先週はNYダウの一時12,000ドルの回復にもかかわらず一服局面続く

先週の1月24日(月)の予測では、一服局面が続き、2010年12月20日の10,182円を守れるかどうかに注目としました。ポイントはFOMC声明でアメリカの景気回復が確認されればドル買い・円安となって、それをキッカケに再上昇開始も想定していましたが、為替は対ユーロでは円安進行となったものの、対ドルでは82円台の円高水準のままでした。

1月25日(火)には、前日のNYダウの△108ドルの11,980ドルを受けて△119円の10,464円となり、翌日(1月26日)は▲62円の10,401円と反落するものの、この日の引け後のアメリカ市場で、NYダウが一時2008年6月以来の10,200ドル回復となったことで、1月27日(木)は△76円の10,478円となりました。しかし、10,500円から上は上値重く、真空地帯を戻したに過ぎませんでした。そして、週末1月28日(金)は日本国債の格下げをキッカケに▲118円の10,360円と反落し、結果的に予測通り一服局面が続いたことになります。

今週はSQ1週前の先物・オプションの攻防・・・どこかで買い仕掛けが入る可能性

先週末1月28日(金)のアメリカ市場は、10-12月期GDP速報値が予想の△3.5%を下回る△3.2%となったものの、個人消費が予想を上回ったことで、NYダウは一時△22ドルの12,012ドルと12,000ドルを回復しました。しかし、自動車大手のフォードが四半期決算で大幅減益となり、また石油大手のシェブロンなどが市場予想を下回ったことで大きく売られ、さらにエジプトの反政府デモが中東全体に広がっていくのではという懸念から、NYダウは▲166ドルの11,823ドル、ナスダックは▲68Pの2,686Pの大幅下落となりました。NYダウは売りの形ができての下げではなく、上値のフシにいったん到達したことでの一服局面とみてよいでしょう。

日経平均もSQ(2月10日)を前にやっと動きが出てきました。先週の予測では、2010年12月20日の10,182円、2010年12月30日の10,209円のダブル底を作っているところを守れるかとしましたが、円高にもかかわらずNYダウが12,000ドルにのせる動きとなったことで、日経平均も10,500円近辺まで戻る動きとなりました。しかし、週末は日本国債の格下げを受けて▲118円の10,360円となり、さらに本日(1月31日)は、先週末のエジプトの緊迫化とNYダウの大幅安を受けて、一時2010年12月20日以来の10,200円割れの10,182円まで下落し、終値は▲122円の10,237円となっています。本日前場には、先週に予測した“2010年12月20日の10,182円を守れるかに注目”とした10,182円までピッタリ下げて反発し、前日比では▲122円の10,237円ですが、日足でみると寄り付きが▲140円の10,219円ですので、陽線となっています。

本来ならば、今日・明日と連続の陰線となって10,182円を守れば、買いの形になるところでしたが、そうはなりませんでした。本日、日足が陽線となっているので、その分調整が少し延び、今週の後半に買い仕掛けが入る確率が高いといえます。もちろん、これにはエジプトの政情不安が拡大しなければという前提です。また、チャートの形では、2010年12月20日の10,182円を切るとロスカットの売りが出て、先週もコメントしたように、2010年12月1日の9,988円の窓埋めの可能性も出てきます。しかし、そういう下げをしても押し目買いの状況は変わりません。

1つのやや楽観的なシナリオですが、NYダウも下げ、新興国市場も下げ、商品市況も軟調となれば、有り余ったマネーはどこに流れるでしょう。日本株の出遅れは顕著といると考えられ、日本株に有利な状況も生まれてくるかもしれません。

(指標)日経平均

前週末1月21日(金)の日経平均は、中国の利上げ懸念と対ドル・ユーロで円高が進み、25日移動平均線(10,400円)を割ると、先物主導で売り込まれて▲162円の10,274円となりました。1月24日(月)は△70円の10,345円と反発し、この時点での予測は、NYダウがいったん一服する可能性があり、日経平均は2010年12月20日の10,182円を守れるかどうかに注目としました。しかし、この日の引け後のNYダウは△108ドルの11,980ドルとなり、これを受けて、1月25日(火)の日経平均は△119円の10,464円となりましたが、10,500円までは真空地帯の戻りですので上値は重いとしました。1月26日(水)は▲62円の10,401円、1月27日(木)は△76円の10,478円ともみあいましたが、週末はS&Pによる国債格下げ報道から▲118円の10,360円の終値となりました。

先週、10,182円を守れるかに注目としましたが、週末のNYダウがエジプト情勢の緊迫化を嫌気して▲166ドルの11,823ドルと下げ、ドルも82円前後の円高となってきたことで、本日の前場は10,182円ピッタリまで下げ、終値は▲122円の10,237円となって短期の売転換が出現しました。ここでの売転換は、押し目買いの形とみてよく、まずはこのまま10,182円を守れるかどうかとなります。エジプト情勢次第では10,182円を割るとダブル底を下に切ることになるので、ストップロスが出て2010年12月1日に窓を空けた9,988円を埋める動きも想定されます。

日経平均

(指標)NYダウ

前週末1月21日(金)は△49ドルの11,871ドルとなって、2008年8月11日の11,867ドルを終値で上に抜けたことで、次の上値のフシは12,000ドルの心理的フシになってきますが、同時に2010年7月2日の9,614ドルからの上昇トレンド(B)の上値斜線にあたるところとしました。ナスダックが25日移動平均線まで下落してきたので、NYダウも追随する可能性を想定していましたが、1月26日(水)にはオバマ大統領の法人税引き下げ表明を受けて一時12,020ドルまで買われました。しかし、終値は上げ幅を縮小して△8ドルの11,985ドルとなりました。1月27日(木)も12,019ドルまで買われるものの、終値では△4ドルの11,989ドルと12,000ドル台を回復できませんでした。そして、週末は10-12月期GDP速報値が予想を下回り、ナスダックのシステムにトラブルが起き、さらにエジプト情勢の緊迫化からリスク回避でドルと株が売られ、NYダウは▲166ドルの11,823ドルと久しぶりの大幅下落となり、柴田罫線にも陰線が一本出てきました。ここからあまり深押しせず、次の反発で1月26日の12,020円を上に抜けてくると一段高が期待されます。

NYダウ

(指標)ドル/円

先週は82~83円のもみあいが基本で上値を伺う動きとしました。安値は1月26日(水)の81.980円、高値は1月27日(木)の83.192円となり、結局、82~83円のもみあいが続きました。

1月24日(月)は、アメリカの金利が上昇して対ユーロでドルが買われたことで、円も対ドルで82.911円まで買われました。1月26日(水)には、商品市場が軟調となり、円が買われて81.980円のドル安となりましたが、1月27日(木)には日本国債の格下げから円が急落して83.192円となりました。しかし、円安は長く続かず、1月28日(金)はアメリカGDPが予想を下回ったことで、NYダウが下落してドル売り・円買いとなり、82.005円まで売られて82.116円で引けました。1月19日の81.854円の安値をつけてからの動きをみると、1月27日の83.192円を高値とするボックスの中で売買法則が交互にでる保ち合いの状態となっており、どちらかブレた方に動くことになります。下にブレた場合は、1月3日の80.927円に対するダブル底のような形を作って、本格的な戻りのパターンということになる可能性があります。

ドル/円