NISAの影響か?今年に入ってからは投資主体別売買動向に変化の兆し

実は、今年(2014年)に入ってからの投資主体別売買動向をみると、昨年とは異なる状況となっています。

1月第1週の投資主体別売買動向では、外国人投資家が1593億円の売り越しだった一方、個人投資家は3006億円の買い越しでした。

その翌週の1月第2週も、外国人投資家が371億円の売り越しに対し、個人投資家は1123億円の買い越しでした。

さらに1月第3週も、外国人投資家2330億円の売り越しに対して個人投資家は3941億円の買い越しとなりました。

つまり、昨年のような「外国人投資家買い、個人投資家売り」の構図が、今年に入ってから変化している兆候が見られるのです。

さらに、個人投資家の現物取引と信用取引の内訳をみると、第1週、第2週、第3週のいずれも、現物取引にて大きく買い越していることが分かります。

筆者は、3週続けて個人投資家が現物取引で買い越したのをここ最近見た記憶がありません。おそらく、2014年からスタートしたNISAによる買い需要が要因の1つではないかと見ています。

今後の外国人投資家の動向には十分な注意が必要

「小泉相場」のときも、「アベノミクス相場」でも、日本株が長期間大きく上昇するときは、外国人投資家が大きく買い越しをしています。

一方で、個人投資家は、アベノミクス相場が始まってからの株式売却だけでも、10兆円もの資金が手元にあるのも事実です。個人投資家の投資余力は、今までにないほど高まっています。

個人投資家の買いが外国人投資家の売りを十分に吸収できるのであれば問題ないのですが、個人投資家が高値を買い進んでいくようなパワーまでは持ち合わせていないように筆者個人的には思います。

基本的に個人投資家は「逆張り買い」をする傾向にありますから、下値を支える程度が精一杯なのではないでしょうか。

現時点ではまだ変化の兆しが見られた程度に過ぎませんが、今後の投資主体別売買動向で、外国人投資家の売りが続くようであれば、大いに警戒する必要がありそうです。