正解
誤りを含んだ説明は、【C】です。【A】【B】【D】【E】は全て正しい説明です。
貸株サービスの対象は、国内証券取引所の上場銘柄です。2024年10月30日現在、楽天証券が貸株サービスの対象としている銘柄は、全部で4,378銘柄あります。
ほとんど、全ての銘柄が対象となります。ただし、全てではありません。対象とならない銘柄は、10月30日時点で122銘柄あります。
以下が、非対象銘柄です。
- ほふり非取り扱い銘柄
- 東証外国株市場銘柄
- 楽天株式及びグループ会社の株式
- 東証プロ向け市場上場銘柄
- 上場新株予約権証券
- 日経300上場投資信託(ほふり非取り扱い銘柄)
- ETN/ETFS
- 単元未満株式
- 整理銘柄
- その他、楽天証券が定める銘柄
それでは以下、【B】【D】について補足説明します。
【B】貸株中の銘柄も、いつでも売却可能です。普通に売り注文を入れるだけです。
「貸株をやりたくない」と言う人の中には、「売りたい時に売れなくなる」と言う人がいますが、完全な誤解です。楽天証券の貸株サービスならば、貸株中でも、普通に売却注文を入れて売却することができます。
ただし、これは、あくまでも楽天証券の貸株サービスの説明です。他の証券会社では、貸株をいったん取り戻してからでないと売れない場合もあります。
【D】貸株をしたままだと、配当金や株主優待が得られません。ただし、「株主優待・予想有配優先」を選択して貸株を行えば、優待・配当金を得られます。
【D】については、以下、詳しく説明します。
「株主優待・予想有配優先」を選択して貸株すれば、配当金も株主優待も得られる
お持ちの株を、楽天証券の貸株サービスを利用して貸し出す場合、
- 金利優先
- 株主優待優先
- 株主優待・予想有配優先
の3通りから、どれか一つを選んでいただくことになります。
配当金(配当所得)も、株主優待も両方とも欲しいならば、【3】「株主優待・予想有配優先」を選択して、貸株するのが良いと思います。
【1】「金利優先」を選ぶ場合
配当金や株主優待の権利が確定する日も、貸株の自動返却を行わず、そのまま貸株を継続し、なるべく多くの貸株金利が受け取れるようにします。権利確定日は、貸株金利が通常の5倍になります。ただし、株主優待があっても、権利は得られません。配当金は、配当金相当額(雑所得または事業所得)として、お客さまの預り金に入金されます。
【2】「株主優待優先」を選ぶ場合
株主優待の権利確定日に、自動的にお客さまの株式が返却され、その権利を受け取ることができます。同じ日に、配当金を得る権利が確定する場合はそちらの権利も確定します。
ただし、株主優待情報がない場合は、配当金の権利が確定する場合でも、株式の自動返却は行われません。その場合は、配当金(配当所得)は受け取れません。代わりに配当金相当額を受け取ることになります。
【3】「株主優待・予想有配優先」を選ぶ場合
貸株をしながら、株主優待も配当金(配当所得)も両方とも欲しい方は、こちらを選んでください。株主優待または配当金の権利が確定する日には、自動的にお客さまの口座に株式が返却されます。
ただし、予想有配優先としていても、優待のない復配銘柄で株式が返却されないケースがあります。詳しくは、以下を参照してください。
クイズには出さなかったのですが、気をつけるべきデメリットとして、もう一つあります。
気をつけるべきデメリット:「継続保有特典」のある株主優待で「継続保有」の地位が失われるリスクに注意
2024年10月30日時点で、株主優待を実施している銘柄は、全部で1,456銘柄あります。うち、595銘柄は、「継続保有特典」をつけています。イオン(8267)、KDDI(9433)、ビックカメラ(3048)などが継続保有特典をつけています。
「継続保有特典」とは、株主になってからの年数が長いほど、優待内容が増加する特典です。例えば、100株保有している株主に1,000円分の食事券を贈呈する企業で、2年以上継続保有の場合には2,000円、3年以上継続保有の場合には3,000円分の食事券を贈呈する場合があります。これが、継続保有特典です。
貸株をしたまま、株主優待の権利確定日を過ぎると、優待が得られません。優待が得られないだけでなく、継続保有の地位も失われます。権利確定日の株主名簿に名前が載っていないので、「一度、株主でなくなった」と見なされるからです。貸株をやめて、次の権利確定日で株主優待を得ても、株主になって1年未満の株主と見なされてしまいます。
「株主優待優先」または「株主優待・予想有配優先」で貸株をしていれば、優待の権利が得られる日には、貸株が返却されていますので、その時点で、継続して株主であると見なされます。従って、「継続保有」の地位は失われません。ただし、それでも、貸株をしていると、「継続保有」の地位が失われることがあります。
まれに、上場企業が、優待も配当も得られない任意の日に、株主名簿の確定をすることがあります。「株主優待・予想有配優先」で貸株をしていても、運悪く、任意の株主名簿確定が行われてしまうと、そこで、継続保有の地位が失われます。
「継続保有特典」のついた銘柄で、「継続保有」の地位を大切にしたい場合は、その銘柄は、貸株に出さない方が良いと言えます。
なお、継続保有特典のある銘柄は、楽天証券の「株主優待検索」にアクセスすれば、調べることができます。「株主優待検索」の左側にある「検索条件を指定」の欄の下の方に「優待内容」という項目があります。「優待内容」の一番下にある「継続保有特典」のボックスにチェックを入れていただくと、特典をつけている全銘柄が表示されます。