先週の10月5日(火)の予測では、日経平均がそろそろ再上昇の基点に接近しているとし、今週から来週にかけてどこかで安値の基点をつけて上昇に転じるパターンを想定しました。日経平均の週足では、すでに買いの形が出来てきており、あと日足で買いの形が出来ると再び戻り相場に入っていくとしました。10月4日(月)に、前場、後場連続の陰線となっていれば買いの形が出来上がるところでしたが、前場は△81円の9,486円の陽線、後場▲23円の9,381円の陰線となったものの1日を通してみると陰線の形となってやや不完全ではありますが、買いの形になりつつあるとしました。

そして10月5日(火)の前場に9,332円と直近の安値をつけたあと、前引けは△1円の9,382円と下げ幅を縮小し、後場になると、日銀の金融政策決定会合の結果が発表され、市場の予想外のゼロ金利政策を打ち出したことで、サプライズとなって△137円の9,518円となりました。これを受けて、日本市場の引け後のアメリカ市場では、NYダウは9月30日(木)に10,948ドルとなって、5月5日の10,946ドルを更新後、急落となっていったんの調整に入りつつあるところでした。しかし、10月4日(月)の10,711ドルを安値に10月5日(火)には、日銀のゼロ金利政策を受けて、世界的な金融緩和競争が始まって経済を下支えするという見方から△193ドルの10,944ドルと反発し、10月7日(木)には10,998ドルまであって▲19ドルの10,948ドルとなりました。

為替は、アメリカで指標の悪化が相次いでいることで、FRBの追加の金融緩和への期待が高まり、10月8日(金)発表のアメリカの雇用統計やG7を控えて、政府・日銀は円売り介入ができないとの見方から、10月7日(木)は82円12銭まで円高が進み、10月8日(金)も82円台前半での動きとなっていることを嫌気し、日経平均は▲95円の9,588円の続落となりました。日経平均は、10月7日(木)に9月21日の9,704円を上に抜ける9,716円まであって目標達成感から利益確定売りとなっていますが、チャートの形からは10月5日(火)の9,332円からの上昇となって、時間をかけてでも6月21日の10,251円を目指すパターンを想定しています。ただし、NYダウがいつ調整に入ってもおかしくない状況ですので、NYダウが大きく下落すれば、当然つれ安となりますが、現時点では日経平均はそれほど大きな調整にならないとみています。10月5日の9,332円を下に切ると仕切り直しとなってしまいますが、今のところは下げても9,332円から9,716円の陽線の中の動きであれば問題はありません。早い切り返しのためには為替の円高一服が必要となりますのでG7を終えた日本政府の円安介入ができるのかどうかにかかっています。

先週末(10月8日)のアメリカでは、9月の雇用統計が大幅悪化したことで、ドルが急落し円に対して一時81.72円と82円を下に切りました。これがFRBによる追加の金融緩和を早めるとの観測から株式市場は△57ドルの11,006ドルと5月3日以来の11,000ドル台のせとなりました。ただし、出来高は低調ですのでキッカケ次第では急落の可能性を含んだ上昇ともいえます。

チャートの形は1万円を目指す形だが円高に歯止めがかかるのかが前提

今のアメリカ市場は悪材料がでるとFRBの追加の金融緩和への期待が高まり、逆に日本株は円高によって上昇できないという状況になっています。NYダウは上昇の中に売りの形を含みながら上昇しており、又、商いも低調であることから何らかのキッカケ待ちといえます。来月始めのFRBの発表を待って材料出尽くしとなる場合もあります。この場合ドル安の流れが止まるかどうかとなります。そうでなければNYダウの上昇には連動せず下落には連動するという最悪のパターンとなってしまいます。日経平均をみると9月21日の9,704円、10月7日の9,716円とダブル天井のような形をつくっており、押しが浅く、9,766円を上にぬければ上放れのような形となって上昇スピードが早まることになります。逆に10月5日の9,332円を終値で切ると仕切り直しとなります。まずは、SQ値の9,692円をぬけるかどうかですが、すべて為替にかかっています。すでに82円を切りましたので次のターゲットは1995年の79.75円であり、ここまでフシはありません。81円を切っても政府の介入がなければこの79.75円を突破する円高が想定されます。今週は政府の介入があるのかどうかに注目するところです。

(指標)日経平均

先週は10月5日(火)の前場に9,332円の安値をつけたあと、後場に日銀が市場の予想外のゼロ金利政策を復活させたことで△137円の9,518円となり、翌日(10月6日)も△172円の9,691円と続伸して、ろあ買が出現し再度の買転換の状態となりました。しかし、日銀のゼロ金利政策にもかかわらず、アメリカの経済指標の悪化がFRBによる早期の追加の金融緩和期待からドル安が進み、日本政府・日銀も円安介入できないとの見方から円高が進行し、先週末は82円台前半の円高を受け▲95円の9,588円で引けました。3連休明けの日本市場は、先週末のアメリカの雇用統計の悪化からドルが急落し82円を割りました。3連休明けの日本市場は、寄り付き時点では円高が一服していたことで△59円の9,648円で寄り付きましたが、すぐに円高進行となって82円を突破すると全面安となって▲200円の9,388円となりました。10月5日の9,332円を切ると、仕切り直しとしましたように9月21日の9,704円、10月7日の9,716円とダブル天井の形となっているため、再度下値確認の動きとなります。政府が何もしなければ1995年の79円75銭を試すことになり、9月8日の8,997円を試すことになります。今は為替の円高がどこで歯止めがかかるかみる他はないところです。

日経平均

(指標)NYダウ

先週は、9月30日(木)に10,948ドルの戻り高値をつけて5月5日の10,946ドルを2ドル更新したあと、いったん下落するものの、FRBによる追加の金融緩和期待から深押しせず、10月4日(月)に10,711ドルの安値をつけたものの、10月5日(火)の日銀の金利政策を受けて世界的な金融緩和競争で経済を支えるとの見方から、△193ドルの10,944ドルとなってろく買が出現しました。高値圏でのろく買は売転換になりやすいので注意が必要です。特に、目先は11,000ドル前後に大きなフシがいくつかあり、そのまま11,000ドル台にのせていくのは難しいみています。10月6日(水)は10,974ドルまであって△22ドルの10,967ドルとなり、10月7日(木)は10,998ドルと11,000ドルを目前に失速して▲19ドルの10,948ドルとなりました。

先週の10月8日(金)は9月の雇用統計が大幅悪化となったことでドルが急落し円は一時81.72円とドル安・円高となりました。しかし、これによってアメリカ経済の回復の遅れが確認されたことになり、FRBは早い時期に追加の金融緩和を発表するとの観測から、NYダウは△57ドルの11,006ドルと5月3日以来の11,000ドル台のせとなりました。ただし、出来高が低調ですので要注意の上昇といえます。昨日のNYダウは、今週から発表される7-9月期の決算期待から買い優勢となり△3ドルの11,010ドルの小幅続伸でした。

NYダウ

(指標)ドル/円

先週の予測では、9月15日の円売介入により9月17日に85.92円までの円安となったものの介入効果がほとんどなくなってしまったので日銀の追加の金融緩和によっていったんの円安となるところで84.29円を突破できれば85円もとしました。だたし、日銀の追加の金融緩和があっても、その後FRBによる追加の金融緩和がくるので一方的な円安にはならず、あとは政府の円安介入がどうなるかにかかっているとしました。

10月5日(火)に日銀は市場の予想外のゼロ金利政策を発表しました。しかし、83.959までの円安が精一杯で84.29を突破できず、逆に世界的な金融緩和の流れとなる見方から円が買われる展開となりました。10月6日(水)は「米9月ADP全国雇用者数」の悪化からFRBの早期の追加緩和観測が高まりドルは一気に82.681円と年初来安値を更新する動きとなりました。その後さらにドル安円高が進み週末の10月8日(金)は「米雇用統計」の大幅悪化で一時81.72円までドルが急落し82.074円で引けました。今週はG7も終わりさらに円高が進めば日本政府による円高阻止のための円売介入への警戒感もでてくることからいったんのドルの戻りを試す(というより円高一服)局面となりそうです、FRBの追加の金融緩和を控えていますので介入がなければ先週末は82円を切っていますので1995年の79.75円を試す展開が想定されるところです。

ドル/円