先週は10,182円を守って週後半反発

1月17日(月)の予測で、NYダウの当面の上昇サイクルは2月の第1~2週までは続くため、日経平均は2月のSQの週までは堅調としました。日経平均は、下げても基本的に12月20日の10,182円が下値ポイント(ここを割れても10,000円前後)としましたが、NYダウは上昇するものの、為替が円高水準のままであったことで上値を追う展開となることができず、1月28日(金)までの2週間は1月19日(水)の10,580円を高値、1月21日(金)の10,278円を安値とするもみあいとなりました。

そして、先週1月31日(月)の予測では、この日の安値が注目の下値ポイントとした10,182円と同値をつけて切り返したことで▲122円の10,237円と短期の売転換が出現しましたが、ここは押し目買いとし、「今週はSQ日1週前の先物・オプションの攻防となり、買い仕掛けが入る」としました。結局、2月2日(水)に前日のNYダウが△148ドルの12,040ドルと2008年6月以来の12,000ドル台のせとなったことで、81円台前半の円高ながら、日経平均の出遅れが目立ち△182円の10,457円となりました。さらに、週末の2月4日(金)は、アメリカの経済指標が好調なことから世界の景気回復期待が高まり、新日鉄と住友金属の2012年を目処とする経営統合のニュースを好感し、先物主導で△112円の10,543円となり、1月SQ(2月10日)に向けて堅調となるのが期待されます。

まずはSQ(2月10日)に向けて10,750円を試す動きへ

大人気の出島昇のブログ先週末2月4日(金)のアメリカ市場は注目の1月雇用統計が予想の14万5,000人を大きく下回る3万6,000人となったことで▲48ドルの12,025ドルまで下落するものの、大雪のための一時的な要因であるという見方が広がり、また失業率が前月の9.4%から9.0%へと改善されたことで△29ドルの12,092ドルと続伸しました。ただし、上値重く出来高が減少していますので注意する必要があります。特にナスダックは、1月28日(金)に短期の売転換が出現し、2,755Pを上に抜けば、急落する形となるところでしたが、先週末は△15Pの2,769Pとなりましたので、ひとまず安心となりました。

日経平均の方は、先週末は△112円の10,543円と大幅高となり、コール有利となっていますので、まずはオプションの10,500円から11,000円の中間である10,750円を試すことになります。現在の日経平均は、NYダウの12,000ドルのせから出遅れ感が強まり、円高にもかかわらず戻りを試していますが、より大きな戻りになるためには、やはり円安方向への動きが必要となります。そういう視点からは、ドル月円のチャート分析でドルが1月3の80.927円に対するダブル底のような形から反発すれば戻りを試していく形となるとしていました。そして、先週2月4日(金)に雇用統計の悪化を受けて81.128円まで急落(円高)し、一気に1円ほど戻して82.192円で引けていました。まだ現時点では確定とはいえませんが、1月3日の90.927円に対して2月4日の81.128円がダブル底になったとすれば、当面は円高リスクはなくなったといえます。

本日は、アメリカ株高と、為替が81円台から82円台への円安となっていたことから△97円の10,641円と1月13日の高値10,620円を超えて寄り付きました。しかし、10,644円をピークに上げ幅を縮小し、目新しい材料もないことから出来高も減少して△48円の10,592円で引けました。柴田罫線では、ろあ買が出現して再び買転換の状態となり、2月10日(木)のSQに向けてまずは10,750円を目指す動きといえます。ここを抜けると、10,900円が視野に入りますが、それにはアメリカ株式と為替の動き次第となると思われます。

(指標)日経平均

1月31日(月)の日経平均は▲122円の10,237円となって短期の売転換が出現しましたが、押し目買いの形とし、この週はSQ1週前のオプションのプット・コールの攻防となるところから、買い仕掛けが入って反発することを想定しました。その場合、12月20日の10,182円を守って反発か、それともいったん割ったあとに反発かとしていましたが、この日に10,182円の安値をつけて切り返し、2月1日(火)は△36円の10,274円となり、2月2日(水)は、前日のNYダウの△148ドルの12,040ドルを受けて、81円台の円高ながら△182円の10,457円の大幅上昇となりました。2月3日(木)は▲26円の10,431円と小反落したあと、週末2月4日(金)にはアメリカの経済指標の好調さと新日鉄と住友金属の経営統合のニュースを受け、先物主導で△112円の10,543円の大幅高となり、1月のSQ値10,470円を突破して引けました。想定したように、好材料も加わって週後半に買い仕掛けが入りコール(買い)有利で終わりました。

このまま上昇し、終値で10,597円以上で引けるとろあ買いが出現して再び買転換の状態となり、10,620円を超えるとまずは10,750円となります。本日は、△97円の10,641円と1月13日の10,620円を突破して寄り付くものの、上げ幅を縮小して△48円の10,592円で引けましたが、ろあ買出現となって再度の買転換の状態を回復しました。今週は、まずは10,750円を目指すことになります。

日経平均

(指標)NYダウ

1月31日(月)の分析では、前週末1月28日(金)にエジプトの政情不安を嫌気し、NYダウは▲166ドルの11,823ドルの大幅下落となって柴田罫線で陰線が1本出てきました。ここから深押しせずに次の反発で1月26日の12,020ドルを上に抜けると、一段高の期待ができるとしました。

結局、好調な経済指標やエジプト情勢の一服からすぐに切り返し、2月1日(火)は1月ISM製造業景況指数の大幅改善を受けて△148ドルの12,040ドルと2008年6月以来の12,000ドル台を回復しました。その後は、12,000ドルの大台固めの動きとなり、週末2月4日(金)は1月雇用統計が予想を大きく下回ったことで▲48ドルの12,025ドルとなるものの、失業率が2009年4月以来の水準へ改善されたことで△29ドルの12,092ドルで引けました。ダウは2年半ぶりの高値、ナスダックは3年ぶりの高値となりました。ただし、出来高が減少し、上値が重くなってきていますので、そろそろ注意するところへきているのかもしれません。

NYダウ

(指標)ドル/円

先週の予測では、1月19日の81.854円の安値をつけてからの動きをみると、1月27日の83.192円を高値とするボックスの中で売買法則が交互にでる保ち合いの状態となっており、どちらかブレた方に動くとしました。また、下にブレた場合は、1月3日の80.927円に対するダブル底のような形を作って、本格的な戻りのパターンになるという想定もしました。

1月31日(月)までは、引け値で82.040円と82円台を維持していましたが、エジプトの長期格付けの引き下げやユーロ圏12月失業率の改善などでドル売りが加速し、米国株の上げ幅拡大でドル売りが強まり81.336円と81円台前半への円高しんこうとなりました。その後は、81.500円を挟んだもみあいとなっていましたが、週末2月4日(金)は注目の雇用統計が予想を下回ったことで81.128円までドルが売られました。そのあと、失業率が2009年4月以来の改善となったことで82.458円まで買われ、引けは82.192円となりました。安値から1円以上の上昇となっています。この日の81.128円が1月3日の80.927円に対するダブル底に近い形からの反発とすれば、ドルが戻りを試していく形となりますが、まずは1月27日の83.192円を上に抜けることが必要となります。

ドル/円