インカムゲインの代表格「配当金」
今回は株式投資の大きな魅力の1つである「配当金」について、基礎的な知識を取り上げたいと思います。
資産運用や投資で得られる利益は大きく分けて2つに分類されます。1つが資産価格の上昇により得られる「キャピタルゲイン」で、株式投資であれば保有銘柄を買った値段より高く売ることによる売却益(=譲渡益)がこれに該当します。
もう1つが「インカムゲイン」と呼ばれるもので、資産を保有することにより受け取ることのできる現金収入(利息や配当)です。株式投資における配当金はこちらに該当します。
筆者は前々から株式投資における損切りの重要性をお伝えしてきました。でも、個人投資家の皆さんの中にはどうしても損切りができない、という方も少なくないと思います。そうした方には配当金を重視した銘柄選びをお勧めします。なぜなら、配当金を毎年受け取り続ければ、株価がいくら下がろうが配当金で投資元本を回収することが可能となるからです。
例えば、現在の株価2,000円で1株当たり配当金が50円の銘柄に投資すれば、配当金の額が今後変わらなければ40年で配当金合計が2,000円となり、投資元本を回収することができます(税金面の影響はここでは無視しています。以下も同様)。
銘柄選びのポイントは「配当利回り」
配当金は企業が業績に応じて株主に対して「分け前」として支払うものです。したがって業績がよければ配当金もより多く受け取れるというのが原則です。
ただし、企業によっては、利益を配当金という形で株主に還元するよりも、財務体質強化のために内部留保したり、将来のさらなる成長のための投資に使うことを優先している場合も少なくありません。
そこで活用したいのが「配当利回り」という指標です。
配当利回りは、現在の株価と1株当たりの予想配当金を使って、配当金からみて株価が割安かどうかを判断するものです。計算式は以下のとおりです。
配当利回り(%) = 1株当たり予想配当金 ÷ 株価 × 100
例えば、株価2,000円、1株当たり予想配当金50円の銘柄の配当利回りは50円÷2,000円×100=2.5%となります。
配当金を重視した銘柄選びでは、この配当利回りが高いほど投資対象として有利であると考えます。配当利回りが高いほど、投資元本を配当金で回収するために必要な期間が短く済むからです。配当金の額が今後も不変と仮定するなら、配当利回り1%の場合は投資元本の回収期間は100年ですが、2%なら50年、4%なら25年、5%なら20年で済みます。