ドル金利上昇によって再び150円台へ円安が進む

 米景気減速・米インフレ率低下を受けて、8月~9月前半にかけて、ドル金利が低下して、円高(ドル安)が進みました。そのまま年末から2025年にかけて、さらに円高が進む可能性もありました。年末から来年にかけて、FRB(米連邦準備制度理事会)が利下げを続けると見込まれる一方、日本銀行は利上げスタンスを維持しているからです。

 ところが、9月後半から10月にかけて、再びドル金利が上昇して、円安(ドル高)が進みました。米景気が想定以上に強く、FRBによる利下げが鈍化するとみられ、米金利上昇につながりました。

 さらに先週は、米大統領選でトランプ氏優位の見方が広がったことも、米金利上昇・ドル高につながりました。トランプ氏公約は、法人減税・インフラ投資など景気刺激策が多く、米国でインフレ懸念を強めるとみられています。

 また、トランプ氏が、米国の全ての輸入品に10%もしくは20%の普遍的基本関税を課し、さらに中国製品に60%の関税をかける方針であることも、米国内の物価上昇→インフレ再燃につながるとみられています。

日米2年金利差とドル/円為替レートの月次推移:2019年末~2024年10月(25日)

出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成:2019年末~2024年10月(25日)

 円安が進めば、日経平均は上昇することが多いのですが、先週は、円安が進む中で、日経平均が下がりました。円安株高の連動性が低下している可能性があります。