先週は急落を挟んでもみあいの展開へ

先週は、9月6日(月)の△187円の9,301円でろあ買出現となって、8月30日の9,149円を抜けたことで戻りを試す動きへとしたものの、4日連続の上昇で500円幅の上昇となり、その上昇も出来高・売買代金ともに低水準で先物主導による買い戻しのためキッカケ次第で急落になるとしました。為替も円高一服といっても84円台前半の円高水準のままのため、楽観はできないともしていました。結局、9月7日(火)にアメリカのウォールストリートジャーナル誌が7月に公表された欧州銀行のストレステストの結果について、一部の金融機関が国債保有額を過小申告していたと報じたことで金融不安が再燃し、ユーロにつられてドルが売られ、円が1ドル=83.51円までの15年3カ月ぶりの高値となり、NYダウは▲107ドルの10,340ドルと大幅反落となりました。その後は、NYダウが経済指標の改善を受けて反発したことで、週末の日経平均は△140円の9,239円まで戻ることになりました。この日の引け後のNYダウは、国際エネルギー機関(IEA)が、今後の世界の原油需要の見通しを上方修正したことでエネルギー株が買われ、中国の8月輸入総額が前年同期比△35.2%と予想を上回ったことで△47ドルの10,462ドルと1カ月ぶりに200日移動平均線(10,451ドル)を上回り、柴田罫線ではろく売が出ました。しかし、日足の上昇の仕方からは、売りの形を含んでおり、柴田罫線のこの位置でのろく買も売り法則に転換しやすい形ですので、NYダウの動きには要注意といえます。

明日の民主党代表選の結果に注目

NYダウを見ると、週末(9月10日)は△47ドルの10,462ドルとなって年初来プラスを1カ月ぶりに回復し、柴田罫線でろく買の形となったものの、日足ではテクニカルモードでも近々ピークを迎え売りに転じる可能性が高いとみています。その場合、高値圏でもみあったあと下落となるのか、それともすぐに下落となるのかはわかりませんが、9月7日(火)の安値10,332ドルを終値で切ると柴田罫線が売転換となり、まずは1万ドルを試す動きとなります。すでに、8月30日(月)の分析で、NYダウは中途半端な位置からの反発となっており、再度1万ドル割れを試す動きになるとしましたが、戻した分だけさらに下げが深くなってきます。前回では、9,800ドルまでの下げを想定していましたが、それを下回ることになると想定しています。もちろん、相場のことですから想定通りにならない場合もありますが、民主党の代表選がキッカケを与えることになる可能性があります。市場の見方は、管首相が選ばれれば円高・株安、積極財政の小沢氏が選ばれれば円安・株高というものですが、NYダウの上昇の形の中に売りの形が現れてきているということは、管首相が勝つということを暗示しているとみることもできます。例え小沢氏が勝って円安・株高となっても一時的なものとみた方がよいでしょうし、再下落のあとの本格的な追加の景気対策待ちとなりますし、管首相が勝てば円高が一気に進んで日経平均も急落し、催促相場となって投げが出て、追加の景気対策が出て当面の底打ちというシナリオなどが考えられます。

本日(9月13日)は、先週末のNYダウが1カ月ぶりの高値となり、為替も84円台前半と円高一服となっていたことで、△86円の9,325円で寄り付き9,390円までありましたが、明日の民主党代表選を前に上値は重く、上げ幅を縮小して△82円の9,321円で引けました。日経平均は、本日の前場で9月6日(月)の終値9,301円を超えない陰線になると売りの形となるところでしたが、前引けは△92円の9,331円と陽線となったことで売りの形は解消しました。しかし、NYダウに、もう少し上昇があったとしても売りの形が含まれているため要注意といえます。

(指標)日経平均

9月6日(月)に9,301円でろあ買(短期の買転換)が出現したものの、薄商いの中の上昇であり、ここからの上値ポイントはまずは9,362円としました。基本的には、NYダウにサポートされての買戻しを中心とした反発ですので様子見としました。そのNYダウが3連休明けの9月7日(火)に、欧州で金融不安が再燃し、為替が1ドル=83.51円と15年3カ月ぶりの円高となったことで▲107ドルの10,340ドルの大幅反落となりました。これを受けて、9月8日(水)の日経平均は▲201円の9,024円の下落となりましたが、翌日(9月9日)はポルトガルの国債入札が無難に通過して欧州の金融不安が後退したことによるNYダウの反発を受け△73円の9,098円となりました。週末の9月10日(金)もNYダウが続伸したことや、日本振興銀行の破綻で円安となったことで先物の買い戻しから大幅反発となり、SQ清算値や25日移動平均線を超えていることで買い安心もあり△140円の9,239円となりました。本日(9月13日)は、半日足でみると9月9日(木)の後場、9月10日(金)の前場・後場と3連続で陽線となって、9月6日(月)の9,311円以内となっていたことで、前場に9,311円を上に抜けた陰線となれば下落という形でした。しかし、前場は△92円の9,331円の陽線となったことで売りの形を回避しました。あとは、明日の民主党代表選の結果待ちとなりますが、どちらにしろNYダウの上昇にはすでに売りの形が含まれているので要注意です。

日経平均

(指標)NYダウ

前週末の9月3日(金)は、注目の雇用統計が予想を大きく上回る改善となったことや、オバマ政権の追加の景気刺激策への期待から△127ドルの10,447ドルで引けました。9月6日(月)はレーバーデーで休場でしたが、9月7日(火)は欧州で金融不安が再燃し、ユーロ安・ドル安となって円は1ドル=83.51円と15年3カ月ぶりの円高となり、NYダウは▲107ドルの10,340ドルの大幅反落となりました。しかし、9月8日(水)にはポルトガルの国債入札が無難に通過したことで欧州の金融不安が後退し、オバマ大統領の企業減税を柱とする総額15兆円の追加景気対策があり△46ドルの10,387ドルの反発となりました。オバマ大統領の追加の景気刺激策は「小さすぎて遅すぎる」という見方が多く、反応は限定的となっています。ということは、いずれさらに追加の景気刺激策を催促する下落相場になってくる可能性が高いといえます。9月9日(木)は、新規失業保険申請件数が改善したことで一時10,476ドルまでありましたが、終値は△28ドルの10,415ドルとなり、週末の9月10日(金)は国際エネルギー機関(IEA)が、今後の世界の原油高見通しを上方修正したことでエネルギー株が買われ、NYダウは△47ドルの10,462ドルとなりろく買が出現しました。しかし、この位置でのろく買いは4月26日の11,258ドルからの下降トレンドラインに上値を押さえられ、もう少し上があったとしても、9月7日の10,332ドルを下に切って売転換となる確率が高いとみています。

NYダウ

(指標)ドル/円

前週末の9月3日(金)のアメリカの雇用統計が予想を上回ったことで、NYダウが上昇し85.216円まで買われましたが、その後発表されたISM非製造業景況指数が予想を下回ったことで引けは84.286円となりました。先週は、民主党の代表選で小沢氏有利になってくるとドル高・円安が進んで、8月31日の高値84.659円を終値で抜けると8月30日の85.900円を目指すとしました。しかし、結果的にはドルは戻りを試すことなく円高進行となりました。その原因は、9月7日(火)にアメリカのウォールストリートジャーナル誌が7月のストレステストで、一部の銀行が国債の保有残高を過少申告したと報道したことで、欧州の金融不安が再燃し、ユーロ売り・ドル売りとなってリスク回避の円買いが進行し83.510円と15年3カ月ぶりの高値となりました。9月8日(水)の東京市場で円高が83.332円まで進行し、引けは83.871円となりました。9月10日(金)は、日本政府が緊急の経済対策を閣議決定し、介入を含む断固たる措置をとるとしたことで、一時84.360円まで円が売られ、引けは84.163円となりました。チャートを見ると、今度は85.22円が上値ポイントとなってきました。代表選の結果によっては円安への戻りもありそうですが、基本的な流れは円高のままとなっています。

ドル月円