2050年に最も多い年齢層、国家間の格差大
以下は、今からおよそ四半世紀(25年)後にあたる2050年の人口動態の予想です。United Nations(国際連合)の予想によると、2050年に最も多い年齢層は、米国が42歳、ドイツが61歳、日本が76歳、中国が60歳、インドが48歳、サウジアラビアが32歳です。
先進国の中でも移民を受け入れている国は比較的低く、新興国でも経済発展がピークを迎える前(労働人口比率がピークを迎える前)の国は比較的低い傾向があります。六つの中で最も高い日本と最も低いサウジアラビアの差が40歳以上もあることが印象的です。
この資料は、2050年時点でどの国が潤沢な労働力を有しているかを示唆しています。先進国では米国(42歳は日本の34歳下)、新興国ではインド(48歳は中国の12歳下)です。次世代の新興国であるサウジアラビアはそれらを上回ります(32歳は6カ国中最も低い)。
図:2050年の人口動態(国連予想) 単位:千人
以下は、これらの国々の人口推移の予想です。2050年に赤い縦線を記しています。
図:人口の推移(国連予想) 単位:千人
米国、ドイツ、日本、サウジアラビアは左軸、人口が多い中国とインドは右軸を参照します。ドイツ、日本、中国では、近年始まった人口減少が2100年まで続くことが予想されています(今後、人口増加は起きないと予想されている)。インドは2060年代前半に減少が始まることが予想されています。
こうした中、移民の流入によって米国の人口は増加傾向が続くことが予想されています。1950年から2023年までの実績値から、この期間に米国で人口減少が起きていないことが確認でき、2024年から2100年までの予想値から、この期間に米国で人口減少は起きないことが予想されています。米国はほぼ絶えず「人を吸収する国」だといえます。
サウジアラビアも、移民を比較的多く受け入れています。国際連合のレポートによれば、2020年時点の移民の数は、米国がおよそ5,000万人(世界1位)、ドイツは1,500万人(同2位)、サウジアラビアは1,300万人(同3位)でした。
サウジアラビアの人口は2024年以降増加し続け、2100年には7,000万人台に達し、減少傾向を維持した日本やドイツとほとんど同じ水準になることが予想されています。