2264 森永乳業 東証1部

11年3月期は、ヨーグルトは好調も輸入原乳など原材料費高で経常横ばい圏。12年3月期は天候平準化前提でアイス反落。ただし、チルド品下期回復し、営業益横ばい。

チャートをみると、2007年のサブプライムローン問題からの下落で、2008年3月4日の263円まで下落し、その後は大まかに250~350円のボックス相場(A)が続き、この中で2009年4月21日の280円を安値に急騰となって、ボックスを下放れし、2009年9月30日の448円まで上昇しました。現在は、この448円からの下降トレンド(B)の中の動きとなっています。この下降トレンド(B)の中で、今年の3月11日に大地震が発生して3月15日の250円まで急落し、長い下ヒゲを出して反発となり、4月8日に312円で買転換が出現して4月11日に331円まで上昇したあと押し目を形成しています。まだ下降トレンドの中にありますが、相場の方向性が定まらない局面では食品株が買われてくる可能性も考えられます。

森永乳業

4004 昭和電工 東証1部

4月19日(火)の日経新聞によると、2011年3月期の連結営業利益は前年同期比約1割増の80億円程度になったとしています。11年12月期(同社は12月決算)の連結業績予想は、純利益が△65%の210億円と据え置く可能性が高いとなっています。震災による生産設備への被害は軽微だが東北地区の物流センターが損傷したため、特別損失を計上する見通し。同社の材料は電池、LED、スマートグリッドで省エネ関連の位置づけも。

チャートをみると、下降トレンド(A)の中で、2008年11月21日の107円、2009年3月3日の108円とダブル底となって2009年9月13日の218円まで上昇し、2009年11月19日の144円まで下落したあと、再上昇となって2010年4月30日の216円でダブル天井の形となりました。ここから再び調整となって2010年10月20日の145円をつけて反発し、終値ベースでは146~216円のボックス相場を形成しました。この中で、今年2月8日の194円まで上昇後、もみあっている時に3月11日の大地震が発生して3月15日の117円まで暴落し、ここから反発となって3月30日に170円まで戻して押し目を形成しています。

昭和電工

4064 日本カーバイド工業 東証1部

四季報春号によると、11年3月期は、光学粘着剤の好調やセラミック基板の値上げで、経常増益で13年ぶり復配。12年3月期はプリント基板の反射シート冷え込む。高採算の医農薬中間体が稼ぐが、原料高きつい。ただ、利益率高く小幅増配も。

チャートをみると、2008年10月10日の62円で底打ち後、2009年1月9日の115円まで反発し、再下落となって2009年2月24日の66円まで下げたあと、上向きの先細三角形の保ち合いの形となりました。この中で、2010年3月18日の193円まで上昇し、その後、高値を更新しながらも上昇角度が(1)→(2)→(3)と緩やかになり、今年2月15日の274円で当面のピークをつけて3月10日に230円で売転換となりました。そして、その翌日3月11日に大地震が発生し、暴落となって3月15日の127円まで下げ、ここから反発となって3月23日の203円まで上昇し、その後4月13日の168円まで押し目を入れたあと、4月18日に196円で短期の買転換が出現しました。日経平均の位置からは買いにくいところですが、個別物色になれば買われる可能性も考えられます。

日本カーバイド工業

5707 東邦亜鉛 東証1部

3月18日の日経新聞によると、2011年3月期の連結純利益が前期比△59%の74億になりそうだと発表。上方修正は2度目。大地震の影響で設備修得に必要な費用を引き当てるが、メッキ用亜鉛や亜鉛価格の上昇による増収増益効果で吸収するとなっています。ただし、震災によって主力の2工場の操業停止が長引けば、業績への影響も懸念されます。

チャートをみると、2009年3月3日の179円で底打ちとなり、原油や金などの商品相場の上昇につれて急騰し、2009年9月10日には529円と半年で約3倍化となりました。ここをピークに調整入りとなり、2010年8月25日の287円まで下落しました。ここから今年2月17日の476円まで上昇し、高値圏のもみあいとなっているところに3月11日に大地震が発生し、3月15日の297円までの急落となりました。業績は好調であるため急反発となり、4月8日の395円で買転換が出現し、4月15日には430円まで戻してきました。ただし、チャートの形としては、上値を切り下げ下値を切り上げる三角保ち合いとなっています。

東邦亜鉛

6369 トーヨーカネツ 東証1部

3月10日の四季報では、11年3月期は物流システム事業が採算悪化し3割超の営業減益、繰延税資産取り崩して純益は2億円に。その後、大地震による原発事故を受けた代替エネルギーの液化天然ガスのタンク設計をやっていることで買いが集中。また、12年3月期はタンクの補修需要が堅調。

チャートをみると、2007年12月11日の336円の高値からの下降トレンド(A)の中で、2008年9月のリーマンショックを受けて2008年10月28日の88円で底打ちとなりました。ここから2008年12月12日の189円まで上昇後、横もみとなって下降トレンド(A)を上に抜け、2009年6月9日の208円、2010年4月20日の213円と二山を形成し、調整入りとなって2010年10月29日に120円まで下落しました。この120円を安値に反発となって今年3月4日の195円の戻り高値をつけ、押し目形成中の3月11日に大地震が発生して3月15日の113円まで急落しました。

しかし、ここで原発に代わる代替エネルギーの1つとして液化天然ガスが登場し、そのタンクを設計している同社が買われ、2009年の高値(6月9日の208円)、2010年の高値(4月20日の213円)を上に抜けて3月25日の235円まで上昇し、終値でも217円となりました。短期で2倍化したことで利益確定売りから反落するものの、4月8日の190円を安値に三角保ち合いの形となり、4月13日の210円で上放れの形となっています。

トーヨーカネツ