピークを打って高値圏でもみあったあと、5月6日に4,220円で売転換が出現して上昇トレンド(A)を下に切り、7月1日に3,205円まで下落しました。この3,205円から上昇トレンド(A)と同じ上昇角度で上昇トレンド(B)を形成しましたが、この中で、2010年12月27日の4,335円が戻り高値となってもみあっているところに2011年3月11日の大地震が発生し、上昇トレンド(B)を下に切って3月15日の3,310円まで急落しました。ここからの反発で6月1日の3,945円、7月27日の3,895円と二山を形成したあと、急激な円高となり、特に、ギリシャの財務問題からEU信用不安が高まってユーロが急落したことで9月15日の3,270円の年初来安値更新となりました。そのため売られ過ぎという見方から反発し、昨日はギリシャ問題の解決への期待が生じたことで欧米株式が上昇し、つれて日本株も上昇して、キヤノンは△145の3,505円と反発して短期の買転換となりました。ただし、買戻し中心の反発であり、このまま上昇しても3,600円台から上値は重く、再下落待ちとなると思われます。日経平均もまだ底打ちという形はできていませんので、日経平均の次の下げを待って買いとなると考えられます。

キヤノン

6890 フェローテック ジャスダック

9月26日は、ジャスダック平均株価が4日続落となり、3月17日以来の安値水準となりました。欧米経済の不透明感やアジア株安を嫌気して主力株を中心に換金売りが膨らみました。フェローテックは、中国向けに太陽電池用シリコン結晶製造装置の出荷が伸長。上期受注も順調。好採算の半導体装置向け部材は下期減速だが、FPD用としてLED用でカバー。最高純益連続更新、20円配継続。

チャートをみると、2009年9月30日の1,345円を高値とし、11月27日の731円を安値とする三角保ち合い(A)を形成し、この中で、2010年8月12日の784円を安値に三角保ち合いを上放れし、今年3月4日の1,590円まで上昇しました。ここで3月11日の大地震が発生し、3月15日の980円まで急落しましたが、原発事故が起こって代替エネルギーとして太陽電池に焦点があたり、6月14日には2,246円まで上昇しました。その後は、買われ過ぎから急落となり、世界同時株安の中でリスク回避から換金目的で新興市場が売られ、この銘柄も一方的に叩き売られている状況です。日経平均が底打ちとなって上昇し、一服すれば、新興市場も買われてくると思われます。

フェローテック

3407 旭化成 東証1部

9月8日の四季報先取りでは、電子部材や医薬品、建材、繊維が軒並み増勢。化成品の市況高一段落でも利幅悪化は限定的。住宅が想定以上に伸びる。営業益小幅増で増配。

チャートをみると、2009年2月26日の298円を安値に上昇トレンド(A)を形成し、この中で、今年2月4日に598円の高値をつけたあと高値もみあいとなり、その最中に、3月11日の大地震が発生して3月15日の411円までの急落となりました。そこから反発となって4月4日の571円まで上昇し、もみあっていましたが、7月20日の567円が571円に対する戻りの二番天井(ダブル天井に近い形)となって下落に転じ、9月22日には471円で売転換となって上昇トレンド(A)を下に切ってきました。

旭化成