先週の日経平均の予測では、上昇の仕方からみると、上昇幅を縮小していく縮小3段上げの型となっており、もう1本の陽線が出て4月1日の高値9,822円を少し上回れば(3段目の上昇幅を300円とすると9,836円としました)、そこがピークとなって3月15日の大暴落の安値8,227円からの上昇が一通り終わるという想定をしました。しかし、残念ながら4月8日(金)の9,804円のザラ場高値を目先のピークに反落となり、4月12日(火)は▼164の9,555円の大幅下落となってろあ売(短期の売転換)出現となり、縮小3段上げの型は実現しないまま4月1日の9,822円、4月8日の9,804円とダブル天井をつけて売法則出現という形になりました。この場合は、終値で4月8日の安値9,536円を切ると3月29日の9,317円を試す動きとなるとしましたが、4月12日(火)は9,513円まで下げて終値は9,555円、翌日4月13日(水)は▼38の9,516円と9,536円を切って寄り付くものの、為替が円安基調となったことで切り返し△85の9,641円となりました。つまり、目先的には4月12日の9,513円、4月13日の9,516円とダブル底の形となって反発したことになり、その後4月14日(木)は△12の9,653円、4月15日(金)は▼62の9,591円となりました。そうなると、現在のチャートの動きは、上値が4月1日の9,822円、4月8日の9,804円のダブル天井、下値が4月12日の9,513円、4月13日の9,516円のダブル底というように9,500~9,800円のボックス相場に入っており、上下どちらかブレた方に大きく動くということが考えられます。

今週は10,500~10,800円のボックス圏を注目…下放れか上放れか

先週末4月15日(金)のアメリカ市場は、3月の消費者物価指数が予想の△0.2%を下回る△0.1%となったことで、インフレ加速懸念が後退し、米国債が上昇して長期金利が低下し、金融緩和解除(出口戦略)が後退し、また、4月のミシガン大学消費者信頼感指数が改善したことで△56の12,341ドルとなりました。ただし、欧州の財政問題が再燃し、12,272ドルまで下落する場面がありました。

先週の日経平均は、原発事故の問題と復興需要期待の綱引きとなり、9,500~9,800円のボックス圏の動きとなりました。震災から1カ月経っても、自動車関連部品の供給の生産体制がまだ出来上がっておらず、原発事故も依然進展がないといえます。昨日、東京電力は原発事故の収束に向けた工程表を発表(6~9カ月程度かかる)しましたが、株価の動きをみる限り、今のところ信用していないといえます。しかし、下値は異常に底堅く推移しており、チャートを見る限り、9,500~9,800円のボックス圏の動きのあと、上放れしても下放れしてもおかしくない形といえます。底堅さの背景に、原発問題の進展がさらに高まってくるとみているのかもしれません。ただし、あまり長引くと、9,500円を維持できず、3月29日の9,319円を試す動きとなる可能性があります。9,300円水準まで下げると、リスクを取れる人は短期のリバウンド狙いとなります。逆に、9,800円を上放れると、10,000円を試す動きも考えられますので、今はどちらにブレるか注目するところです。

本日の日経平均は、前場は、△1の9,593円で寄り付くと、9,608円の本日の高値をつけて9,539円まで下げると押し目買いが入って▼18の9,573円で引けました。後場になると、材料難で方向性のない展開となり、40円程度の値幅の動きとなり、大引けにかけては売られて▼34の9,556円で引けました。9,500~9,800円のボックスの下限に近付き、欧州財政問題が再燃し、原油価格は高止まり、円高基調、出来高減少(20億を大きく下回る16億4577万株)となっており、微妙な位置にあると思われます。

(指標)日経平均

4月8日(金)は、値頃感から9,804円まであって△177の9,768円で引けました。先週は、上げ方としては上げ幅を縮小する縮小3段型で上昇してきており、4月1日の9,822円を少し上に抜けたところがピークとなって、先週中にも大震災後の3月15日の8,227円からの一通りの上昇のピークを想定しました。しかし、9,804円を目先のピークとし、4月12日(火)には▼164の9,555円となってろあ売出現となりました。

4月8日の安値9,536円を終値で切ると、3月29日の9,317円を試すところでした。しかし、4月12日のザラ場安値9,513円、4月13日の寄り付き9,516円をつけたものの、終値では9,536円を守っていったんの反発となりました。形としては、9,500~9,800円のボックス圏の動きとなっており、どちらかブレた方に動くことになります。本日の時点では、▼34の9,556円となってボックスの下限に接近しており、9,500円を切れるかどうか注目するところです。

日経平均

(指標)NYダウ

3月30日に12,350ドルで買転換が出現し、高値圏での小さなボックスを上放れし、4月6日(水)には一時12,450ドルとなって2月18日の12,391ドルの年初来高値を更新し、△32の12,426ドルとなりました。4月8日(金)は、一時▼88の12,320ドルまで下げて、▼29の12,380ドルで引けました。先週の予測は、年初来高値を更新したばかりの高値圏であるため、高値警戒感もあって上下動するものの、上値を試していく形としました。

4月12日(火)は、原発事故の評価が最悪の「レベル7」に修正され、GSによる商品の売り推奨から原油が急落してエネルギー株が売られ、一時▼148の12,233ドルまで下げ、終値は▼117の12,263ドルとなりました。その後、好決算期待から4月13日(木)は△7の12,270ドル、4月14日(木)は△14の12,285ドル、週末4月15日(金)は△56の12,341ドルと続伸しています。ただし、企業決算は好調ながら、4月6日の12,450ドルの年初来高値更新である程度織り込んでいる可能性が高く、また欧州の財政懸念が再燃していることで上値は重い展開となっています。

週末の3月消費者物価指数が予想を下回ったことでインフレ懸念が後退し、金融緩和が続く期待から米国債が上昇し、長期金利が低下してドル売り・円高基調となっています。欧州財政問題と金融緩和期待との綱引きで高値圏の上下動が続きそうです。

NYダウ

(指標)ドル/円

先週の予測としては、基本的には84.5~85.5円の間のもみあいが続き、その後、昨年9月17日の85.92円を目指す動きを想定していました。しかし、リスク回避の円買いとアメリカの長期金利の下落からドル売り・円買いが強まり、円高基調となりました。

4月12日(火)は、地震の連続発生や原油等の商品価格の下落などを背景にリスク回避の円買いとなり、さらに原子力保安院の「チェルノブイリに匹敵する」との評価で円買いが加速し、83.460円まで円が買われました。その後、83円台での推移が続き、4月14日(木)になると、欧州の財務問題の再燃、アメリカの長期金利の低下から82.954円までのドル売り・円買いが進み、引け値では83.480円で短期の売転換となりました。急上昇したあとの当然の反落ですが、アメリカの長期金利の動きと連動しており、長期金利の低下が続くようですと、83円水準を試す動きとなり、ここを切ると82円を試すことも考えられます。週末4月15日(金)は、アイルランドが格下げとなったことで再度82.956円までドルが売られ、終値は83.099円でした。

ドル/円