先週2月10日(木)は終値10,605円となってSQ値10,561円を上回って引ける

先週は、前週末2月4日(金)に△112円の10,543円とコール(買い)有利で終わったことで、SQ日[2月11日(金)が休日のため2月10日(木)]に向かって堅調な動きを想定し、まずは10,750円を試すとしました。NYダウが高値更新を続けているために高寄りするものの、82円台前半の円高推移であることで上値は重い展開となり、2月7日(月)は△48円の10,592円、2月8日(火)は△43円の10,635円の小幅続伸となり、2月9日(水)は10,701円と3日連続の高値更新となるものの、中国の利上げから上海株式が下落したことで▲18円の10,617の小反落となりました。週末2月10日(木)は、3連休を控えて手控えムード高まり、SQ値は10,561円と安く値が決まり、日経平均も▲43円の10,574円で寄り付きましたが、終値は▲12円の10,605円とSQ値を上回って引けました。安寄りしてのSQ値を上回った数値の形ですが、普通はSQ値が上値のしこりにならないために、翌週は堅調な動きが想定されることになります。

休日の間に為替が1円以上の円安へ

日経平均はNYダウの年初来高値から出遅れ修正が鮮明になって買われていますが、積極的に上値を追う形にはなりません。それは、現在の日経平均の本格的な戻りは為替の円安基調が必要だからです。先週2月10日(木)のメッセージで、為替の方からみてみると、アメリカの長期金利が景気回復期待から上昇しており、これまでドル/円相場の乖離が大きくなっており、いずれドルが買われて正常な乖離に追いついてくるとしました。目先は83.09円(より確実には1月27日の83.192円)を上回るドル高・円安となれるかどうかとしました。

2月10日(木)の日経新聞のドル/円分析では、市場では「円を下支えしているのは需給要因」との見方で一致している。そのため、今週始めから米国債の償還・利払いに伴い機関投資家のドル売り・円買いが出て一段と円買いが膨らむ可能性があるとしています。ところが、2月10日(木)のアメリカ市場では、エジプト大統領の辞任の可能性や「新規失業保険申請件数」が予想以上に減少したことを受け、米長期金利が上昇し、ドルが買われて一気に83円台となり、日経平均が休日の2月11日(金)は米経済指標の改善やエジプト大統領の辞任を受けて83.425円で引けました。NYダウも△43ドルの12,273ドルの終値となり、シカゴの日経225先物は10,705円となっていました。

ドル/円でドルが目先の上値を突破し、今週は円安進行で日経平均も上昇続く

先週末2月11日(金)のアメリカ市場は2月のミシガン大学消費者信頼感指数が予想を上回り、個人消費の持ち直し期待で小売関連株が上昇し、エジプト大統領の辞任発表で買い安心感が広がり△43ドルの12,273ドルの年初来高値更新となりました。NYダウは、日柄からいうと一服するところですが、先高期待から大きく下げてもすぐに押し目買いが入り、過剰流動性相場が悪材料もすべて飲み込んでしまう状況となっています。

為替は、ドル/円で週末のドルは83.43円で引けており、目先の上値ポイントとした1月27日の83.192円を抜けています。あとは、日本市場で1日を通して1月7日の83.676円を抜けて終われば、ドル高・円安基調が続くことになります。円安傾向に対しては、3月末に向けて国内の期間投資家の円買いが出やすい時期ですが、円安の方向が強いと思っています。というのは、チャートではドルからみると1月3日の80.927円と2月4日の71.128円でダブル底のような形を作り、2月10日に83.220円で買転換出現となっています。2月11日には、83.666円となって1月7日の83.676円に接近して抜けませんでしたが、ここを抜けると昨年11月29日の84.394円、12月15日の84.481円とダブル天井となっているところを試すことになります。今週、すぐにそういう動きになるかどうかはわかりませんが、多少時間をかけてもここを試して突破していくシナリオを想定しています。それがなければ、11,000円を超えていく相場は難しいといえます。この84円前半にあるダブル天井を抜けると通期の上方修正が大きく進み、日経平均のPERも低下して割安感が生まれ、外国人投資家がさらに買いあがることができます。

本日2月14日(月)は、先週のNYダウが再び高値を更新してきて終わり、円が1ドル=83円台の円安となっていることで△84円の10,689円で寄り付きました。内閣府が発表した2010年10-12月期の実質GDPは前月比▲0.3%と5期ぶりのマイナスでしたが、市場予想は▲0.5%となっており、すでに織り込み済みとなっていました。後場になると、中国の消費者物価指数の上昇率が予想を下回ったことで、金融引き締め懸念が後退し、上海株式が大幅上昇となったこともあって、日経平均は一段高となって△119円の10,725円の年初来高値更新となりました。日経平均がさらに大きく上昇していくためには、次は1月7日の83.676円を終値で超えてくる必要があります。今週は1ドル=83.676円に注目しつつ、日経平均の戻りがどこまで続くかみるところです。目先は10,900円台まで大きなフシはありません。

(指標)日経平均

先週は、2月10日(木)のSQに向けて、オプションからみるとコール(買い)有利のため10,750円を試す堅調な動きを想定しました。2月7日(月)は△48円の10,592円となって再度の買転換の状態に戻りました。ただ、NYダウは連日の昨年来高値を更新するものの、為替は82円台前半の円高推移していることから、高寄りして上げ幅を縮小し、そのまま膠着状態が続く展開でした。2月8日(火)は△43円の10,635円、2月9日(水)は寄り付き直後に10,701円と3日連続で高値更新するものの、中国の利上げを嫌気して上海市場が下落するとマイナスに転じ▲18円の10,617円となりました。2月10日(木)は3連休を控えていることで▲43円の10,574円で安寄りするものの、下げ幅を縮小し▲12円の10,605円となりました。2月のSQ値も10,561円と安く決まり、終値はこのSQ値を上回る10,605円で引けましたので、今週は基本的には堅調な動きが想定されます。さらに、休日の間にアメリカの長期金利の上昇からドルが買われ、目先の上値ポイントを抜けて83.43円で引けました。次は1月7日の83.676円を終値で上に抜けると円安基調がより鮮明になります。

本日は、アメリカ株高と円安基調を受けて△84円の10,689円で寄り付きました。前場は高値圏で膠着状態となっていましたが、後場になると、上海株式が大きく上昇したことで、日経平均も大引けにかけて一段高となり△119円の10,725円の高値引けとなりました。

日経平均

(指標)NYダウ

先週は、ダウ、ナスダックともに2年8カ月ぶりの高値となっており、先高期待から上値を追っているものの、出来高が減少して上値が重くなってきているようなので、そろそろ注意するところへきているかもしれないとしました。しかし、先高期待が持続する限り過剰流動性相場という特徴を考えると、大きく下落してもすぐに切り返すという動きで悪材料も飲み込む状況となっています。

例えば、2月8日(火)は中国の利上げに対しても一時▲11ドル下げてすぐに反発し△71ドルの12,233ドルと7日続伸となりました。2月9日(水)も▲53ドル下げて終値は△6ドルの12,239ドル、2月10日(木)はシスコシステムズの決算内容を嫌気して9日ぶりに▲10ドルの12,229ドルと反落するものの、週末2月11日(金)には経済指標の改善やエジプト大統領の辞任を好感し△43ドルの12,273ドルと昨年来高値を更新しました。日柄では、目先いったん一服してもおかしくないところですが、テクニカルモードが天井圏にはりついており、このような状態の時には反落してもすぐに回復するという状況が続くことになります。

NYダウ

(指標)ドル/円

先週の予測では、2月4日の81.128円の1月3日の80.927円に対するダブル底に近い形からの反発とすれば、ドルが戻りを試していく形となりますが、まずは1月27日の83.192円を上に抜けることが必要となるとしました。

2月7日(月)~2月9日(水)までは82円台前半での値動きが中心でしたが、2月10日(木)はアメリカ市場で「週間新規失業保険申請件数」が改善され長期債利回りが上昇したことで、ドルは83円台まで買われました。一時83.358円まで買われ83.220円の引けとなって買転換が再び出現しました。週末2月11日(金)は、ドルは目先の上値のフシを抜けたことで1月7日の83.676円試す動きとなり、83.666円まで買われましたが、突破できず83.425円で引けました。今回の買転換は1月3日の80.927円、2月4日の81.128円とダブル底を作って直近の1月27日の83.192円を突破しての買転換ですので、1月7日の83.676円を抜けると昨年11月29日の84.394円、12月15日の84.481円とドルのダブル天井となっているところを試しにいくことになります。

ドル/円