先進国、新興国、次世代新興国という分類
今、大乱世です。世界に目を向けても、身の回りに目を向けても、秩序が乱れて戦争や騒動が絶えません。2000年代前半に起きた、需要増加を背景とした世界的な株式市場、コモディティ(国際商品)市場の熱気を帯びた価格上昇が懐かしく思えます。世界経済の方向性が見いだしやすかったあの時代と今は、大きく異なります。
こうした中、個人投資家をはじめとした市場関係者はどのような発想で投資先を選べばよいのでしょうか。以下は、投資先を分類する際のヒントになり得る国の種類です。
図:さまざまな先進国、新興国、次世代新興国(いずれも一例)
米国、ドイツ、日本はいわゆる「先進国」の代表格です。中国とインドは2000年代前半に頭角を現し、巨大な人口を武器にわずか数年間で世界を席巻する存在となった「新興国」の筆頭です。中東の大国であるサウジアラビアは、中国やインドほどではないものの「次世代の新興国」として関心が寄せられています。
以下は、これらの基本的なステータスです。米国や中国は日本の25倍を超える国土を有しています。サウジアラビアやインドは同5倍以上です。また、インドや中国は日本の10倍超、米国は3倍弱の人口を有すなど、比較的、規模(数)が大きい特徴があります。
図:さまざまな先進国、新興国、次世代新興国(いずれも一例)のステータス
今回のレポートでは、この五つの国のさまざまなデータを確認しながら、大乱世における分散投資の考え方を追求します。