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勘違い?相続・贈与でもらった株にかかるのは相続税・贈与税だけではない
足立 武志
知らなきゃ損する!今日から使える税金のキホン
難しくよくわからない「税金」。だれでもわかるように、知らないと損する情報を公認会計士・税理士かつ個人投資家がお届けします。

勘違い?相続・贈与でもらった株にかかるのは相続税・贈与税だけではない

2017/6/30
上場株式を相続や贈与で受け取れば、相続税や贈与税がかかるのは当たり前の話。でも、相続税や贈与税を払えばその後は税金からまぬがれて一件落着!とはいかないこと、ご存知ですか?
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上場株式を相続や贈与で受け取れば、相続税や贈与税がかかるのは当たり前の話。でも、相続税や贈与税を払えばその後は税金からまぬがれて一件落着!とはいかないこと、ご存知ですか?

相続や贈与でもらった株、その後にかかる税金とは?

相続や贈与により上場株式を受け取った場合、相続税や贈与税がかかることはご存知だと思います。でも、その株に対し、さらに税金がかかることを知らない方も結構いらっしゃるようです。

もし、相続や贈与により受け取った上場株式を売却すれば、「所得税・住民税」が課税されます。これは、相続税や贈与税をいくらたくさん納めていたとしても関係ありません。

なぜなら、同じ税金でも、「相続税・贈与税」と「所得税・住民税」は全くの別物だからです。

これ以外にも、株の配当金を受け取った場合は、相続や贈与でもらった株であろうがなかろうが、所得税・住民税が課税されます。

株を「受け取ったとき」と「売ったとき」でかかる税金の種類が違う

株を「受け取ったとき」には相続税や贈与税がかかります。一方、株を「売った時」には所得税・住民税がかかります。シチュエーションが異なるので、課される税金も異なります。

相続や贈与により株を受け取った時点で、その株の所有者は自分自身に移転します。その後は、その株は自分自身が所有しているわけですから、配当金を受け取ったり、株を売却すれば所得税・住民税が課税されます。

注意しなければならないのは、相続で受け取った株を売却して納税資金などに使おうとする場合です。手元に残るのは「売却金額」の全額ではなく、あくまでもそこから税金を差し引かれた金額です。これを勘違いすると、納税のために十分な株数を売ったつもりでも、必要なお金が工面できなかった、ということが起こってしまいます。

自分が損をしていなくても節税できるケースも

相続や贈与により上場株式を被相続人(亡くなった方)や贈与者(株をあげた方)から受け取った場合、次の2つを被相続人もしくは贈与者から引き継ぎます。

  • (1)取得した時期(いつ買ったか)
  • (2)取得した価額(いくらで買ったか)

このことを活用して、思わぬ形で節税ができるケースもあります。

例えば、もともと自分が保有していたX株を売却し、500万円の利益が生じたとします。

同じ年に、父親から相続して受け取ったY株1,000株を、1株2,000円で売却しました。このY株は、父親がバブルのころに高く買っていたため、取得価額は、1株5,000円でした。

このとき、Y株を売却することにより、(5,000円-2,000円)×1,000株=300万円の損失が実現したことになります。

上場株式を売却したことによる利益と損失は相殺することができます。ですから、X株のみ売却した場合と、X株とY株を売却した場合との税金を比べると、以下のように大きく異なる結果となるのです。

  • (1)X株のみを売却した場合
    利益500万円×20.315%=1,015,750円
  • (2)X株に加え、Y株も売却した場合
    利益(500万円-300万円)×20.315%=406,300円

このように、もし前所有者が高値で買ったまま塩漬けになっていた状態の株を相続・贈与した場合、これを売却すれば他の株を売った利益と相殺して税金を抑えることができます。

取得価額が分からない場合はどうする?

では、前所有者の取得価額は、どのように調べればよいでしょうか。

特定口座に入っていた株であれば、取得価額を証券会社にて把握していますから、それを引き継ぐことができます。

でも、一般口座に入っている株など、いくらで買ったのか分からない株もあります。この場合はどうすればよいでしょうか?

もし、買った値段が分からない場合でも、いつ買ったのかが分かる記録(通帳、メモ帳など)があれば、その日の株価を遡って調べられますから、それをもって取得価額とすることができます。

しかし、どうしてもいつ買ったかが分からないこともあるでしょう。その場合は、売却価額の5%を取得価額とみなすことができる、というルールがあります。

ただし、売却価額の5%を取得価額とみなすということは、裏を返せば、売却価額の95%が利益になり、そのうちの20.315%が税金として課税されてしまうことになります。

例えば、3,000円のA株を1,000株売ったような場合、もしバブル時に親(前の保有者)が5,000円で買っていたことが分かれば、売却による税金はかかりません。

一方、いついくらで買ったかが分からないとすると、3,000円×1,000株×95%×20.315%=約58万円もの税金がかかってしまうことになります(売買手数料等の諸費用は無視しています)。

特に、バブル時のような高値で買ったのではないかと推測される株については、なんとか取得した時期が分かる書類を探し出すようにしてください。

とはいえ、株を売却した場合の税金は税率が20.315%と一定ですから、所得に応じて50%以上課税される他の所得に比べれば優遇されています。

相続や贈与により受け取った株を売却するときは、最悪でも売った金額の80%は手元に残ると思っておけばOKです。

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