5727 東邦チタニウム 東証1部

新日鉱HD系のチタン精錬大手。11年3月期はチタン価格の下落や新工場の償却負担重く経常赤字拡大。2012年も赤字継続で無配も。業績は赤字拡大ながら、次世代触媒や太陽電池シリコンへの新展開で強弱感対立し、信用取り組み0.99倍で高値圏での大きな上下動。

この2年間の動きは2009年11月19日の968円を安値に急騰し、2010年4月6日の2,581円まで上昇。ここから5月26日の1,654円まで急落するものの、下値を切り上げる展開の中で上値は2010年7月12日の2,488円、10月6日の2,498円と押さえられていましたが、今年2月21日には2,699円と2010年4月6日の2,581円を突破しました。しかし、3月9日の2,452円で売転換が出現したところで3月11日の大地震が発生し、3月15日には1,500円まで急落しました。しかし、原子力事故によって太陽電池が材料となったことで3月18日に2,000円で買転換が出現し、6月3日の2,530円まで上昇しました。2,500円水準からは上値重く、もみあいとなって6月10日に2,535円、6月14日に2,530円と三尊天井となって6月20日に2,430円で売転換が出現しました。

東邦チタニウム

6701 日本電気 東証1部

11年3月期は持分法投資損益や東日本大震災による影響から125億円の純損失を計上したが、12年3月期は携帯・ペンション関連の好調や開発費の抑制で経常増益。

2007年4月9日の670円の高値からのチャートをみると、下げ方としては(1)→(2)→(3)と下げ角度を緩やかにし、下降ライン(3)の上で2009年2月21日の213円の安値から6月12日の398円まで上昇後、下向きの先細三角形を形成して現在に至っています。安値圏での下向き先細三角形は下放れる確率より上放れる確率が高いので、下降ライン(3)を切ってもそれほど大きな下げにはならないのが普通です。ただ、信用買い残が高水準で信用取り組みが悪化しているため、日経平均が急落する場面があれば投げが出て予想以上の下げとなる可能性もあります。

日本電気

8316 三井住友フィナンシャルグループ 東証1部

6月6日の四季報速報によると、資金利益は国内軟調でも海外が健闘し、投信販売増や海外手数料で役務利益は上向き、ただし、債権益低下となっています。また、株減損の一巡や消費者金融黒字化し持分利益改善、経常益小幅増ながら税負担平常化で最終減益の見通しです。

チャートをみると、2009年7月13日の安値3,500円からの下げ方をみると(1)→(2)→(3)→(4)と下げ角度が緩やかになり、6月7日の2,251円の安値をつけてもみあって6月22日に2,375円で買転換出現となっているので、目先は底打ちした可能性もあります。問題なのは東電の行方です。5月13日に枝野長官が、金融機関は東電の債権放棄が必要との発言をしたことで、メガバンクは収益悪化を懸念して売られました。ほとんどの外資証券は格付けを中立か買いにしており、株価目標も安いところで2,700円ですから明らかに下げ過ぎといえます。東電の株価が落ち着けばリバウンドがあると思われます。

三井住友フィナンシャルグループ

6461 日本ピストンリング 東証1部

6月15日に会社側は、2012年3月期の連結経常利益が前期比27%減の24億円になる見通しと発表しました。主力納入先の国内自動車メーカーが大地震の影響で上期に生産を縮小。そのあおりで部品受注が減少することが影響したためとしています。

チャートをみると、2009年3月4日の61円を安値に上昇トレンド(A)を形成しています。この中で、2010年8月27日の102円の安値から上方修正期待で本格上昇となり、今年1月12日の265円まで上昇しました。この天井圏でのもみあいで2010年12月17日の249円、2011年1月12日の265円、2月17日の252円と三尊天井を作ったところで、3月10日に218円で売転換が出現し、翌日3月11日に大地震が発生して3月15日の119円まで急落しました。3月15日の119円の安値から4月19日の191円まで戻したあとは緩やかな下降トレンド(B)を形成し、この中で6月7日の159円の安値をつけ、下値を切り上げて6月23日には182円で買転換となって短期の下降トレンドを上に抜けました。6月15日に会社側は減益見通しを発表しましたが、チャートは目先悪材料出尽しで反発する形になりました。

日本ピストンリング

8136 サンリオ 東証1部

4月13日の決算発表で11年3月期の連結最終利益を70億円から91億円に上方修正。12年3月期は、国内物販が横ばいも海外のライセンス収入の増加で経常増益。増配見通し。6月10日に発行済株式総数の0.2%にあたる20万株を上限に自社株を取得と発表。

チャートの形としては、2009年11月19日の673円を安値に上向き末広がり三角形の上昇の形となっています。この中で、今年3月7日の2,839円の高値をつけてもみあっているところに3月11の大地震が発生し、3月15の1,996円まで下落しました。ここから反発後、三角保ち合い(B)となっていましたが、4月13日の決算発表で上方修正となったことで4月14日に2,565円で三角保ち合いを上放れると同時に買転換が出現し、6月10日には自社株買いの発表があって6月13日の3,540円の年初来高値更新となりました。目先は材料出尽しとなり、6月23日に3,255円で売転換出現となって調整に入ったと思われます。

サンリオ