先週は想定に反して反落…中国の利上げ懸念が悪材料

先週のメッセージでは、2月SQの週までは堅調相場を想定し、1月14日(金)のSQ値は10,470円と安寄りして、終値は10,499円とSQ値を上回って引けたので堅調な動きになる可能性が高いとしました。ただし、本当に上昇する形はSQ値が高く寄って、終値がさらに高く終わる形でしたが、そうはなっていないのでどうかなというところはありました。

週前半は小幅ながらも3日続伸となって、1月19日(水)は△38円の10,557円で引けましたが、引け後の海外の為替市場で円が1ドル=81.85円までの円高となり、1月20日(木)の日本市場では、対ドル・ユーロで円高方向になっていることを嫌気し、主力の輸出関連株中心に利益確定売りから▲119円の11,437円と1月のSQ値10,470円を割り込んで引けました。1月6日(木)以降10,500円を挟んだ狭いもみあいとなっていましたが、このもみあいを下放れした形となりました。その後、中国のGDPが△10.3%と予想を上回り、さらに消費者物価指数も予想を上回ったことで、金融引き締めを加速させるとの懸念から、NYダウは一時▲80ドルまで下げる場面もありました。NYダウは金融株が下支えとなって▲2ドルの11,822ドルと下げ幅を縮小しましたが、ナスダックは▲21Pの2,704Pの下落でした。これを受けて、1月21日(金)の日本市場は、為替が円安方向となっていたことで△21円の10,459円と小高く寄り付くものの、一転マイナスに転じ、先物主導で下げ幅を拡大して25日移動平均線(この時点で10,400円)を割り込むと、後場には大幅安となって▲162円の10,274円で引けました。週末を控え、中国の利上げ懸念もあり、利益確定売りが集中して出来高を伴って下落しました。出来高を伴う下げは、上値で売り残しが少なくなりますので、反発する時に戻りやすくなります。

今週はFOMC声明で為替がどう動くか

先週末1月21日(金)のアメリカ市場は、GEの10-12月期の好決算を受けて、NYダウは△49ドルの11,871ドルとなって2年7ヶ月ぶりの高値更新となりました。しかし、ナスダックの方はグーグルなどの好決算にもかかわらず利益確定売りが先行し、▲14Pの2,689Pと3日続落なりました。NYダウの方は、過剰流動性相場から高値を更新していますが、ナスダックの方は25日移動平均線まで下げてきており、日経平均と同様に今週はもう少し調整が続く可能性があります。NYダウは、1月21日(金)でザラ場で11,905ドル、終値で11,871ドルとなって、2008年8月11日の11,867ドル(リーマンショック前の二山形成の高い方の山)を超えましたので、いったん目標達成となって一服してもおかしくないところです。終値で2ドル突破というところが微妙なところです。目先は、世界的に株式の一服局面に入っているものの、NYダウだけが高値更新を続けていますので、そろそろ追随してもおかしくありません。

日経平均はドル/円の方向感が定まらないところから、なかなか上値を追うことができません。近いうちに円安へ動く可能性が高いと思っていますが、それは82円台、83円台ともみあって円安方向の動きとなるのか、それともチャートの形としてドルからみると、2010年11月29日の84.394円、2010年12月15日の84.481円とダブル天井を作り、下値では今年1月3日の80.927円に対するダブル底の形ができていません。1月19日に81.854円まで下げましたが、形としては中途半端といえます。どちらの動きになるのかわかりませんが、今週はFOMCがあり、この声明でアメリカ経済の景気回復が順調であることに言及されれば、ドルが買われて円安となり、日本株式の上昇のキッカケになるかもしれません。そうでなければ、もう少し調整が続くことになります。

日経平均は、ザラ場で2010年12月20日の10,182円、2010年12月30日の10,209円とダブル底のような形を作っていますので、これを守れるかどうかに注目となります。私は、NYダウが大きく下げたり、円高が大きく進んだりしなければ守れると思っています。しかし、ここを守れなければ2010年12月1日に窓を空けた9,988円を埋める動きも想定されますが、そこは買いチャンスとなります。日経平均で下げても300円強ですので、過度の下げを現時点では心配する必要はないと思われます。

本日の日経平均は、先週末の欧米株式の反発を受け、△44円で寄り付いて狭いレンジの動きとなったあと、じり高となって△70円の10,345円と堅調な動きとなりました。しかし、今週から本格化する決算を前に買い上がる動きはなく、出来高も大きく減少しています。今週は、決算発表を受けて個別株物色になる可能性もあります。

(指標)日経平均

前週末1月14(金)は、1月SQ清算値が10,470円で、日経平均の終値が10,497円となったことで、悪材料が出なければ今週は堅調な動きになる可能性が高いとしていました。

1月17日(月)は△3円の10,502円、1月18日(火)は△16円の10,518円、1月19日(水)は△38円の10,557円と小幅ながら3日続伸となりました。しかし、1月20日(木)は中国の経済指標が予想を上回っていることから利上げ懸念が広がり、▲119円の10,437円となって、1月のSQ値10,470円を下回って引け、小さなもみあいの下放れのような形になりました。引け後のアメリカ市場では、中国の2010年10-12月期GDPが強い数字となったことで金融引き締めの動きを加速させるとの懸念で、NYダウは一時▲80ドルまで下げました。終値は▲2ドルでしたが、ナスダックは▲21Pの下げでした。週末1月21日(金)の日本市場は、中国の利上げ懸念と週末の利益確定売り先行で、25日移動平均線(10,400円)を下に切ると先物主導の売り展開となり、出来高を伴いながら一段安となり、▲162円の10,274円で引けました。本日1月24日(月)は、NYダウが先週末に△49ドルの11,871ドルと2年7ヶ月ぶりの高値更新となったことで△44円の10,318円で寄り付きましたが、上値を追う動きはなく、せまいレンジでのもみあいとなって△70円の10,345円で引けました。NYダウを除く世界の株式が一服局面となっていますので、NYダウもいったん追随する可能性があります。日経平均は、2010年12月20日の10,182円を守れるかどうかに注目となります。守れなければ、2010年12月1日の9,988円の窓埋めくらいを想定しておくと良いと思います。

日経平均

(指標)NYダウ

前週末1月14日(金)は、金融株が買われて一時11,794ドルとなって、2008年9月2日の11,790ドルを突破したことで、次の上値ポイントは2008年8月11日の11,867ドルとしました。先週の想定では、この水準ではもみあっていったんの調整も考えられるところであるともしました。連休明けの1月18日(火)は、欧州財政懸念が後退したことや、景気回復期待を背景に一気に11,859ドルまで買われて、終値は△50ドルの11,837ドルとなりました。2008年8月11日の11,867ドルに接近したこともあり、上値が重くなって1月19日(水)は▲12ドルの11,825ドル、1月20日(木)は▲2ドルの11,822ドルとなりましたが、週末1月21日(金)はGEの決算が好感されて一時11,905ドルと11,867ドルを突破し、終値は△49ドルの11,871ドルとなって、終値でも2008年8月11日の11,867ドルを突破して引けました。これだと、次の上値のフシは12,000ドルの心理的フシとなってきます。上昇トレンド(B)の上値斜線にもあたるところです。

NYダウ

(指標)ドル/円

欧州経済不安の後退からユーロが買われ、ユーロに対しては円安が進んでいますが、対ドルでは82~83円のボックス相場となっています。先週、ドルが戻りを試す形(円安方向の動き)としては、82円台、83円台ともみあいながら徐々に戻していく場合と、もう一度ドル安に大きく振れて1月3の80.927円に対するダブル底のような形を作って反発という形もあるとしました。

先週は、1月19日(水)に中国の△10.3%のGDPを受けてアジア通貨高の思惑から円も買われ、また米長期金利低下からドルが売られて一時81.854円まで円高が進みました。1月20日(木)は、米経済指標で予想を上回るものが多く、ドルが買われて83.113円まで上昇し、終値は82.981円となって買法則が出現しました。週末1月21日は米長期金利の低下でドル売り優勢となって82.617円で引けました。

1月20日の82.98円の買法則が買転換するためには、1月7日の83.676円を突破する必要があります。逆に、1月19日の81.854円を下に切ると1月3日の80.927円を試す確率が高くなります。今週も82~83円のもみあいが基本で、上値をうかがう動きとなりそうです。

ドル/円